勝てない人を巻き込もう
アイデアをカタチにする上で重要なこと。それは、リーダーが「自分では到底かなわない」と思うほど優秀な人たちをチームに迎え入れること。というわけで今回は、なぜそれが大切なのか、そしてどのような心構えで彼らを巻き込むべきかをメモしていこう。
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まず、自分より優れた人を巻き込むことが大切な理由。それは、リーダーが「裸の王様状態」にならないため。リーダー自身が、相手に対して「自分は優れている」と感じるようなメンバーばかりで固めると、チームのメンバーはただ従うだけになり、リーダーの力量を超えた成果は生み出せない。
例えば、「ミカン柄のスーツケースを作り上げよう!」というプロジェクトがあったとする。リーダー自身がデザインや製造、販売についてある程度知識があったとしても、より優秀な人を巻き込まずに進めてしまうと、リーダーの力量に応じた進展となり、ありきたりな結果しか生まないように。
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次に、リーダーが自分より優秀な人を巻き込むためには、自分自身が「取るに足りない存在だ」ということを自覚する謙虚さが欠かせない。多くの人は自分を過大評価しがちだからこそ、これを克服することが第一歩。
例えば、ミカン柄スーツケースに取り組む際、デザインのプロ、ミカンの専門家、スーツケース作りのエキスパートといった方々が世に存在する中で、そもそも自分はリーダーとして相応しいのかと自問自答することが大切。自分が持っているスキルや力量を正しく見極めることができれば、もっと素晴らしい人を探さなくては、という気持ちも湧いてくる。
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最後に、リーダーが自分より優秀な人を巻き込むためには、自分自身が「どんなに優秀な人にも負けないものがある」という強い自負を持つことが大切。スキルで劣っていたとしても、ビジョンを示すことができたり、リスクを恐れずに一歩前に進む勇気を持っていたりと、自分だけが持っているリーダーの資質を再確認していく。
例えば、ミカン柄スーツケースを作る際、あらゆるスキルで自分が平凡であったとしても、「ミカンへの情熱は誰にも負けない!」「自分はリスクを取って挑戦できる!」というように、自分自身が優秀な方々と共に歩むリーダーとして相応しいと資質を炙り出していく。
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アイデアをカタチにする際、自分より優秀な人材をチームに引き入れることが欠かせない。そのためには三つのステップを経ていこう。まず、ただ仲間集めを行うと「裸の王様」になる可能性があると認識すること。その上で、自分は他者と比較して小さな存在であることを自覚し、謙虚になること。そして最後に、そんな自分でもリーダーとして持っている強みがあると自負し、自信や熱量と共に声掛けを続けていく。これからもっと優秀な方々を巻き込みたいと願うリーダーの一助となりますように。