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きょうの金匱要略 1/6 瘡癰腸癰浸淫病脈證并治 第十八(7)

論一首 脈證三條 方五首

※瘡や癰は化膿性のものを含むと考えられています。

諸浮數脈 應當發熱 而反洒浙惡寒 若有痛處 當發其癰
(諸の浮數の脈は、應當に發熱すべし。而るに反って洒浙惡寒し、若し痛む處あるは、當に其の癰を発すべし)

師曰 諸癰腫 欲知有膿無膿 以手掩腫上 熱者為有膿 不熱者為無膿
(師の曰く、諸の癰腫、膿有り、膿無きを知らんと欲せば、手を以て腫上を掩い、熱する者は膿有りと為し、熱せざる者は膿無しと為す)

腸癰之為病 其身甲錯 腹皮急 按之濡如腫狀 腹無積聚
(腸癰の病たる、其の身甲錯し、腹皮急、之を按じて濡なること腫狀の如く、腹に積聚なく)
身而熱 脈數 此為腸內有癰膿 薏苡附子敗醬散主之
(身に熱なく、脈數なるは、此れ腸內に癰膿ありと為す。薏苡附子敗醬散之を主る)

※甲錯は皮膚に湿り気がなくなってガサガサしてサメ肌みたいになっている状態。魚鱗癬。
※腹皮急は腹部の皮膚または腹直筋が突っ張っている状態
※濡は「なん」と読み、湿って柔らかい状態。需の而の部分は一説では長髪の祈祷師が雨ごいをする後ろ姿。
易にも水天需


という卦があり、大きな川の水位が下がるのを飲食して待つ、という意味があります。
※積聚の積は腹部の移動しない塊、聚は移動する塊

薏苡附子敗醬散方
薏苡仁十分
附子二分
敗醬五分
右三味 杵為末 取方寸匕 以水二升 煎減半 頓服 小便當下

※敗醬はオミナエシ科の多年草、オトコエシ、オミナエシの全草。乾燥させた根茎が醤油の腐った臭いがすることに由来する。清熱解毒、排膿の効能があり、かつては虫垂炎によく用いられた


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