腰痛、正しく動かす!
みなさんがお悩みの腰痛について具体的な運動療法をわたしなりに解説したいと思います。
マッサージで気持ち良く改善したいという方が多いと思いますが、症状によりますが、その日だけの効果ということが多いです。
マッサージは自分へのご褒美、癒しと割り切って利用する方が良いかもしれません。
今回の内容は
・いつまでも症状が軽くならない
・非特異的腰痛、慢性腰痛
という方を対象にしました。安静時の痛みがあるという方は対象外となります、まずは整形外科の医師と協力して治療しましょう。
腰痛の概要は前回記事『困った腰痛、まずは理解を!』をご覧ください。
■機能的診断
リハビリに力を入れている整形外科や接骨院、整体でどのような動作で痛いのかを診てもらいましょう。前屈したり、体を反らしたり、捻ったりといった検査です。
なぜこのような診断が必要かというとレントゲンなどの画像検査で異常の部位と痛みの部位が一致するとは限らないからです。
そのため日常生活で痛みの出る姿勢や動きを再現し、画像検査と照らし合わせて本当の痛みの原因を仮説検証することは大切なことです。その結果を受けてセルフケアを実施、症状改善を目指すという流れが1番良いと思います。
とはいっても医療機関の仕組みや忙しさを考えると対応できないことが多くなっています。その為みなさんの腰痛に共通するセルフケアをご紹介したいと思います。
■セルフケア
・背骨の動きを良くする
背骨は竹がしなるように分節的に動くことが大切です。背骨が硬く棒のようにまっすぐ前屈や中腰の動作をする方は曲がるところに負荷が集中してしまいます。
このような動作は一部分にストレスが集中し筋筋膜性腰痛に発展する可能性があります。
そこで分節的に動かすことを学習させる運動療法を紹介します。
背骨全体がカーブを描くように体を反らしましょう、背中の上、背中の真ん中、背中の下と段階的にイメージして反る。腰部単独で反ると腰痛の原因になります。
背骨全体がカーブを描くように実施する。丸くなる際、腰部が真っ直ぐになりやすいためお臍をのぞき込むようにする。
どうしても丸くなることができないという場合はバランスボールに抱きつくストレッチをして練習しましょう。その時腰部がボールの弯曲に沿って丸くなるように意識しましょう。
四つん這いで腰部を丸くできたら、正座することで腰部をさらに丸くすることができます。
慣れてきたら背骨全体を丸めて卵のように転がりましょう。背骨が硬く棒のように真っ直ぐだと緩やかに転がれず衝撃がドンと背中にきます。
・安定した体幹をつくる
体幹の深部の筋肉を使う運動を紹介します、この筋肉は動きはじめで働き、身体を安定させるといった役割があります。体幹深部の筋肉に刺激が入ると効率良く体を動かすことができ、腰痛予防につながります。
考え方としては鍛えるのではなく、使えるようにするということです。そのため自分が使っていることを明確に感じとることが目的ですから、低負荷で行います。
基本的な運動となります。お腹を凹ませて、横っ腹に刺激が入りお腹が真っ平らになっていれば正解です。この状態から基本的な運動動作を行うことがもっとも効率が良い動きになります。
上記のようにドローインの感覚が掴めたら少しずつ手足を動かすような運動に挑戦しましょう。
注意)強い負荷のあるスポーツでは深部の体幹筋だけではなく浅層の体幹筋も利用する必要があります、そのため別のトレーニングも実施しています。
■まとめ
腰痛には色々な原因があります、1番良いのは慢性腰痛や非特異的腰痛(画像に映らない腰痛)でも専門家に診てもらい、原因に合わせた治療やセルフケアを行うことだと思います。
そのような対応を受けられなかったとしても今回紹介した、柔軟性と安定性があれば症状は良くなるはずです。時間がない方は『背骨の動きを良くする』運動だけでも取り組んでみてください。
■現場のリアル
わたしの力不足でもありますが、なかなかセルフケアを実施する方は少ないと、感じています。ただし、しっかり継続する方は症状が軽くなることは事実です。
継続する方はバランスボールを利用して丸まる、反らすなどの動きを工夫して取り組まれています、みなさんも楽しんで継続できるようにツールを使ってみるのもよいかもしれません。
ご覧いただきありがとございました、今後もみなさんのお役に立てれば幸いです。
参考文献
・月刊スポ-ツメディスン2013年8月号153号、体幹深部筋と腰痛ー体幹トレーニングのキーポイント
・成田崇矢:成田崇矢の臨床 腰痛.運動と医学の出版社
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