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読書メモ:『本を読む本』
1:読書の意味
1-1:読書技術と積極性
積極性の高い読書ほど良い読書である。読書には情報を得るための読書と理解を深めるための読書があり、それぞれにやり方がある。読書とは姿の見えない教師から学ぶことである。
1-2:読書のレベル
読書には4つのレベルがあり、簡単な方から初級読書、点検読書、分析読書、シントピカル読書である。
1-3:初級読書―読書の第一レベル
基本的な読み書きのスキルで、単語や文を読んで意味を理解するレベル。
1-4:点検読書―読書の第二レベル
本の全体像を把握するための速読やスキムリーディング。内容や構造を概観し、読書の方向性を決める。
点検読書Ⅰ:組織的な拾い読み
a:表題や序文を見る
b:本の構造を知るために目次を調べる
c:索引を調べる
d:カバーに書いてあるうたい文句を読む
e:議論の要と思われる章をよく見る
f:所々拾い読みしてみる
点検読書Ⅱ:表面読み
とにかく通読する
1-5:意欲的な読者になるには
積極的な読書の為に目的を決め、質問をすること。
a:全体として何に関する本か(テーマ)
b:何をどのようにして詳しく述べられているか(主張・議論)
c:全体として真実か、どの部分が真実か
d:それにはどんな意義があるか
鉛筆を持ち、行間に書くこと。
a:傍線を引く
b:行のアタマの余白に横線を入れる
c:*、☆印などを余白に入れる
d:余白に数字を記入する
e:余白に他のぺージのナンバーを記入する
f:キーワードを〇で囲む
g:ページの余白に書き入れをする
2:分析読書―読書の第三レベル
本の内容を深く理解するための詳細な読み方。著者の主張や意図を明確にし、その根拠や論理性を評価する。
2-1:本を分類する
読み始める前に本の種類と主題を分類する。
2-2:本を透析する
その本全体が何に関するものかを、できるだけ簡潔に述べる。
主要な部分を順序良く関連付けて、その概要を述べる。
著者が解決しようとしている問題がなんであるかを明らかにする。
2-3:著者と折り合いをつける
キーワードを見つけて著者と折り合いをつける。
2-4:著者の伝えたいことは何か
重要な文を見つけ著者の主要な命題を把握する。
一連の文の中に著者の論証を見つける。または、いくつかの文を取り出して、論証を組み立てる。
著者の解決した問題はどれで、解決していない問題はどれか見極める。未解決の問題については、解決に失敗したことを著者が自覚しているかどうか見定める。
2-5:本を正しく批評する
Ⅰ:知的エチケットの一般的心得
a:「概略」と「解釈」を終えないうちは批評にとりかからないこと
b:けんか腰の反論はよくない
c:批評的な判断を下すには、十分な根拠を挙げて、知識と単なる個人的な意見をはっきり区別すること
2-6:著者に賛成するか、反論するか
Ⅱ:批判に関して特に注意すべき事項
a:著者が知識不足である点を明らかにすること
b:著者の知識に誤りがある点を明らかにすること
c:著者が論理性に欠ける点を明らかにすること
d:著者の分析や説明が不完全である部分を明らかにすること
2-7:読書の補助手段
Ⅰ:読書に関連のある経験
a:普通経験(小説・哲学)
b:特殊経験(科学)
Ⅱ:他の本から手助けを得る
付帯的読書
作品が書かれた順番に読む
Ⅲ:注釈書や抜粋
自分の読書ができなくなるのであまり利用しすぎないこと
Ⅳ:参考図書
辞書や百科事典
Ⅲと同様に最初から頼り過ぎないこと
3:読書の最終目標
複数の書籍を読み比べ、主題について総合的な理解を深める。異なる著者の視点を比較し、自分自身の意見や理解を形成する。
3-1:シントピカル読書
準備
・図書館の目録、他人の助言、書物についている文献一覧などを利用して、主題にかんする文献表を作成する。
・文献表の書物を全部点検して、どれが主題に密接な関係をもつかを調べ、また主題の観念を明確につかむ。
第一段階
準備作業で関連書として書物を点検し、もっとも関連の深い箇所を発見する。
第二段階
主題について、特定の著者に偏らない用語の使い方を決め、著者に折り合いをつけさせる。
第三段階
一連の質問をして、どの著者にも偏らない命題をたてる。
第四段階
さまざまな質問に対する著者の答えを整理して、論点を明確にする。
第五段階
主題をできるだけ多角的に理解できるように、質問と論点を整理し、論考を分析する。
3-2:読書と精神の成長
良書は人の精神を成長させてくれる。本当に読むべきに値する本は本のわずかしかないが、優れた書物は読者の努力に応えてくれる。優れた読書は、われわれを励まし、どこまでも人を成長させてくれる。
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