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日常を離れて創造を

 新規事業であれスタートアップであれ、日々の中から新しいアイデアが生まれることはありつつも、時には日常を離れてアイデアを練る必要があるもの。例えば、離島にこもって見ず知らずの人たちとアイデアを創造したり、合宿所に缶詰めになって役職や立場を超えて事業案を作成したり、といった風に。なぜ、繰り返される日常からの逸脱が必要なのか、その理由を簡単に三つのポイントで解説していこう。

 日常を離れるべき理由の一つ目は、業務の影響を避けるため。自分たちは常に何かしらのタスクに追われていて、そこから離れない限り、まとまった時間を確保することはほぼ不可能。日常の中でアイデアを考えようとしても、「急ぎの仕事が!」「大切な案件が!」といった差し込みが次々と入り、思索にふける時間はいとも簡単に奪われてゆく。

 例えば、ミカン農園の方が秋冬に次の事業の柱を考えようとしても、目の前には収穫や選別、出荷が差し迫っており、それらに時間を取られて新しいことは後回しにされてしまう、といった状況。

 日常を離れるべき理由の二つ目は、当たり前に縛られてしまうから。自分たちは常に業界や組織の当たり前に支配されていて、「こうやらなければならない」「こういう取り組みでなければならない」といった習慣や慣例に縛られているもの。そんな環境で新しい事を考えようとしても、革新的なものは中々に生まれない。

 例えば、ミカン農園の方が農園内でアイデアを練ろうとしても、「ミカン農園で宿泊体験」「ミカン狩りツアー」といった業界内のありふれたアイデアに思考が占拠され、思考のジャンプを果たせなくなってしまう、といった状況。

 日常を離れるべき理由の三つ目は、新しい掛け合わせが生まれるから。これまで日常で接してきたメンバーだけでアイデアを考案し始めると、用いることができる資源が限られて、もしアイデアが思い付いたとしても次に進めなくなることも多々。けれども年齢や役職、そして業界や業種すらも横断してチームを作り、そこからアイデアを作ったならお互いの資源を掛け合わせて手掛ける体制が整っていく。

 例えば、ミカン農園のチームが「よし、VRミカン狩りツアーだ!」と思い立っても、「どうやって始めれりゃええねん…」と最初の一歩から躓いてしまう。けれども農業を離れてITの方々と一緒にアイデアを作っていくと、突飛なアイデアで終わることなく、資源と組み合わせスタートを切ることもできる、といった状況。

 新しいものを生み出したいと思った時には、日常から一歩外に出ることが大切。これまでの日々の業務から離れること。これまで付き合ってきた人々以外と出会うこと。それは、集中して思考を深める時間を確保し、当たり前に支配されない発想を生み出し、そして新しい繋がりから資源を掛け合わせ、実際に始められるアイデアの基盤を作ることへと繋がっていく。さあ、建物の外へ、日常の外へ飛び出していこう。No Talk, All Action!!!

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