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ピボットに必要なアイテム

 アイデアをカタチにする旅路では、軌道修正(ピボット)はほぼ必然的に発生するもの。けれども、いつ如何なる時も簡単にそれはできるわけではなく、より良いピボットを実現するにはいくつかの要素が欠かせない。というわけで今回は、その中でも欠かせない三つのポイントを共有したいと思う。

 ピボットに欠かせない一つ目の要素は、ビジョン。アイデアの方向性を修正する際、最終的に目指すゴールがあれば、新しく作るアイデアが発散することなく、また自分たちが取り組む理由も明瞭に。

 例えば、ミカン繊維を使ってスーツを作るアイデアが方向転換を余儀なくされた際、「ミカンを食品の世界から解き放ち、ビジネスシーンでも当たり前の世界を作る」というビジョンがあれば、次に生まれるアイデアはミカン繊維から作るビジネスシューズ、といった風に自然と収斂されていく。

 ピボットに欠かせない二つ目の要素は、検証結果。アイデアの方向性を修正する際、これまで取り組んでいたアイデアに対してユーザーや顧客からフィードバックを得ていなければ、判断材料がなくなり当てずっぽうなアイデアが誕生してしまうように。

 例えば、ミカン繊維スーツのアイデアに対し「ミカン繊維の価格が高すぎる」という声を受け取っていれば、次のアイデアは価格が高くても受け入れられるような製品にしよう、もしくはミカン繊維の使用量が少ないモノを考案しよう、と選択肢が声に沿って生まれてくる。

 ピボットに欠かせない三つ目の要素は、リソース。アイデアの方向性を修正する際、時間や資金、人材などに余裕がなければ、残念ながら切羽詰まってしまって次のアイデアに対してアクションを起こせないように。

 例えば、極端だけれども口座残高がゼロになってからでは、どんなアイデアにも着手できなくなってしまう。常に余裕を持って期限を切り、もし何かあった時に次へと移行する準備を怠らないようにすることが大切。

 軌道修正は必ず起こり得るもの。もっともっとより良い次の一手を打てるよう、ビジョンを指針に、声に従い、リソースを整え、ピボットを起こしていこう。これからアイデアに挑む皆様の一助となりますように。

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