【新卒向け】自分事にする大切さと建築を仕事にするための心構え
僕は一戸建ての実家に住んでいて、昔から部屋の模様替えが趣味でした。
模様替えの前には決まって家具のレイアウトを考えるためにペンで図面を描き、それが気持ちが良いかどうかを考えてから家具を動かして、それがハマったときは一日中部屋を眺めて余韻に浸るのが好きでした。
そんなこともあって図面を手描きするのが好きで、ラスベガスのカジノやグランドキャニオンを見るためにアメリカに行ったとき、10日間で3つのホテルに滞在して、それぞれの間取りをスケッチしたりもしました。
時間を掛けて図面に向き合うことで、自分の身体感覚が段々とその間取りに没入していき、あたかも自分が今そこにいるかのようにイメージできるまでになるんですね。
そうなると、例えば自分の部屋を描いていると、このソファの横が通りにくそうだな、着替えるときにクローゼットの扉が開けられないんじゃないか?、ベッドを置くところがないんじゃないか、スイッチがここにあると寝るときに便利だな、カーテンの裾を見上げて寝るのは嫌だから窓は小さくしたほうが良かったよな、てかシーリングライトって眩しいから間接照明とデスクライトだけが良いな、ここに座ってあの森を眺めるの気持ち良さそうだな、みたいに好き嫌いが図面から伝わってきて自分事になっていきます。
「世界で一番やさしい木造住宅」が一つの基準になるという話をしましたが、この自分事を作るということが間取りを見る上の基準になり、その基準が在ることで自分とお客様の身体感覚や価値観の「違い」に気付けて、図面に表現できるようになるんだと思います。
買っても買わなくても良いんですが、図面が楽しいものになりそうな本をご紹介しておきますね。
僕は仕事は単なる作業でしかないと思ってる派なので、海外旅行や美術館、おしゃれなカフェ、怪しげなクラブ、なんかすごく大人なバーとかに行って楽しい経験をたくさんすることが一番建築の仕事には生きてくるんじゃないかなと思いますし、決して正統派ではない働き方でもそれなりに生きていけることを知っておいてもらえれば良いのかなと思います。