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【新店舗開業記①:出店背景と業態】初のレストランを兼ね揃えた4毛作店舗に挑戦します!

こんにちは。井澤卓です。

仲間とデザイン会社を経営しながら、会社のメンバーで飲食店"LOBBY"と"nephew"を経営しています。

LOBBYのオープンから3年。昼はデザインの仕事をし、夜は自分達でバーに立つというスタイルを続けています。飲食経営素人で始めたお店ということで、日々の経験や学び、リアルな経営数字をnoteで公開しています。

2店舗目であるnephewのオープンからちょうど1年経ち、この度3店舗を開業する事が決定しました!

前回と同じ様に、今回も新店の構想段階から作り上げる過程をnoteに書き連ねていこうと思います。
リアルな進捗、心境、数字計画等生々しい飲食経営の裏側を伝えていきます。店舗開業を目指す方々の参考になれば幸いです。

新店舗のきっかけになったオフィス移転

今回の新店舗企画のきっかけは、僕達のオフィスが手狭になったことでした。
現在僕達は1号店のLOBBYの上に事務所を構えています。
Staff Onlyと名付けたこのスペースでは、日中はデザインチームが仕事をする場ですが、夜は1FのLOBBYの客席になったり、飲食イベントをしたり、内輪の飲み会をしたりと、多目的に機能しています。

昼はデザイン、夜は下に降りてバーで働くというメンバーも多い僕達にとっては理にかなった構造でした。

ただ、ここ最近、デザインチームのスタッフが増えたり、事業が多角化したりと今のスペースでの本社機能継続が難しくなり、オフィス拡張を検討することに。
(内装設計やグラフィックデザインも展開しているので、健材や紙のサンプルでも膨大な量になってしまうのです。)

そうして物件を探す中で出会ったのが、今回新店舗となる物件でした。

オフィスと店舗の同居

出会った物件は神泉駅徒歩1分の木造の建物。
2F建てで構造が面白く、総面積が130㎡と、なかなか大きな物件が出てこない神泉エリアでは珍しい。

とりあえずメンバー皆で見に行ってみると、その物件の特異性に胸を打たれてしまいました。

場所は神泉駅から20mほどしか離れていないのですが、裏通りにあり、全く目立たない立地。更にそこから奥まった場所に入り口があり、いわゆる隠れ家物件です。

なんとも言えないところに入り口があり、外観が存在しません。笑

この「通常は不利となる立地」は、僕達にとっての大好物。
これまでも裏通りで出店してきたこともあり、ここは自分達っぽいなと直感的に思いました。

ただ、家賃がめちゃくちゃ高いんです。
「渋谷の隣、神泉」という一等地ということもあり、家賃は80万円。
デザインチームの総メンバーは8名。この家賃を払う程の会社規模ではありません。
さらに、面積が130㎡の戸建てスペースは、好きにフルリノベーションしたら数千万円かかってしまう。

元々は和食ダイニングだったという店内。
日当たりも良く、木造の温かみがあります。

「一旦冷静になろう」ということで持ち帰り、しばらくの間皆で考えました。
そこで出てきたアイデアが、「飲食店とオフィス」の同居です。
具体的に言うと、「本来収益を生まないオフィススペースを、収益物件にする」という戦略です。

家賃が80万円であれば、40万円をオフィス、40万円を飲食店、と分けて収支計画を立てれば、回収計画が現実味を帯びてきました。
また、オフィススペースへのデザイン投資金額も、飲食の利益で回収することが出来る。

もちろん、「あくまで飲食店として利益を出すことが出来れば」の話ですが、これまでの2店舗での実績を考え十分可能性はあると判断しました。

初のレストラン業態も兼ね揃えた、4毛作店舗

ということで、「新店舗をやる!」ということを決めた僕達は、何をやるかは未定のまま物件を契約しました。

この「物件ありきで契約し、その後何をやるか考える」という流れは1号店のLOBBYと同じ流れ。

僕達は自社の店舗を出すに当たり、「自分達が介在することで、既存の物件価値をいかにアップデートできるか」「本来商業的な価値がない物件をいかにして成功させるか」といった挑戦に取り組める物件を選定しています。

この観点でも、「裏通りにあるボロボロの木造建物を、どの様に成り立たせるか」という難問に、デザインだけでなく業態開発の観点から着手するというのは心踊るチャレンジ。

神泉という立地に加え、物件自体の特徴(2フロア、1Fが40㎡、2Fが90㎡というスペースの配分)に、オフィスが同居するいう背景を念頭に置き、最適な業態を検討していきました。

そうして今回は、時間とフロアによって営業形態が変わる、4毛作店舗にたどり着きました。

概要は以下です。

<店舗概要>
場所:神泉駅徒歩1分
広さ:1F:40㎡(立席10)2F:60㎡(着席24)

■1F:コーヒースタンド・カクテルスタンド
−カフェタイム:9:00〜16:00 
−酒場タイム:18:00〜25:00    / 客単価2,000円

■2F:レストラン・バー
−ランチタイム:11:30〜14:30 (オープン当初は夜のみ)
−ディナータイム:18:00〜22:00 / 客単価7,000円
−バータイム:22:00-25:00 / 客単価2,500円
以下にて、各項目ごとに細かく説明していきます。

1F:コーヒースタンド&カクテルスタンド

今回の物件では、「2Fは火を使った調理NG」という契約条件があったため、キッチン設備が1Fに集約されることがまず決まりました。

となると、40平米の1Fで、十分な設備を備えるために、1Fの多くの面積がキッチンスペースとなります。

そこで、1Fはコーヒースタンド&カクテルスタンドとしました。
こちらが空間のレイアウトです。

キッチンを中心に、円形のカウンターが囲う構造に。

実は、「カクテルスタンド」という業態は、繁華街で出来たら良いなとずっと温めていた概念です。

2年半前にチームでシドニーに行った時、たまたま連れて行ってもらったCantina OK!というスタンドバーに衝撃を受けて、東京でもあったら良いのになと思っていました。

Cantina OK!は、シドニーのシティセンターのど真ん中の裏路地にこじんまりと佇む小さなバー。元々駐車場という極小スペースの立ち飲みスタイルのお店。
といっても、一杯の値段は20$前後と現地の着席のバーと同じ価格帯です。

そんなお店に、夕方から入れ代わり立ち代わり人が入り続け、終日賑わっていました。

仕事が5時前後に終わるシドニーでは、ディナーの前に時間潰しの一杯に行くことも多い。そのため、17時頃〜19時まではディナー前の一杯をさらっと楽しむ。
そして20時以降はディナー後の2軒めとしてワイワイ飲む。
回転はすごく早くて、1,2杯サラッと飲んで出ていく人が多い。

そんなお店だからこそ通いやすいし、毎日行けるから、繁華街にあったら最高ですよね。

この光景を見ていて、「コーヒースタンドに似てるなー」と思い、勝手にカクテルスタンドという業態名を名付けています。

毎朝訪れ、いつものスタッフと挨拶をし、寝覚めのコーヒーで一日を始める。それがコーヒースタンド。

カクテルスタンドは、仕事の終わりに訪れ、1日の「おつかれ一杯」を気楽に楽しめる場所。それが、立ち飲み居酒屋では飲めないような美味しいお酒だったら最高です。

フード類はツマミ系を中心に、シメまで用意。
立ち飲み屋としてしっかり飲み食い出来る準備も進めています。

そんなカクテルスタンドが神泉という繁華街にあれば、「仕事後家に帰る前に / 友達や恋人とディナーの前に / 飲み会の帰りに」といった様々なシーンに合わせて使ってもらえると思っています。

朝から昼の時間帯は、僕達は日中オフィスに居るためコーヒーが飲めると嬉しい。
それを鑑み、日中はコーヒースタンドとして運営していこうと考えています。

▼2F:レストラン&バー

2Fでは、レストランとバーという2毛作で計画しています。
18:00-21:00がレストラン、21:00-22:00がバーに切り替わるリードタイムとなり、22:00以降はバーに。

レストランは、チームとして初めての挑戦となる念願の業態です。
やはり飲食業をやっていると、否が応でも食に興味を持つようになります。

自分達自身が食そのものにハマり、色々なお店を食べ歩き、食空間を見ていく中で、いつかは食事が楽しめる空間を作りたいと思うようになりました。

今回のお店はビストロやトラットリアのようなカジュアルなイメージ。
料理のジャンルは現在詰めている段階ですが、フレンチとイタリアンをベースに、アラカルトで楽しめるお店を想定しています。

ラフパース。バーカウンターがあるエリアはハイテーブルで。

お酒はワインを中心に、食事に合うクラフトカクテルも取り揃える予定です。
日本では、食事をしながら気軽にクラフトカクテルが味わえるお店はあまりないので、「ラフでカジュアルなレストランバーがあったら面白そうだよね」と話しています。

フードは21時で終わり、22時からは完全にお酒メインのバータイムに。
バータイムはカクテルラインナップを増やし、ゆったりお酒を楽しむ時間。

この2毛作を成り立たせるため、2Fにも十分なスペースのバーカウンターを設けています。

以下図面の左上がカウンターエリアです。

上部が飲食、下部がオフィススペース。

この業態を運用するためには、2Fのサービスチームに、
・ディナータイムはフード、ワインのサーブとクイックカクテルのメイク
・バータイムはバリエーション豊富なカクテルのメイクとサービス

が求められます。

難易度が高く、オールラウンダーが必要とされるので、人員面は今後の課題となりそうです。

2F&ロフト:オフィス

2Fの半分はオフィススペースになります。
更にロフトスペースも設け、ワークエリアを広く取っています。

オフィススペースに隣接したソファエリアは、夜の営業中は知り合いだけを通すVIP席としても検討中。

まさに現在、飲食とオフィス、それぞれ十分なスペースを確保するために四苦八苦している段階です。

ただこれが出来たら既視感は無いワクワクする物件に仕上がるはず。
設計チームの頑張りに期待です。

設計は、これまでLOBBY、nephewと作ってきた& Supplyの土堤内祐介と、昨年11月にチームに加わった山川佐子が担当。
現在7月のオープンに向けて佳境を迎えています。

4毛作営業に共にチャレンジするスタッフ募集!

ということで、コーヒースタンド・カクテルスタンド・レストラン・バーという、この規模では珍しい4毛作にチャレンジします。
今回もまた今までやったことが無い新しいことに挑戦するので、不安と期待でワクワクしています。

業態が多くなると、その分働くスタッフの人数が多く必要に。
チーム構築は目下の課題です。

ということで、現在一緒に一緒に働いてくれる方々を募集しています!
以下が詳細の募集職種です。

<募集職種>
■料理人・調理スタッフ
■サービス 
■バーテンダー
■バリスタ・菓子製造
■サービス

募集の詳細を、LOBBYの公式ページに記載しました。
ご興味を少しでもお持ちの方は、是非詳細をご一読いただけると嬉しいです。

かなり刺激的なプロジェクトになること間違いないので、我こそは!という方、または、身の回りに本件にマッチする方をご存知の場合は、是非ともその方へ本募集をご紹介頂けると嬉しいです。

次回以降は、具体的な店舗の収支計画や、各ビジュアルデザインの構想等をまとめていきます。

シリーズで継続していくので、是非また見に来ていただけると嬉しいです。

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