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“基本のキ”を徹底することからスケールは生まれる

田中角栄という政治家は、今も昔も毀誉褒貶の極端な人だ。

やることなすこと全てのスケールが大きく、「コンピューター付きブルドーザー」と呼ばれるほどに明晰な頭脳と圧倒的な行動力を兼ね備えていた。
一方で、金脈問題やロッキード事件など、金にまつわる黒い疑惑によって、「金・権力の亡者」という印象も強い。

僕自身は、社会人として田中角栄から学べることはとても多いと感じている。特に、その人心掌握術。仕事やプライベートを含め、生きていくためには他者とのかかわりを避けては通れない。常に誰かと関係しながら、寄り添い、時には対立しながら日々を送っていく。だからこそ、意識的にせよ無意識的にせよ、人の心にすっと入り込む術を身につけておくことは、人生の可能性を広げてくれることになると思う。

田中角栄の人心掌握術について、好きな話が2つある。

官僚をとても上手く使ったことで知られる角栄は、官僚を味方につけておくため、課長以上の全公務員の名前や結婚記念日はもちろん、妻や子供の誕生日までも完璧に把握し、必ずプレゼントを贈っていたそう。そんなことされたら、角栄を嫌いになんてなれるはずがないと思う。

あと、角栄の有名な言葉で「祝い事は遅れてもいい。ただ葬式には真っ先に駆けつけろ。人が悲しんでいるときに寄り添ってやることが大事なんだ」というものがある。

「冠婚葬祭」のなかでも特に「葬式」を重要視していた角栄は、たとえ政争のライバルであろうが、その人の親しい人が亡くなったと聞けば真っ先に駆けつけて人目もはばからず泣き、哀悼の意を表した。また、葬儀から1週間が過ぎたころには「花が枯れる頃、遺族の悲しみは募るものだ」と、新しい花を贈ったそう。

これって、角栄だけではなく、誰だってできることではないだろうか。

角栄ほどスケールが大きくなくとも、例えば一緒に仕事をする職場の人たちの誕生日を覚えておいて細やかなプレゼントをあげるとか、友人夫婦の結婚記念日にお祝いのメッセージを贈るとか、元気なさそうにしている同僚がいたら声をかけてみるとか。

実は角栄、人間関係における”基本のキ”を半端ないスケールでやっていただけのこと。

もちろん、田中角栄にも闇の部分はたくさんあるだろうし、むしろ人には言えないエグイことの方が多いかもしれない。

でも最初にも言った通り、”人心掌握”について角栄が天才的だったことは紛れもない事実だし、僕たちが彼から学べることは少なくない。

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