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枯れ木は陽の目をみるか
急勾配をあるく
陽の光に見捨てられた地面
ぬかるんだ地面
それでも湿った地面には木々の若芽が顔を出し
今か今かと陽をまつ
地面は新しい生命だけの特権か
否、老いて朽ちた木々のステージでもあるのだ
そんな木々は枯れきることはなく
芯をのこした木々が朽ちることわすれ
木漏れ日の間から空を見つめている
ぼんやりと
ぼんやりと
荒い息で斜面をのぼる僕は
目線を下に向けていた僕は
その芯を拾い上げ
太陽の方へ持ち上げ、まじまじと見る
そして、その硬さと朽ちぬ精神に感服するのだ
あとがき
農家をしている祖父母の山を登ってみたくなったのでぼちぼち登ってみた。
春の陽気を感じる空模様だったが、山の中はひんやりとしていた。
樹齢100年の木もあれば、ツタに養分を吸い取られている木、朽ちて果てた木もあった。朽ちた木の中には、腐りきらずに残っている木もある。
「周りの部分だけ朽ちて、木の芯だけ残ることもある」と祖父が教えてくれた。どうやら、それを磨くと良い風合いが出るらしい。
気に入った形状の枯れ木を両手に抱えて、ウキウキしながら、何度も尻餅をつきそうになりながら、山を降りた。
持ち帰った木を磨いて、加工して、新しい役割を与えてやろうと目論んでいる。
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