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自作基板をつくってみたので、その知見をまとめておく

ハッカソンの作品として自作基板をつくってみました。
なので、その知見をまとめておきます。

ハッカソンについて

「Leafony」は個人的な推しマイコン、超小型かつ低消費電力が特徴です。
リーフと呼ばれる各モジュール基板をスタックしていくことで機能を拡張することができ、また自作リーフを開発して使用することもできます。

1円玉サイズ

このLeafonyにLTE-M通信が使用できるLTE-Mリーフが新たに追加されました。通信だけでなくセンサーもあらかじめ搭載されており、プロトタイピングしやすくなっています。

LTE-M:LTEは携帯電話で使用している高速回線で、そのLTEの帯域をやりくりし空いた帯域で通信するのがLTE-M。LPWAの通信速度は規格により数Kbpsから数百Kbps程度だが、LTE-Mは上り/下りとも最大1Mbpsと速いことが特徴

IoTを裏で支える通信技術『LTE-M』 移動時でも安定した通信を可能にする仕組みとは?

そのLTE-Mリーフをつかって技術やアイデアを競うハッカソン、「KDDI×Leafony 応用コンテスト」が開催され参加してきました。

Leafonyに関わるハッカソン自体は通算4回目の参加です。

つくってみたもの

作品の詳細な説明は下記の投稿フォームに譲ります。

作品を簡単に説明すると、LTE-Mリーフを屋外で長期間動作させるためのエナジーハーベスト用電源基板をつくりました。

基板の表裏
利用イメージ

基板設計

下記の流れで基板設計を行いました。

  1. 基板外径の決定
    今回はLeafonyの仕様に準拠。
    公式からKiCADのテンプレートが配布されているので、それを利用。

  2. 仕様の決定。
    今回は低電圧を昇圧し、LTE-Mリーフに電源供給できる基板を目指しました。

  3. 電子部品表の作成
    Digikeyやマルツなど在庫数を確認しながら、必要な電子部品を洗い出しました。在庫を横断して調べるサイト(例:findchips)を使用すると便利です。

  4. 電子部品のシンボル、フットプリントデータを収集
    KiCADで回路図を書くときに使用します。
    SnapEDAといったサイトで型番を調べると見つかります。
    見つからない場合はデータシートを見てKiCAD上で作成しました。

  5. 回路図をかく、基板外径内にパターンを引く
    パターンを引くときは、基板発注元のデザインルールに従います。
    例えばJLCPCBだとリンクのように定められています

  6. 見直し、完成

基板発注

基板発注ではJLCPCBを利用しました。

発注時にガーバーデータをアップロードし、基板の厚み、色など仕様を登録画面から選択していきます。

初めての発注だとクーポンが用意されていて、少し安くなりました。
納期約10日で基板10枚、さらにメタルマスク(ステンシル)の発注したところ、送料を加えて約30ドルでした。

メタルマスク:プリント基板上にハンダペーストを印刷する際に用いられる治具

注文画面

下記の説明ページが大変参考になりました。

実装に向けて購入したもの

表面実装は自分自身で行うため、鉛フリーのはんだペーストを購入しました。Amazonなどいくつかのサイトではんだペーストを探しましたが、小容量の商品が見つけにくいかったです。

実は、一部商品の未達があったため表面実装まで完遂できていません。
そのため電子部品のマウント、リフローはこれからです。

マウント:プリント基板上に電子部品を置いていく作業
リフロー:はんだペーストを加熱して溶かし、電子部品を接合させる作業

安価なリフロー機を購入するか、他の手段で代替するか悩みどころです。

おわりに

ざっくり振り返ってみた。
表面実装のテクニックは様々な情報が散見しているので、自分に合った方法を身に付けたい。

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