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チーム作りはミッションで

 アイデアを伝えてチームができると、「やった!チーム結成だ!」と浮かれてしまうもの。けれども、残念ながらアイデアだけを基に結成されたチームは、非常に脆い。アイデアに興味を持ってもらうことがスタートラインであって、その後に重要なのは、アイデアの背後にあるミッションへの共感を深め、チームの再結成ともいえる新たな結束を固めること。今回はその理由についてメモを残していこう。

 なぜ、アイデアだけで形成されたチームは危険か。その理由は単純明快。アイデアをカタチにする過程で、そのアイデアが変更されるのは避けられず、結果としてアイデアを土台にしていたチームが解散してしまう可能性が高いから。

 アイデアの変更が起こる原因はいくつかある。まず一つ目はフィードバック。顧客、投資家、メンターなどの意見に基づき、アイデアに修正が加えられることはよくあるもの。二つ目は試作設計。実際に開発やデザインを進めていく中で、技術的な制約や実現不可能な部分が判明し、アイデアの変更が必要になることも。三つ目はビジネスモデル。収益性が低い、または競争に勝てないと判明の場合、アイデア自体の変更を余儀なくされることも。

 例えば、「ミカンを使ったゼリー」というアイデアに共感してチームが結成されたとする。けれども、顧客から「ケーキ風にしてほしい」といったフィードバックを受け、「ミカンを使ったケーキ」にアイデアが変わることも。あるいは、試作段階で賞味期限の問題が発覚し、冷凍の工程を加えた「ミカンアイス」へと変更することも。さらには、競合である「オレンジゼリー」に勝てないことが発覚し、ミカンからビタミンCを抽出した健康サプリのサブスクに方向転換する場合も。

 こんなアイデアの変更が起こってしまうと、単純に「ミカン×ゼリー」というアイデアに惹かれていたメンバーは離れてしまうことが多い。けれども、「地域資源を活用して新しい事業を創出する!」や「ミカンを通じて新しい市場を切り開く!」といったアイデアの裏にあるミッションにメンバーの共感があれば、アイデアが変わってもチームは前向きに進み続けることができる。

 アイデアが最初から最後まで変わらずに進むことはほとんどない。アイデアは変化していくもの。だからこそ、チームを作る際には、アイデアそのものを伝えるだけでなく、その背景にあるミッションやビジョン、そして実現したい世界観をしっかりと共有することが欠かせない。アイデアにのみ依存したチームは脆いものであることを心に留めて、アイデアをカタチにする旅路を歩んでいこう。これからチームを結成する皆様の一助となりますように。

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