戸建住宅で考えたこと〜板倉ニュータウン コンペティション〜
「ITAKURA LIFE 住宅プラン」というコンペにて得票数第1位ということで優秀賞を受賞することができました!
このコンペで考えたことをまとめます。
群馬県の南東部に位置する板倉ニュータウンという大規模開発・分譲している地域に戸建住宅のコンペが行われた。
緑のデザイン賞を受賞しているだけあり、とても魅力的な街である。
戸建住宅でお施主様が決まっていないという条件の中で考えたことをまとめます。
最後の方に提案書、動画載せてるので是非見てみてください!
コンペの要件
このコンペは『きらめく「家族の時間」ここからはじまる』というテーマで募集された。
形の違う敷地が5箇所か設定され、板倉ニュータウンで考えられる様々なライフスタイルに対応できるよう求められた。
ここで難しいと感じたのはお施主様がまだ居ないことだ。お施主様が存在する場合、お施主様の趣味嗜好などを読み解き作り上げていくという手法が可能となる。しかし今回はお施主様が居ない。
敷地も形やサイズが違えど、群を抜けるような大きな違いは無い。
そして、様々なライフスタイルをピックアップしていくとどれも捨てがたく、どれも魅力的であった。
そこで考えたのはこの街にどのような建物を計画すれば良いかという糸口で考えた。
郊外という環境
コロナウイルスの影響でリモートワークに移行して仕事をしてる人々は少なくないだろう。都会の喧騒から離れて自然豊かな雰囲気の中仕事をしたいと郊外の住宅を探している人もこれまた少なくないはずだ。その理由として、郊外の地価が少しづつ上昇している事に分かる。
郊外のポテンシャルとして同じような子育て世代が多く、近所に同じぐらいの年の子どもを持つ家庭が多い環境で子育てすること。身近に子どもを遊ばせられる公園なども多く、子どもたちは自然に触れ、季節を感じながら育つことになります。
「自然環境の豊かさ」や「子育て環境・教育環境」などの点があげられる。
戸建住宅を建てる場合にも、都心と比べて比較的低予算で、庭付きのゆったりとした間取りのマイホームを実現可能でしょう。郊外にはクルマでのアクセスに適したショッピングモールや大型の家具店、量販店なども多く、こうした商業施設を利用すれば買い物も便利である。
一方、デメリットを言えば、都心と比較すると交通アクセスなどの利便性はやや低くなることでしょう。郊外に住む場合、基本的には自家用車は必須となる。通勤には電車を利用するケースも多いでしょうが、日々の通勤時間が長くかかるうえに、終電の時間も早いなど、利用するうえでストレスがかかりやすいだろう。
資産価値の観点では、郊外の土地や自宅の価値は低下しやすいことに留意する必要がある。
リモートワークが主体になっている今日にとっては郊外で住むデメリットはとても少なくなったと感じる。
豊かさを共有
メリットでもある豊かな自然環境を最大限活かす計画をこそが郊外で建築するときにとても大事だ。建物を建てる敷地内で考えると『庭』というものが重要となってくる。
光、風、緑などを楽しみ、住民の暮らし方、趣味などを楽しめる『庭』を作り出すべきだと考える。
周辺住民や周辺の環境からも開放的な『庭』を作るように意識した。
均質な敷地割だからこそ『庭』を共有して板倉ニュータウン自体が一つの『庭』のような感覚でつくっていくのも良いのではないかと思った。
敷地にある『庭』を最大限に活かせるような計画とし、今回計画した建物が建ち並ぶことでニュータウン全体の自然環境をより活きるよう計画していく。そして、既に建てられている住宅とも『庭』によって調和できるよう考えた。
設計コンセプト
建物の中心に水廻り設備を配置し、その周りに大小の部屋をつなぎあわせ、連続させた「かさ」のような住宅を提案する。
柔軟性のない住宅にライフスタイルを規制されるのではなく、多様なライフスタイルを受け止める住宅こそ、これからの住宅に必要だと考えた。
01_多様なライフスタイルを受け止める家
02_建築のカタチとしての自由度のある暮らし
構造計画
自由なプランニングを考慮した構造計画
●外周部に高耐力壁で固め、内部は片面真壁を水廻り設備周辺のみとし、自由なプランを可能にする配置とする。
●耐力壁の有効な性能を最大限出せる壁倍率7.0倍としました。釘の仕様変更のみとしローコストな木造住宅とする。
●耐力壁は筋交いを用いない構造用合板とし、地震時に筋交いが横座屈し耐力壁が面外へはらむ破壊防止を考慮した。
詳細は下記の提案書・PR動画をご覧ください!
提案書
プレゼンテーション動画
板倉ニュータウンサイト
〜きらめく「家族時間」ここからはじまる〜
ITAKURA LIFE住宅プラン
謝辞
得票数第1位ということで優秀賞を受賞することができました!
優秀賞という大変光栄な賞を頂けて大変嬉しく思います。
今回の優秀賞を受賞できたのも未熟な私どもを支えてくださった周りの皆様、また今回運営をされている群馬県企画局団地課の方々のお陰です。
心より感謝申し上げます。
これから一層は励んで参りますのでどうぞよろしくお願い致します。