A08. アメリカ人との英語の会議をうまく成立させる秘訣
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準備すること
これは、特に第二言語として英語を扱う者にとって重要です。なぜなら、全てが英語で進行する会議において、第二言語話者は会議時間内での思考時間に圧倒的なハンデを追っているからです。
英語で何かコメントや質問がなされたとき、それをとっさに理解して、絶妙なタイミングで英語でレスポンスするのは、第二言語話者が英語ネイティブと同じレベルにできることは絶対にできません。
どんなに英語の上手な人でも、ほんの数秒かもしれませんが、絶対にレスポンスは遅くなります。
そうなんです。どんなに頑張っても、絶対に遅くなるのです。
だからこそ、事前にしっかりと準備をしておくのです。
当日の議題をしっかりと確認し、これまでの仕事の状況を簡潔に話せるようにまとめておきます。できれば、それをしっかりドキュメント化しておきましょう。
当日までには、時間がたくさんあるはずです。少なくとも会議時間以上の時間は与えられているはずです。そうすることで、自分の活動状況を事前に翻訳しておきましょう。
そうすることで、このレスポンスの遅れを最小限に抑えることができます。これによって、自分の中で余裕が出てきます。そうすると、たとえ議題が逸れていったとしても、自然と自分の言葉でしっかりと英語でコミュニケーションを取ることができます。
そして、この事前準備、これ実は英語のためだけでなく、もっと違った意味でもとっても重要なのです。
それは何か。
それは、アメリカと日本の会議に対する考え方の違いによるものです。
アメリカと日本の会議の違いを認識すること
日本の会議の主目的は「情報共有」にあります。社内の関連者に事前に情報を共有し、「おれはこんなこと聞いてなかったぞ。なぜ事前に言わなかったんだ」というサプライズをなくすために、会議が存在します。これがいわゆる社内調整というものです。
しかし、アメリカでの会議の主目的は「議論と判断」にあります。会議で議論し、その場で誰かが何かを判断することをメインとしています。そのため、会議においては「議論」に重点が置かれます。
ですので、会議の前に、個人個人が準備できるところはしっかりと個人の作業レベルで準備をしてきます。そして会議でメンバーと議論します。
そのため、アメリカ人は会議に出る時は、その前にしっかりと個人個人が準備していることが当たり前なのです。
もしこれができていないと、彼らにとっての会議が成立しないため、それは時間の無駄となってしまいます。そのため、各メンバーが事前に準備をしていないと、他のメンバーの時間を無駄にしてしまうことになり、会議開始後5分ぐらいで、また来週の同じ時間に議論しましょう、となってお開きになったりします。
つまり、この会議に対する考え方のギャップを埋めるためにも、アメリカ人と会議を行う際は、しっかりと事前に準備をしておいてください。そうすることが、相手の時間を無駄にしないための最低限のマナー、ということなのです。
場数を踏んで慣れること
まずは臆せず、彼らと打ち合わせを行いましょう。会議の準備をしっかり行って、そして会議の目的を理解したら、あとは実行するのみです。いくら頭の中で考えていたって絶対にうまくなりません。
誰でも最初は初心者なのです。初めはできなくて当たり前。多少たどたどしくても、誠意を持ってしっかり向き合えば決して失礼にあたることはありません。
怖気付くことなく、何回も回数をこなしていけば、そのうち相手の癖や自分の癖が見えてきます。そして会議がうまくいけば、その小さな成功体験を積み重ねていくことで、きっと彼らとの会議も上手になっています。
大事なことは準備と目的。あとは習うより慣れろ、です。皆様のご活躍をお祈りしています。
まとめ
この記事が少しでも皆様のお役に立てられれば幸いです。
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