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【新店舗"Hone"開業記②:デザイン】制限を設けず詰め込んだ「集大成」の空間
こんにちは。井澤卓です。
仲間とデザイン会社を経営しながら、会社のメンバーで飲食店"LOBBY"と"nephew"を経営しています。
このnoteは、僕達が2022年7月にオープンした新店舗"Hone"を立ち上げるに当たり、構想段階から作り上げる過程を書き連ねるシリーズです。
第一章はこちらをご覧ください。
第一章の前回ではビジネスモデル(業態)についての構想を書き、そこからあっという間に半年。7月23日にオープンしてからも早3ヶ月が経ってしまいました。
本当は計画段階や工事中から書いていくつもりだったので反省です。
でも、その分立ち上げの濃すぎる3ヶ月間から得た経験から、生きたアウトプットが出せそうです。
2回めの今回は、空間とグラフィック等、完成したデザインについて。
理想と計画を成り立たせるためにどんな空間になったのか。たっぷりの写真とともに解説していきます。
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空間の用途
本題に入る前に、まずは空間用途のおさらいから。
今回の物件は神泉駅徒歩3分の木造建物。
1Fには飲食店が僕達の他に3店舗がひしめく独特な建物です。
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僕達の区画のみ1Fと2Fが中階段で繋がる2層構造になっています。
1F全域と2Fの半分を飲食店スペース、残った2Fの半分をオフィススペースとしてリノベーションしました。
更に3Fとして屋根裏部屋を新たに建造し、デザインやペインティングのアトリエとして使っています。
<店舗概要>
場所:神泉駅徒歩1分
広さ:1F:40㎡(立席10)2F:約60㎡(着席24)
■1F:コーヒースタンド・カクテルスタンド
■2F:レストラン・バー・オフィス
■3F(屋根裏):アトリエ(制作工房)
僕達は内装設計会社としても活動しているため、Honeの内装も自分達で手掛けています。
空間を見た方々によくコンセプトを聞かれるのですが、Honeでは特に明確なコンセプトを掲げませんでした。
クライアントワークの際は最初に綿密なヒアリングやディスカッションを重ね、空間のコンセプトから提案します。
そうしないと施主と作り手の間で方向性の一致が取れないためです。
ただ、今回はせっかくの自社物件。
せっかく作るなら、「あえて制限を設けず、その時その時で思いついた自由なアイデアを形にして行こう」と決め、あえてコンセプトを設定せずに挑んでいます。
まさに、今の自分達の集大成の空間。
実験的なチャレンジを繰り返したかいあり、どこかで見た何かの焼きましではない、既視感ない空間ができました。
(そのおかげで右往左往してしまい、大工さん・職人さんを困らせたり、コストがめちゃくちゃ高くなってしまったデメリットも大いにありました…。)
ロゴデザイン
空間の説明をする上で、まずはロゴデザインの成り立ちを説明します。
お店づくりにおいては、グラフィックと空間のビジュアルブランディングに一貫性を持たせることが重要だと考えているので、今回も僕らなりに相関するギミックを入れています。
まず、店名のHoneは、磨くという意味です。
オフィスを併設し、僕達の新たな拠点として技術や能力に”磨きをかける"場という意味で名付けました。
完成したメインロゴはこちら。
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2Fがレストラン、1Fがスタンドバーということで、「業態が違うし、ロゴを分けたいよね」という話から出来上がった2段ロゴ。
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2Fはクラシックな上品さを伴うセリフ体の書体。
着飾って、おしゃれをして来店し、少し特別な時間を過ごしてもらいたいという想いを込めています。
上品ながらも、oやeに崩しがあるバランスが僕達がやりたいお店の世界観にバッチリ合っています。
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一方で1Fは大胆に遊んだチャーミングな書体に。
少しグラフィティのような、ストリートを感じられるニュアンスで、誰でもラフに使える場を表現しています。
また、「Hone=磨く」ということで、磨かれて角が取れていくイメージを曲線に落とし込んでいます。
それぞれのロゴを別々で使ったりと汎用性も抜群。
アイコンに使ってもなかなか映えてくれるのでとても良いロゴができました。
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ロゴができた瞬間に、ワイングラスを作ろうと盛り上がりました。
ワインをメインにするお店はオリジナルグラスを作っているところも多く、お店のアイコンとしてSNSでも活躍してくれます。
わかりやすく特徴的なロゴなので、アイキャッチになってくれていますね。
次の章からは空間について。
まずは1Fから見ていきます。
1F:カクテル&ワインスタンド
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1Fはキッチン機能をメインに、立ち飲みのバーカウンターを備えた構造に。
2Fのレストランの料理もここで作るため、十分な設備と広さを確保することを第一優先にすると、客席は必然的に立ち飲みとなりました。
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パッと目に入って分かる通り、1Fはオレンジがキーカラー。
オレンジとカーキのHoneカラーのうち、よりアクティブな空間になるよう、1Fにオレンジを配置しました。
明るい暖色が、店員とお客さん双方がワイワイと盛り上がる活発な空間づくりに寄与しています。
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カウンターの円を中心に、コンクリートのフロアとフローリングが曲線を描いて広がっていきます。
この床材の構成はデザイナーのこだわり。
コンクリートの部分は普通のモルタルではなく、よく見るとテラゾーになっています。
そこに組み合わさる扇形の特注フローリングは、床材だけで70万円…。
素敵だけど、さすがにこれはかけ過ぎだと後から設計担当の土堤内にお灸を据えたのは後日談です。
天板は黒皮鉄板。
側面がオレンジなので、天板が黒というのは空間を引き締める上では良いバランス。
重厚な素材感がとてもかっこいいです。
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が、鉄板は非常に扱いづらい大きなデメリットも。
酸に弱いどころか、こぼれたら100%シミになってしまいます。
カクテルにはレモンジュースを多用するし、ビネガーを使った料理も頻発する飲食店において酸を排除することは不可能です。
そのため、日々増えるシミを「味」と捉えるしかない。
この不都合は、クライントワークでは事故になりうる問題なので、自社案件だからこそできる素材の実験ですね。
階段
2Fへ上がる階段もデザインの見どころが詰まったポイント。
下から上を見上げると、2F奥の半個室がチラ見えします。
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同じ飲食店でありながら3階層になるHone。
空気感を共有するべく、それぞれの階が完全に断絶すること無く、緩やかに繋がっている空間にしたいと考えていました。
1Fから雰囲気が異なる2Fの景色がチラ見えすることで、「2Fはどうなってるんだろう」と好奇心を掻き立てる構造を意識しています。
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壁部分は斜めに切り込みを入れた細かいギミックを。
足元はよく見るとヘリンボーンの床材を使っています。
2F事務所スペースのヘリンボーンが余ったため、「もったいないから」と、この階段にも使うことにしました。ただ、この施工中に結局材料が足らなくなりまた追加発注するハメに。
施工難易度も高い床材だったために、工期と予算を圧迫してしまいました。(こういう判断ミスが積み重なると金額もチリツモで上がっていくのです…。)
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階段の天井部にはライトを仕込んで有孔ボードを設置。
無数の穴から光が落ちる幻想的なデザインに。
一般的によく使われる素材を思いもよらない部分に用いた秀逸なアイデアだと思います。
これもデザイナーの土堤内のこだわり。
今回照明にはかなり注力しています。
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デザイナーいわく、今回は直接光源を見せないスッキリした天井にチャレンジしたかったそう。
階段上にロフトがあり天井が低くなっていたことからも、照明器具で圧迫感を作らず、なんとなく空間がぼんやり明るくなるシーンを目指しています。
2F:レストラン&バー
次に2F。
2Fはレストランとオフィスで空間を折半しています。
下の図面の上部がレストランフロアです。
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Honeは元々バラバラだった複数の物件を後から繋げた建築物のようで、エリアが不自然に切り別れていました。
加えて、木造建築特有の取り外せない柱や梁が多数出現し、制限だらけの難しい条件の元設計に挑むことに。
チームで熟考を重ねた結果、凸凹に別れた空間をメリットに変えるべく、「あえて一体感を作らず、エリア毎にガラッと空間の表情を変える」ことにしました。
そのため、床材から造設家具の色などキーマテリアルを変えています。
カウンターエリア
階段を上がってすぐ目にするのはバーカウンター。
天井が高く開放感があるこのエリアにはハイスツールを設置し、動きやすいアクティブなスペースに。
抜けた天井には年代物の梁が見え歴史を感じさせます。
さらに床には組み合わせが独特なパーケットフローリングを使い、木造らしいぬくもりを促進する意匠に。
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Honeの空間の中心点になっているのが、大理石を使った天板が目を引く円卓。
カウンター位置を決めてから、取り外せない柱を飲み込みつつ席数を確保できるテーブルの配置を模索した結果、この円卓に落ち着きました。
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中央部はガラスになっていて、実はここから下が見えるようになっています。
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どのような構造になっているかというと、まずテーブルを設置する前に床を円形にくり抜いてします。そこに腰を立ち上げ、天板を上に乗せている形です。
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元はというと、「窓がなく暗い1F部分に光を差し込ませるため、天窓を作る」という発想から生まれた構造です。
営業中に円卓に座るお客様にとっては、下を覗き込むと、これから運ばれる料理が盛り付けられているシーンが見えるという体験が楽しめるように。
階を隔てた位置に厨房があるにも関わらず、料理のライブ感が楽しめる。
他に類を見ない面白い空間要素になりました。
これも設計担当土堤内のアイデアです。
閃きタイプのデザイナーなので、こういうところはとても頼りになります。
実は一階の円形カウンターも、2Fの円を起点にしています。
1Fのカウンターの形はかなり頭を悩ませ、何かしらの必然性を込めたいと考えた結果、2Fの要素を織り交ぜようということに。
階を隔てて円が大きくなっていくイメージです。
空間の中で、複数回、形を変えて核となる要素が目に触れることで、「Honeは円のイメージ」と印象付ける効果もあると思います。
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夜の雰囲気も抜群です。
2Fは元々の木造建築が持つ梁の意匠や天井の高さを最大限活かすため、天井をなるべく作らない方針で進めました。
照明器具やエアコンで上部に視線をバラけさせぬよう、頭上には一切造作物を設置せず、照明は壁に設置する形に拘りました。
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逆に、天井造作している箇所や高さが取れているところは、照明を等ピッチで配灯しており、メリハリを作っています。
ワインセラー
ワインセラーは当初計画していたものではなく、プロジェクトを進行する過程で作ることに。
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Honeのメイン業態はディナータイムのレストラン。
ワインを推していくこと自体は最初から決めていました。
カクテルは基本的に味が複層的だったり、重厚な味わいを魅力とするものが多いため、食事に合わせるのが難しい。
また、ディナーのピークタイムにカクテルがたくさん出てしまうと、1名専任のバーテンダーが必要になってしまう。
2Fはディナータイムも2名で回せる体制が理想だったので、オペレーション面を考慮しても、ワインが出る状況が重要です。
ワインを売るとなると、「ストック含めてかなりの数を保管して置く必要がある」ということで、思い切ってウォークインセラーを作りました。
300本ほどは収納できる大規模なセラーでは、系列店のワインも保管しています。
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ナチュラルワインが好きな人は、セラーに入り「自分で飲みたい一本」を選ぶこともできて大好評。
機能面はもちろん、ワイン好きな人が楽しめるエンタメ要素も付与することができたので、セラーの設置は大成功でした。
ダイニングエリア
2Fの奥は、ボックスソファと深く腰掛けるダイニングチェアが設置されたエリア。
ここは一転、クラシックな雰囲気の空間を目指しました。
テーブル席でゆっくりと食事が楽しめるこのエリアには、グループのお客様を優先的に案内しています。
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当初ここは窓が潰されて光が入らず、どよーんとした暗い空気を纏った部屋でした。以前はカラオケルームのような個室として使われていたようです。
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この部屋を当たり席に変えるというのはかなりの難題だったので、結果として上手く変身させることができたと思います。
表情をガラッと変えるべく、ここでは床材を赤褐色のタイルに切り替え。
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木材の造作壁にはタイルの意匠を追加。
このタイルは、1Fのオレンジのカウンタータイルの色違いです。
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カラーリングはグリーンを基調に。
タイル、ボックスソファ、テーブル天板はそれぞれ異なるグリーンを使っています。
赤褐色の床タイルとの相性もとても良く、落ち着いた雰囲気。
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ネイビーのダイニングチェアはジャスパー・モリソンのZampa Chair。
これは僕が雑誌で見つけて、どうしても入れたいと押し通しました。笑
無駄がなくミニマルなデザイン。
主張は控えめながらも存在感があり、とても気に入っています。
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実はこのエリア、奥だけ小上がりになっています。
目線を変えることで、空間に大人数を案内しても窮屈感を感じない設計にしています。
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トイレ前にはLOBBY、nephewにも飾っているフォトグラファーLukaさんの作品を。
ぼくの一番のお気に入りスポットです。
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ソファエリア
Honeにはソファエリアもあります。
厳密に言うとオフィスエリアの一部なのですが、現在は満席時にグループの方々へのみご案内しています。
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ここも他エリアとはガラッと雰囲気が変わり、カーペットのフロアに赤いソファ、青いテーブル。
靴を脱いでリラックスしたい、落ち着いた空間になっています。
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8名程度まで余裕を持って使える広々としたスペース。
天井が抜けており、とても気持ち良い空間。
レストランフロアとはドアを介した個室になるため、今後はグループへ向けた特別席としての運用を考え中です。
長くなりましたが、以上が完成した空間の説明でした。
ポイントだけ書いてきましたが、触れなかったディティールにもたくさんの趣向を詰め込んでいます。
かなり複雑な構造も面白い物件なので、是非実際に来店して空間を見て頂けると嬉しいです!
※以下は2F奥のオフィススペース。少しだけご紹介します。
![](https://assets.st-note.com/img/1667524181047-VzfhqjLaCT.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1667524471088-ghdUhDYJXV.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1667524487889-PpPky7UHzo.jpg?width=1200)
設計担当:Yusuke Doteuchi, Sako Yamakawa
施工:合同会社ヨコケン
時間と人の手をかけた空間は、その空間を使う人々の時間を上質にしてくれる。
今回は空間を中心に、Honeのデザインについてまとめてきました。
実はこのHoneの空間、完成した当初は結構なプレッシャーを持って受け取りました。
内装の素晴らしさはもちろん大満足でした。
「あの古い木造建築がこうなるなんて。この規模の飲食店では見たことがない、とんでもない空間ができた。」と心の底から思いました。
ただ、当たり前ですが、デザインに拘ると、施工にも手間がかかります。
一筋縄ではいかない意匠を組み合わせた結果、いまだかつてないコストが掛かっていたのです。それこそ会社のお金が0になるくらいに…。
今回、スケジュール的にも圧迫していたのもあり、「見積もりをとってからやるかやらないかを判断する流れ」を一切省いて突き進んでしまいました。
結果、出来上がった空間の金額を見て震え上がりました。もはや金額には触れられません。笑
そんな、当初「やりすぎたな。」と数日間目の前が真っ暗になった空間ですが、3ヶ月間実用してきた今では「やりきって良かった」と考えを改めています。
日々営業しお客様をお迎えする中で、やはり時間と人の手をかけた空間作りは、人々にしっかり伝わると実感しているからです。
お店をご利用頂く方々の反応を見ていると、口々に感嘆と称賛の声が漏れ聞こえて来ます。
なにより、皆様が店内で過ごす時間が充実しており、空間がその一端を担っていることを肌で感じています。
良い空間って空気から違うし、伝わりますよね。
本物の空間には、自然素材を用い、人の手と時間を費やしたからこそ流れる上質な空気があると思います。
だからこそ、デザインに興味がある人でなくとも、その空間に込められた背景や想い、時間を感じ取ってくれる。
そう思うと、あとはもうこの出来上がった空間で、いかに多くの方々に気持ちよく過ごしてもらうかを考えること。
ただ前を向いてやっていくのみだと気持ちを切り替えています。
開業資金
最後に資金について少しだけ触れておきます。
資金の大部分は銀行から借り入れした融資、簡単に言うと借金です。
そこに会社全体の積み立てた事業利益を投じています。
これまでのすべての店舗において、投資家等は一切入っていません。
会社としてはもちろん過去最大の大投資。失敗したら倒産です。
飲食店としてはもちろん、この空間をデザイン事業のショーケースとしても活かし、内装設計やグラフィックデザインの案件をより広げていくための先行投資として位置づけています。
僕達の大勝負をかけたHoneの空間。
これを読んで少しでも興味をお持ち頂いた方々は、是非神泉まで足を運んで頂けると嬉しいです!
僕も週に2〜3回Honeに立っています。
次回はチーム編成とオペレーションについて
ここまでお付き合い頂きありがとうございました!
空間についてはつい力が入り、長くなってしまいます。
次回は初のレストラン業態となるHoneのチーム編成とオペレーションについて書いてみます。
飲食店はオープンしてからが本番。
料理を出すのも、ナチュラルワインを出すのも初めての挑戦なので、日々たくさんの学びがあります。
現場のリアルをお届けできると思うので、またぜひ見に来て下さい!
最後に宣伝です。
僕達& Supply飲食チームでは、共に働く仲間を絶賛募集中です。
料理人、バーテンダー、ソムリエ等サービス職種等、あらゆるポジションで募集しております。
興味がある方、是非一緒に働きましょう!
詳細はこちらに記載しております。
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