自分で解釈して伝えよう
最近、ある企業に勤める22歳の若手女性社員から、上司との仕事の進め方に関する相談を受けた。改善方法はいくつかあると思いつつも、「まずは、相手の言葉を自分なりに解釈して伝える訓練から始めよう」とアドバイスをすることになったので、その理由をメモしておこうと思う。
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一つ目の理由は、認識齟齬を防げるから。単に上司の言葉を聞いて「分かりました!」と返答するだけでは、理解が正しいかどうかはミスをして初めて分かることに。だからこそ、指示をもらった時点で自分の理解を伝えることが欠かせない。
例えば、「週末までにミカンの成分を分析してレポートして!」と言われた場合、「金曜日の23:59までに分析結果をスプレッドシートに記入すればよいですか?」と確認することで、「週末」という曖昧な表現に起因するトラブルを防ぐことができるように。
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二つ目の理由は、仕事の理解を深められるから。上司の言葉を自分自身の言葉に置き換えることで、内容を吟味し踏み込んだ作業を進められるようになる。
例えば、「週末までにミカンの成分を分析してレポートして!」との指示を受けた場合、それを自分の言葉で表現する過程で、なぜ上司が来週にレポートを必要としているのか、またどのように提出することが問題解決に貢献するかなど、より深く考える機会が生まれる。
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三つ目の理由は、信頼関係を育むから。上司の言葉を自分自身の言葉に置き換えて伝えると、もし仮にその内容が若干ズレていたとしても、相手に対して真摯に向き合っていると伝わり、信頼の醸成に繋がっていく。
例えば「週末までにミカンの成分を分析してレポートして!」と言われた場合、自分なりの言葉で説明することで、「まだまだかもしれませんが、一生懸命取り組んでいます!」という姿勢が相手に伝り空気はポジティブに。
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仕事を始めたばかりの時は、小さなミスが多く発生するもの。だからこそ、まずは上司の言葉を自分の言葉で言い換えるところから初めていこう。それは誤解を避け、仕事への理解を深め、信頼を築く大切な一手。新しい職場でチャレンジをする若手の皆様の一助となりますように。