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おもろい予感

おもしろい映画というのはあらすじを聞いただけで「おもろそう!」となって、その勢いで観るとやはりおもしろいものだ。

韓国映画で「エクストリームジョブ」という作品がある。これなんかは「予感させるあらすじ」の代表格みたいなもので、バカバカしさを貫いていておもしろい。

反社グループの摘発を目論んでいる警察五人組。彼らは署内で「チームおちこぼれ」として出世街道を外れ、同僚からはひどく見下されている。一発逆転を狙い、かねてからマークしていた反社グループのアジトを突き止め、向かいに位置するチキン屋を買い取って捜査本部にする。しかしそのチキン屋が大繁盛してしまい、捜査どころではなくなってしまう。

もうこれだけで読者の皆さまはかなり予感しているだろう。ここから後半にかけてどんどんおもしろくなっていくし、最後は意外な種明かしもあるから、近年ではトップクラスのコメディ映画だと個人的に思っている。

「ペルシャン・レッスン」という映画も良かった。第二次世界大戦中の話で、ドイツ軍に処刑されそうになるユダヤ人の青年が「僕はペルシャ人だ!」と嘘をついて、何とか生き延びようとする。その敵軍の大尉がペルシャ語を勉強したかったので、彼はデタラメなペルシャ語を教え続けるもやがてその嘘はバレて、、

これもあらすじを読んだ段階で絶対に見ないといけないと思った。そしてやはり最後まで面白かった。死が瀬戸際にあるコメディって、僕はあまりに知らない。ナチス軍のユダヤ人迫害ですらコメディになってしまうのだから、笑いはどこからでも生まれるということだ。

映画は監督がどうだとか、脚本がどうだとか、批評家はワーワーうるさいが、第一にこのあらすじをクリアしないことには始まらないと思う。
巨悪を逮捕するためにアジトにしたチキン屋が繁盛してしまう。
デタラメのペルシャ語を教えてペルシャ人のフリを続けるユダヤ人。
この強固な一言をまずは作っていかないとなあ思う。でも僕がコンクールに出す時は結局そこを妥協してしまい「中盤に良いセリフがあるから何とかなる!」と逃げる。その中盤に行かせるためにどうするかを考えねばならないのに。

Xを覗いていたら、また新しい「予感」がした。
「Playground」というベルギーの映画だ。

期待に胸を膨らませて入学した少年が校庭で見たのは、散々なイジメを受けている兄だった。

観たくなるよね?ベルギーの小学校がどんな感じなのかも気になる。こういう映画は劇場で観たいな。予感から感動させてくれ。

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松本拓郎
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