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得体の知れないもの

子供の頃「得体の知れない何かデカいもの」が怖くて仕方なかった。
例えば遊園地とかにいる着ぐるみ。パレードなんかが始まると泣き喚いていた覚えがある。人間と比べると明らかに異形なそれらは、おそらくウルトラマンの敵キャラを想起させたのだと思う。

家の近所にあった、ため池に浮かぶ鬱蒼とした雑木林も怖くて仕方がなかった。ちょうど今日のヘッダー画像のような場所だ。特に夜のあいつは怖さが5倍増しで、親の車で横を通り過ぎるときは「早く抜けろ」と祈りながら乗っていた覚えがある。僕が泳げないというのもあるが、池の中に何があるんだろうとか、向こう岸の雑木林には北センチネル島のセンチネル族みたいな何か見知らぬ部族がいるんじゃないかとか、夜の池は嫌な想像を膨らませる。
この前あの池の横を運転したのだが、大人になった今もちょっと怖かった。

おそらく僕は物理ではなく感覚的にデカいものが苦手だったと思う。「普通はこれくらいのサイズ」の「普通」から離れていればいるほど怖い。デカいカエルも怖い、住宅街に佇むPLの塔も怖い、デカい小学生も怖い。
バラエティとかでよくある「触って触って何でしょう」みたいな企画とか絶対無理だ。事前にデカいか小さいかくらいは伝えておいてほしい。両生類なのか爬虫類なのかも知っておきたい。

幼少期に何かトラウマがあったに違いない。先の見えない暗闇をひたすら1人で歩いたとか、オオトカゲに食われそうになったとか、何かがあったはずなのでNHKのファミリーヒストリーで取り上げていただきたい。母親の過去とか全く知らないのであの番組には憧れがある。

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松本拓郎
サポートしていただいたお金を使って何かしら体験し、ここに書きたいと思います。