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過去のトラウマと叫びたくなる衝動

過去のトラウマを思い出して「わー!」と叫びたくなる衝動に駆られることがある。その衝動はふとした時、例えばそれはトイレの床に落ちている毛を拾っている時とかに急にやってきて心臓が軽くワンバンする。心の中で「あー、あの時恥ずかしかったー!消えたい!」と叫んでしまう。過去のトラウマとか恥ずかしかった記憶って僕みたいに急にフラッシュバックするものなのだろうか?皆さんはどうだろう。

その羞恥的衝動を起こさせるエピソードは大体決まっている。
小学4年生の時、プールに併設されていた女子更衣室を「そこ倉庫やで」と友人に騙され開けてしまった。もちろんそこには着替えをしていたであろう大量の女子たちがいて、すぐにドアを閉めた。開けてから閉めるまでのその一瞬が今も頭にこびりついていて、何てことをしてしまったのだろうと今でもショックを受けている。それがきっかけでいじめられたとかはなかったが「変態」としてしばらくいじられた記憶がある。「うるさいわ」と言い返す度量はなく「言われても仕方ないよなあ」と素直に受け止めていたと思う。
僕が女性に対してしばらく自信を持てなかったのは間違いなくこれがきっかけだ。

新卒で入社した会社は年に2度、全社員で行う飲み会があった。大学を卒業し、入社を控えていた僕は4月からの新しいメンバーということで招待してもらった。もちろん自己紹介タイムがある。僕は「何とかして爪痕を残さないと」という思いが先行し、大いに空回りしてしまった。
4月から入社する松本です!趣味は小説を書くことで、今はアジアゾウの交尾をテーマにした短編を書いています!
シーーン。静まりかえる場内。静かなはずなのに、ん?あいつ今なんて言った?交尾がどうとか言ってなかった?というようなざわめきが聞こえてきた。

入社してしばらく経った後、やはりまたその全社員飲み会の季節がやってきて、僕は何を間違ったのか、パートの方に「〇〇さんは、不倫とかしないんすか?」と盛大な失言をしてしまう。もう磔の刑にでもしてください。

同じく新卒で入った会社の話。とある先輩社員が大阪本社から東京支社に転勤となった時、送別会の幹事を任されたのは他でもない僕だった。無事にその先輩を送り出すことしか考えていなかった僕は仕事そっちのけで奔走し、何とかやり切った。が、とある社員に「男女で同じ値段にするとはかなり思い切ったな」と言われた。値段をズラすという発想がまるでなかったのだ。だから集金の時に女性社員が睨むようにして渡してきたのか!僕の送別会で全社員の10%しか集まらなかったのはおそらくこの事件のせいである。
最悪なスタートを切ったその会社で僕は3年半働くことになる。

恥ずかしい恥ずかしい。今日も僕は恥じらいを抱え、勇気を出して外に出ている。さっき気づいたのだが、ジーンズの股間部分が破れている。立っていると分からないが、電車で座ると向かいの人からは完全に分かる。こういうのは意外と恥ずかしくない。

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松本拓郎
サポートしていただいたお金を使って何かしら体験し、ここに書きたいと思います。