Ironman 70.3 Desaru coast レースレポート後編(レースレポート)
こんにちは。 40歳♂、製薬会社で新薬開発に勤しむ傍ら、Ironman世界選手権出場を夢見るトライアスリートです。お喋り怪獣(8歳娘)とGoing my way末っ子長男(5歳息子)の育児を楽しみ、食う・寝る・走る日常に幸せを感じています。このnoteでは、パパ・トライアスリート のトライアスロン 生活を中心に、自由気ままに書いていきたいと思います。
※ レースレポートを挙げないでいるうちに、息子くんもまた1つ、歳増えました。
前回までのあらすじ
トライアスロンを始めてはや15年程。これまで目立った戦績を残せてきたわけではありませんが、以前から憧れていたニュージーランドTaupoで、今年12月にIronman 70.3世界選手権が開催されるということで、この1年、スロットを本気で目指してトレーニングを積んできました。
元々は6月と10月の2回のIronman 70.3のレースにエントリーして、スロット確保の確実性を上げようと考えていたものの、認識違いもあって、急遽5月のIronman 70.3 Desaru coastの一発勝負に変更。家族の理解もあり(本当に感謝!)、レースに完全に集中する為にひとりでマレーシアの地へ。レースまでの期間、しっかり休養を取りつつ、レースに向けてコンディションは良好です。
さぁ、いよいよだ!
レースレポート
レース前
スタート7時に合わせ、4時に起床。正直こっちに来てから謎に寝つきが悪く、この日も夜中に何度も目が覚める(布団?枕?緊張?湿度?)。ただ、それも見越して8時にはベッドに入っていたので、休息はしっかり取れ、特に気になる寝不足感や疲労感も無く、心は穏か。カーボ接種は、前日からのMaurtenと、朝食用に日本から持参した餅4つ+アルファ米+味噌汁。あぁ、ホッとする。朝食後は、余裕を持って着替えと荷物の最終チェックを済ませ、まだ少し時間があったので家族に電話。普段レース前は早くて電話はできないけど、今回は時差のお陰で丁度よかった。元気をもらって、いざ出発。
トランジションで準備を済ませ、現地で知り合った日本人選手の方と合流し、スイム会場へ。水温と潮流を確かめる程度に試泳を行い、スタートエリアに移動。スイムスキンは久々だが、特に不安もなく、寧ろ「スロットを取るぞ」という意識に(注:この日は水温条件により、スロット欲しい人はウェットスーツNG)。沸々と湧き上がる気持ちと心拍を抑える為、スタート直前まで砂浜に座り、目を瞑って深呼吸をしていたら、レース後に「凄い緊張してたね」と言われた。自覚は無かったが、確かに緊張もしていたのかもしれない。笑
そして、いよいよ、レースの号砲が鳴った。
スイム(38:12、エイジ21位)
コースは三角形に時計回りの一周回。ローリングスタートで割と前の方からスタートした為、スイム下手な人にもみくちゃにされることもなく、スイムはウォーミングアップと言い聞かせ、終始良いリズムでマイペースに進む。最近はトレーニングの成果も出ていたので、ノンウェットであることを差し引いても38分くらいで行けるといいなと考えていたが、ほぼ想定通りでスイムアップ。コース取りもバッチリだったが(ヘッドアップはスイムスキンの方がやりやすいかも)、岸に戻る方向は向かい潮で少し遅かった。
T1に向かいながらMaurtenを接種。普段は座ってゆっくり体を拭いたり着替えしたりしているトランジットも、今回ばかりはシューズもバイク固定しておき、1秒でも無駄にしないつもりで急いだ。T1タイムは2:34。300~400mは走らされてのこのタイムなので、我ながら頑張った。
バイク(2:49:48、エイジ30位)
ここまでは悪くない出だし。バイクもしっかりトレーニングを積んできたので自信を持っていた。コースは全体的に平坦基調で時々緩やかなアップダウンがある程度。乗車位置から市街地に出るまでの少し長めの登りは、無理せず呼吸と心拍を整える。リゾート地ということもあり、市街地に出た後も路面は綺麗でとても走りやすい。序盤は抜きつ抜かれつしながら、ペースの合うパックを探す。
‥と、10分程走ったところで、補給の要であり絶大の信頼を置いていたカルノパワーボトル(フラスクに3本溶かしたもの)が無いことに気づく。フロントマウントに輪ゴムでしっかり固定していたつもりが、ちょっとした振動でもダメだったようだ。これは痛い。
更にここでもうひとつトラブル。スイム中に左手をクラゲに刺された感触はあったが、ふと見てみると、血の滲んだ水膨れに。徐々に膨らんできたので思わず潰してしまい、結構血まみれヒリヒリの惨事に。
少し嫌な予感もしたので、バイクは攻めることは止め、終盤まで出来るだけ無理せず、ペースのアップダウンも避け、我慢してコントロールすることにした。それでも、中盤以降なんだかスピードが出ないし、大腿四頭筋や腰も痛い。アップダウンも風も然程ないのに、何とも歯痒い状態。恐らくは、カルノパワーを落としたのと暑さが原因。暑さは、湿度がそこまで高くなかったせいか体感も然程暑さは感じていなかったが、水分補給はいつもより不足感を感じていたし、実際35度くらいにはなっていたようである。終盤は抜かれる場面も増えてきたが、これ以上無理するとランで潰れるリスクが上がるので、我慢して出来るだけ補給を摂っておくことにした。
結果、バイクは順位も三種目の中で一番悪かったが、ランに向けて脚はまだ一応残っていそうだし、胃腸のコンディションも悪くない。切り替えてランで頑張ろう。
ラン(2:08:58、エイジ24位)
T2は3:20。バイク降車前にトランジットでの動作を頭の中で事前確認し、ゆったり呼吸整えつつもその通りに手早くこなす。さぁ、泣いても笑っても最後のラン。出し切ろう!
…と思ったのも束の間、余裕あるキロ5程度で抑えているものの、暑い、苦しい、キツい。。35℃オーバーの炎天下で、殆ど陽射しを遮るものもない。しかもコースレイアウトはフェイクかと思うほどにひたすらアップダウンの連続。。脚がどうこう以前に、深部体温が上がり過ぎなオーバーヒート状態。。周りを見ると、平坦でも歩いている人もチラホラ、坂道になった途端に半分以上の人はトボトボ。。
これは一旦精神的に崩されたら、まともにゴールするのも厳しいし、万が一スロットが回って来ても流石に受け取れないなと、辛うじて気持ちを保つ。登りは足元だけ見て無心で歩を進め、歩くのは登り切ったあと数十秒とエイドのみと決めた一方、エイドではしっかり体を冷やす。ひたすらその繰り返しで、遅いながらも、淡々と。途中2周目に入ったあたりで軽くスコールが降ったので、ここぞとばかりに意図的に少しペースを上げ、止まる頻度を減らす。心が折れてたら、この機転すら効かなかっただろう。その後はまた炎天下が戻って来たかま、後半からは周囲を一人また一人とパス、逆に抜かれる場面はほぼ無かった。
そのまま、何とか最後までペースを保ち、フィニッシュ!
総括(5:42:51、エイジ23位、全体99位)
ランの2時間切り、出来ればトータル5時間半切りはしたかったが、色々なトラブルにも臨機応変に対応し、最後までそれなりにうまくコントロールは出来たと思う。スロットの期待は極めて薄いけど、トレーニング含め、よく頑張れたという充実感とともに暫しアイスバスに浸った。
一応は全体二桁順位に収まったが、エイジでは23位。スロットが5〜7くらいあるとしても、まずロールダウンの可能性は皆無だ。それでも、頑張った自負はあったのと、ロールダウンセレモニー見たさとで、一ミリの可能性に賭けてセレモニー会場へ。全体としてロールダウンがかなり多く、順番に確認するのではなく「このエイジでスロット欲しい人は前に来て!」という始末。これはもしや…
エイジ40-44、スロット数は7。来た!欲しい人前に来て!他のエイジよりは前に来た人は多そうだが、折角だからワイワイに混ざって前に。一人ずつMCに番号を伝え、MCが手元の紙に丸を付ける。横から除くと、ギリギリ最後の一人に入るか否かのライン。行けるか?行けるのか!?
キタ!呼ばれた!最後のひと枠!エイジ24位の人も前に来ていたので、後でタイム差を確認したところ、たったの33秒。あと1回歩いてたらダメだったかもしれない。。トレーニングから真剣に取り組み、レースの最後まで心折らさず1秒でもと頑張った甲斐があったと、心から嬉しい瞬間だった。タイムや順位で言ったら仮免でしか無いけど、折角掴んだこの機会、12月のTaupoもしっかり満喫しきりたい。