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塩・塩・塩…塩【スマホで読めないエッセイ14】
塩酸塩を毎日、飲んでいた。塩酸塩とはアトモキセチ
ン塩酸塩(ストラテラ・ADHD治療薬)やパロキセチ
ン塩酸塩(パキシル・うつ病治療薬)である。このよう
な塩酸塩という物質に疑問に思った。この薬だけでなく
て塩酸塩は多くの薬に付いている。最初に見たときぼく
は塩と酸と塩はどう区切るのかなと思ったのだが、塩酸
と塩で分けると見当をつけた。硫酸塩や硝酸塩や安息香
酸塩などを知っていたからである。ちなみに塩酸塩の下
の塩はイオン化合物という意味で塩(しお)でない。な
お塩基(アルカリ)と酸が結合した物質のことを化学で
は塩(エン)と定義している。参考に英語ではsalt
が塩(しお)とイオン化合物=塩(エン)を指す。ただ
の塩酸かと思ったが、ちょっと待てよ、塩酸という液体
は塩化水素の水溶液で劇薬である。毎日、飲んでいるけ
ど塩酸は人肉を溶かすものではないかと心配になる。毎
日塩酸を口に入れたら内臓が溶けてしまう。昔のドラマ
で塩酸を犯人が被害者にかける場面を想像しながら、塩
酸塩の薬を飲んでいる。と不安になってしまったが、実
は塩酸はそんなに特別に心配するものでない。そういえ
ば塩酸は胃液の成分だから、気にすることないと思った
し塩酸が胃の消化を助けてくれる、と考え直した。実際
に塩酸ベタインというサプリがある。胃の消化が弱い人
に塩酸化合物を配合したサプリである。現実にこのよう
に塩酸塩を付ける理由は水溶性を高めるためである。な
ぜ塩酸塩の水溶性が必要かというと薬は単体で結晶化し
て塩酸塩等で結合としないと吸収されないからある。〇
〇塩と、塩が付くものは食品成分表によくある。もっと
も塩の代りにナトリウムかNaとも表記している。亜硫
酸塩はワインの酸化防止剤として使用されている。亜硝
酸塩はハム・タラコ等の発色剤で使われている。安息香
酸塩は清涼飲料水の防腐剤である。ぼくは過敏症で亜硫
酸塩のワインを飲むと、頭痛がする。また、同様に亜硝
酸塩入りのハムやタラコ等で腹痛がする。ハムの中には
無塩漬ハムがある。これはハム製造に発色剤である亜硝
酸塩を使用していないものである。ムシオヅケでなく、
無塩せきと表示することが多く、ムエンセキと読む。こ
の塩漬(エンセキ)は、食品の原材料に発色剤・調味料・
食塩を入れることである。最近はハム等だけでなく亜硝
酸塩を鮭の切身にも塗る。また、コンビニの野菜は亜硝
酸塩の水に漬かっている。ハウスで栽培する野菜は亜硝
酸塩入りの肥料が残留する、ぼくは吐き気のため安息香
酸塩入りのジュースは飲めない。市販ジュースは安息香
酸塩が入っているので飲めない。アスペルガーは安息香
酸塩等の食品添加物過敏症がいる。硫酸塩ではなく亜硫
酸塩と亜が付いているが、亜というのは硫酸塩より亜硫
酸塩は酸素が一つ少ないことを意味する。なお、次亜硫
酸塩の次は亜よりさらに酸素が一つ少ないことを指す。
過塩素酸塩の過は酸素が一つ多いことを指す。つまり、
過塩素酸塩から酸素を一つ取ると塩素酸塩であり、塩素
酸塩から酸素を一つ取ると亜塩素酸塩であって、亜塩素
酸塩から酸素を一つ取ると次亜塩素酸塩になり次亜塩素
酸塩から酸素を一つ取ると次は何かと調べたが次亜塩素
酸塩が酸素は一つしかないので、酸素は無くなってしま
い塩素化合物である。ちなみに、塩酸のトイレ洗剤と次
亜塩素酸塩水溶液の漂白剤を混ぜると、死亡事故に繋が
る塩素ガスが発生して大変危険である。除菌消臭剤で次
亜塩素酸水があるが、次亜塩素酸塩とは別物である。次
亜塩素酸水を空中噴霧することでコロナ対策となる。次
亜塩素酸水は弱酸性で人体に安全であるのに対して、次
亜塩素酸塩は強アルカリ性で人体に有害である。今は次
亜塩素酸塩をコロナ対策で空中噴霧する情報があるが次
亜塩素酸塩を吸ったりしたらコロナ以上に危険であり次
亜塩素酸塩は人間の粘膜を溶かしてしまうのである。次
亜塩素酸水は食品添加物にもなっているので心配ない。
過塩素酸塩の話に戻ることにする。次亜の次の次に過硫
酸塩でなく、過塩素酸塩として、過の例を挙げた。過硫
酸塩でなく過塩素酸塩としたのは、塩素酸塩としたら次
亜塩素酸塩の水溶液漂白剤で塩酸のトイレ洗剤と混ぜる
と塩素ガスの発生の話が書けると思ったからである。次
亜塩素酸塩は消毒のため水道水に添加されている。ぼく
は塩酸塩の薬を次亜塩素酸塩の水道水で飲む。ぼくの中
で塩酸であるトイレ洗剤に似た成分と漂白剤の次亜塩素
酸塩水溶液の薄い液を混ぜている。ということは、体内
で塩素ガスが発生している。このことを心配したが、塩
酸塩を薬として飲んでいるぼくと同じ様に普通の人も次
亜塩素酸塩入りの水道水を飲んでいる。人間は胃酸つま
り塩酸を分泌するのである。そこまで考えてやっと体内
の塩素ガスの不安が消えるのである。アスペルガーなの
で塩素ガスをここまで考えないと水道水が飲めない。更
に塩素ガスについて言及したい。最近は自殺の手段とし
て塩素ガスが使われる。この自殺は大変迷惑で、救助者
も塩素ガスの中毒死に巻き込まれる事例がある。さらに
は塩素ガスは空気よりも重いので、マンション等であれ
ば塩素ガスが階下の住民も巻添えにするのである。一人
の塩素ガス自殺者でマンション全体の封鎖もある。こん
な塩について書いていたら、ぼくは中学生のときの理科
で塩を作る実験を思い出した。アスペルガーは四十年前
の塩の実験をも覚えているのである。水酸化ナトリウム
と塩酸とを反応させて、塩(食塩)を作った。ぼくはこ
の塩の実験って正しく理解されているか疑問に思う。こ
の塩の文字や塩が入った単語が無闇に出てきて混乱する
が塩の実験で塩を使った言葉について一つ一つ整理する。
塩①
塩(しお)・食塩
塩化ナトリウム
塩素とナトリウムの化合物
塩②
塩(エン)塩基性と酸性の物質のイオン化合物 塩基
性塩でも酸性塩でもない正塩 金属と非金属との原子の
錯塩(錯体ともいう)
塩③
塩素 元素記号Cl 最初は原語の黄緑素と訳された
塩素の原語に塩素と訳せる候補名があったが採用され
ず塩素はおかしく黄緑素という訳語が原語に忠実である
塩④
塩基(アルカリ)性の水酸化ナトリウム(アルカリ性
は塩基性と同義に使われるが、正しくない。アルカリ性
は塩基性の一部で、水溶液のみに使用するのが正しい)
塩⑤
塩酸(酸性物質の例として使用)
塩化水素の水溶液
塩素と水素の化合物
「塩(エン)=塩基性と酸性の化合物」が混乱するため
か塩(エン)の概念の説明もせずに実験していた。ぼく
は塩の実験って今でもおかしいと思う。この実験の目的
は塩(エン=イオン化合物)を作ることであって、単な
る塩(しお)を作るための実験でないのである。それな
ら塩(しお=塩化ナトリウム)のような物質を、化合物
の塩(エン)の例とすることを避けるべきである。それ
に塩基の例にナトリウムを持ち出すべきでない。さらに
は塩酸を酸の例に出すのはナンセンスである。単なる塩
と塩(しお・エン)のダジャレに過ぎない。実際に現在
も塩の実験をずっと中学校でしている。中学生が混乱す
る塩の実験を今すぐ中止すべきだ、とぼくは思う。もし
も塩の実験を変更できるなら以下のように提案する。ま
ず塩(イオン化合物)を合成する実験には酸性物質とし
て塩酸でなく、硫酸など塩の字の無い酸を使う。さらに
は塩基では水酸化ナトリウムなどナトリウムという食塩
の塩の成分の無いものを使う。そうしないと従来の実験
は塩の素と塩の基を混ぜたら塩になりました、となるか
ら塩の実験は字面だけみると非常に間抜けである。実験
で塩(しお)ができたのは混ぜた物質が原因であり、も
し塩(しお)と全く別物質ができても塩(エン)と呼ぶ
と塩の実験では教える。そのような実験をするのであれ
ば塩酸と別の〇〇酸を使用し、水酸化ナトリウムと別の
の塩基として水酸化〇○を使用すれば問題ない。ところ
で塩の実験について四十年も覚えて不満に思うぼくの脳
は塩梅(あんばい=バランス)が悪いアスペルガーであ
り塩梅よく脳細胞を活用して普通に生きていけたとした
ら塩を踏む(世の中で苦労する)ことはなかった。青菜
に塩のようにしおれた心境でこの文を書いている。蛞蝓
に塩のようにしおれた心境でこの文を書いている。ぼく
は塩梅という言葉は塩(アルカリ性)と梅(酸性)とい
う塩基と酸のバランスの良い単語と思う。pH=7であ
り塩基性でも酸性でもない中性を表している。それなら
ば塩(エン)とsalt(イオン化合物)を翻訳しない
で塩梅と翻訳した方が混乱しなかったと思う。塩(エン)
は塩基と酸(梅の様な)の化合物だからである。ところ
で塩梅は案配という字を使っているのを見ることがある
が塩梅はもともとエンバイであったが、良い具合の案配
と塩梅が混同してアンバイとなった。良い具合アンバイ
は塩梅・案配の他に按配・案排・按排と表記する。今ま
で塩(エン)と書いたが、説明をさらにすると正確には
正塩(セイエン)である。塩(広義のエン)に三つあり
正塩(狭義のエン)と塩基性塩と酸性塩とがある。しか
し塩基性塩とは塩基性(アルカリ性)の塩ではない。酸
性塩も酸性の塩ではないから、とても混乱する。正確に
は塩基性塩はOH(水酸基=酸素+水素)が含まれてい
る塩である。対の酸性塩はH(水素)だけが含まれてい
る塩である。例えば、酸性塩である炭酸水素ナトリウム
は塩基性の水溶液であるから、ややこしくなっている。
錯塩とは金属原子と非金属原子の分子である。最近は、
錯塩は錯体に変わってきていようで、理科で色々な意味
の塩がでてこないようになってよかったと思う。因みに
錯塩はcomplex saltの訳語である。それでも
錯塩でなく、錯体とすると、イオン化合物という意味で
の塩の一種であることが認識されなくなる。だから錯塩
の塩だけ別の文字に変えてもあまり意味がない。ところ
で塩基というとアルカリ以外に遺伝子でも使う。遺伝子
の塩基はDNAやRNAを構成する要素である。DNA
の塩基はアデニン・グアニン・シトシン・チミン。RN
A塩基はチミンの代わりにウラシルの四つである。ここ
の塩基は核酸塩基の略である。つまり、核酸の構成成分
が塩基でできている。塩基の原語はbaseである。核
酸塩基の原語はnucleo base核の基である。ま
た塩基のbaseは基礎・基盤・基地・基部である。こ
の塩基をbaseの訳語にするなら共通する基の字だけ
で塩を付け無い方が原語に近い。しかし簡単な話でなく
て塩基でなく基は化学用語では原子団を意味する。こん
な塩という文字は化学分野で頻出する。塩基の他に例え
ば塩折がある。たんぱく質が溶液に溶けず沈殿すること
を塩析という(salting outの翻訳語)。こ
の塩析の例は、にがりを使う豆腐の製造である。にがり
=塩化マグネシウムを使用して、大豆の中のたんぱく質
を塩折することで製造する。ここでにがり(漢字で苦汁)
=塩化マグネシウムとしたが合成である。天然は海水か
ら塩化ナトリウムだけを除き製造する。天然のにがりに
は塩化カリウムも除いて製造する商品もある。にがりに
は塩化カルシウムを含むのが天然で、含まないのが合成
で塩化していない亜鉛・鉄なども天然に含まれる。亜鉛
は塩化亜鉛としてにがりに存在しない。人工で合成され
た塩化亜鉛はメッキとかハンダなどに使われている。鉄
は塩化鉄でなく、鉄単体で、にがりに含まれる。ところ
で塩化鉄は塩化第一鉄と塩化第二鉄がある。別の名前で
は塩化第一鉄は塩化二価鉄である。それから塩化第二鉄
は塩化三価鉄である。一二三を間違えているのではなく
て塩化第一鉄は鉄が二価つまり電子が二つ少なく、二つ
の塩素と結合している。
塩のエッセイもそろそろ塩時…いや、潮時である。さ
て塩時鮭というものがある。これは時鮭(ときしらず)
の塩漬(エンセキでなく、しおづけ)のことである。も
し塩時鮭の塩漬(しおづけでなく、エンセキ)なら亜硝
酸塩で化学的に発色させていることになる。本文の最後
は塩土(エンド)の話をしたい。字面だけみると、単純
に塩を混ぜた土かと思うかもしれないが、そうではなく
て塩度(塩分濃度)の誤字でもない。意外かもしれない
が塩土とはインコのエサである。お灸の様な形をしてい
て塩とボレー粉と赤土を硫酸カルシウムで固める。また
黒塩土といって、炭を混ぜたものもある。インコのエサ
に塩土を与えたのは野生のインコが土を食べるので土か
ら塩などミネラルを補給すると思われたからである。今
は塩の補給でなくナッツの毒性を解毒するためを分かっ
て塩土をエサに与えない飼育が推奨される。インコ体内
の塩分過剰になるのと内臓に土が溜まるからである。さ
て塩土化という言葉がある。世界史中世史の用語であっ
て塩土化とは戦争などで征服した土地を人が住めない様
に塩を大量にまくことである。ローマ帝国はカルタゴ市
を塩土化した。最後は日本史古代史の話で、日本書紀に
は塩土老翁(シオツチノオジ)という神が登場する。さ
て塩土の話で今回の塩と酸のエッセイもエンドにする。