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デジタル一眼レフに軽さのみ追っていった場合、どれぐらい軽くできるか勝手に調べてまとめた
軽いは正義の話をしよう
*istDSの話で軽いカメラはいいぞみたいな話をしましたが、実際のところ各社の”超軽量一眼レフ”ってどうなんだろと思ったので勝手に調べてまとめるなどしてみました。
とにかく軽いデジタル一眼レフレックスカメラであること以外は一切無視、性能とか年式差とか知らんので無視。軽いと逆に使いにくいとか知りません。
またミラーレスも今回の話では出しません。レフレックスカメラだけやで。
ちなみにサムネの*istDS+単3エネループ4本+SDカード+DA40mmF2.8XSが手持ちで一番軽い構成で、実測重量670gです。40mmXSほしいな~とか言ってたらいつの間にか手元にありました…
今回の条件
調べた結果をまとめるにあたり、以下の条件を設定しています。
レンズ交換式デジタル一眼レフレックスカメラであること(ペンタミラー/プリズムは問わない)
バッテリー/メモリーカード/レンズ込みの"撮影可能な状態"であること
重量はメーカーHP記載の重量で判断する
レンズは"メーカー純正"かつ、そのボディでAF駆動ができるレンズであること。それ以外の条件については問わない
国内主要各メーカーそれぞれの最軽量構成で組んで記載
日本未発売モデルはよくわからんので省略。だれか調べて(だいたいが廉価版で機能省略してるので下手したら軽いかもしれない)
基本的には写真撮影ができる最小構成で判断するのでフラッシュ内蔵してるかどうかとか手ブレ補正内蔵してるかとか液晶動かくかどうかは考慮しません。というかどれも重さにおいては不利でしかないので、ない方が強いです。
また、メモリーカードを加味した重量の記載がない場合は一般的なSDカードが約2gなのでそれを加算します。CFカードだと10gくらいあるのですが、後述しますがそのカメラはxDピクチャーカード(2g)が使えるのでその重量で計測します。
レンズを”メーカー純正AFレンズ”と宣言しているのは、MFレンズやサードパーティありにしちゃうと旧時代のAFモータ積んでないレンズとか、社外の3Dプリンタ製造のペラいのとか、マウントキャップ改造自作ピンホールレンズもアリになっちゃうので…(ルールの穴を考慮)
その結果、一部を除いてどのメーカーもパンケーキレンズが最軽量なので基本的にはその組み合わせになります。
キヤノンの場合
CANON EOS Kiss X7 (ブラック) + EF-S 24mm F2.8 STM
いきなり真打ち登場というか、これが知る限りAPS-Cでは最も軽いデジタル一眼レフの構成です。
まずボディのEOS Kiss X7。2013年モデルで当時世界最小最軽量のAPS-C一眼レフで登場したカメラ、なんと本体重量370g、バッテリー/SDカード込で407gと物理法則を曲げないと作れないカメラに仕上がってます。どこにミラー入ってるんだ…?
![](https://assets.st-note.com/img/1717829526665-S1RvV1wH8p.png?width=1200)
レンズはEF-Sレンズが使えるので、EF-S 24mm F2.8が125gで一番軽いのでこれを使うことになります。キヤノンはAFモーターをレンズ側に積んでる関係であんまり軽くないように感じますが、ボディが超軽いので何の問題もないですね。
これらを合計して撮影可能状態が532gです。軽すぎる。あまりにもおかしい。ちなみにブラックとわざわざ記載しているのは、ホワイトカラーは塗料の関係で3gほど重いからです。でも買うならホワイトがほしいね。
どのメーカーもミラーレスに移行した今、レフレックスカメラの新作はほとんど出ないようなもんなので、デジタル一眼レフ世界最軽量はもう更新されないだろうし正直欲しい。
後述しますが、フォーサーズのボディよりこっちのほうが軽く、CIPAの撮影可能重量として記載されるボディ+バッテリー+メディアまでの重量だとニコンも抜いて文句なしの一眼レフ世界最軽量です。あとはレンズだけ。
キスデジの歴史をたどると初代は560gとそこまで軽くないですが、当時*ist DSが軽量路線でそれなりに成功したからか、追従するように2代目のEOS Kiss Digital Nでいきなり480gまで落としてくると以降軽量化路線を進みX7で世界最軽量を達成。なお後継のX9と最終X10はそれまでのX◯iに使ってたバリアングルモニタを標準搭載する関係で50g重くなっています。
※X9はサイトをよく読むと可動式液晶モニターとAPS-C撮像素子を使用したデジタル一眼レフとして世界最軽量と脚注されている。それでも軽いんだけどね。
EOS 6D + EF40mm F2.8 STM (フルサイズ世界最軽量)
35mmフルサイズの場合、6D(初代)に40mmパンケーキが世界最軽量の構成になります。ボディ+バッテリー+メディアで755g、レンズが130gで合計885gと1キロどころか900gを切れる驚きの超軽量。調べた範囲では35mmセンサーのデジタル一眼レフでこれより軽い構成は存在しません。これならフルサイズミラーレス各位にもギリギリ戦えそう。
なお6Dmk2だとバリアングルモニタがある分ほんのちょっとだけ重いです。
キヤノン公式の法人向けユーザーボイスのコラムにもこの構成についての言及があります。
![](https://assets.st-note.com/img/1717829715413-mW9mSHjfJm.png)
ニコンの場合
Nikon D3500 + AI AF Nikkor 50mm f/1.8D
軽量化とはあまり縁のなさそうなニコンの場合はこの構成になります。
ボディは2018年モデルと比較的新しいというかレフカメラとしては最終期の1台になるであろうD3500が実はボディ単体では365gと上記X7を抜いて世界最軽量のデジタルレフボディです。ただしこちらはバッテリーが若干重く、バッテリー/SDカード込重量では415gと7g負けています。
![](https://assets.st-note.com/img/1717829856608-62cPuijc5X.png?width=1200)
問題はレンズのほう。ニコンFマウントのレンズはどれも重く、実は200g以下のAF対応レンズに絞ってしまうと4種類しか存在しません。パンケーキもない。また、一番軽いAI AF Nikkor 50mm f/1.8Dは名の通りDタイプのため、ボディ内にAFモーターを持っていないD3500ではAF駆動出来ません。
自動的にGタイプの50mmF1.8の185gが一番軽いレンズになります。
合計してちょうど600g。 かなり頑張っている数字だとは思います。
先ほどのDタイプの50mmを使った構成の場合、AFモーターを内蔵しているD3300かD5300を使うとボディ460~465g+レンズの155gで約610gともう少し重くなる。
余談ですが、Fマウントの一番軽いレンズはパンケーキなAI Nikkor 45mm F2.8Pの120g(ただしMFレンズ)です。Zマウントだとシステム全体的に軽いのでこの悩みもなくなるんだよな…
ソニーの場合
SONY α230 + DT 30mm F2.8 Macro SAM
ソニーのデジタル一眼レフは御存知の通りコニカミノルタから事業を引き継いで始まったものですが、その初代に当たるコニカミノルタα-7 DIGITALから全てのモデルにボディ内手ぶれ補正を搭載しています(というかこれがたしかセンサー移動式手ブレ補正世界初だ)
ソニーのレフレックス機はCCDでライブビューするために専用のCCDセンサーもう一つ搭載したりだとかトランスルーセントミラーとかいうこれはリターンしないけどミラー入ってるややこしいアレとかあったりしますが、トランスルーセントミラー機についてはファインダーがEVFな上、ソニー公式の表記が"一眼レフカメラ”ではなく"一眼カメラ"となるので今回は選外とさせていただきます。
まあ謎機構は当然重さに繋がり、やはりライブビュー用センサーとか持たないシンプルなモデルのほうが軽い。
Aマウントで結果的に軽いのはα230の本体450g(+バッテリー50g)になります。比較的新しい世代のカメラなのでソニーのくせにメモステだけじゃなくSDカードも使えるから実用的!
![](https://assets.st-note.com/img/1717830542972-d1yzZ8Nxtr.png?width=1200)
このデザインはちょっと新鮮に感じます
レンズは実質標準レンズなDT 30mm F2.8 Macro SAMが150gで一番軽く仕上がってます。レンズ内モータなので若干重め。
一応ミノルタ時代のAマウントレンズも調べましたが、これより軽いのは多分ありませんでした。てかAマウント調べるとツァイスのレンズでてくるのは羨ましいなぁ…ってなります。
450+50+150、合計650gとそこそこ軽い重量感で収まります。手ぶれ補正もついてるし、Aマウントのレンズは中古ジャンク選び放題なので今からCCDのレフ機で遊びたいなら最適かもしれません。LVしたいならα330でも買ってなさい。
ペンタックスの場合
PENTAX *ist DL(DL2) + smc PENTAX-DA 40mm F2.8 XS
我らがペンタックスの場合、ボディ単体重量だと*ist DL / DL2 が470gで最も軽いのですが、このカメラは単3電池4本あるいはCR-V3リチウム電池2本駆動なので、単3の場合一般的なモデルで1本24g×4で96g、CR-V3(パナ製の場合)は1本39g×2で78gとこれが意外と重い。CR-V3を使った場合の470+78+SDカード分2gで合計550gと一番軽い構成になります。一応これでも登場当時は世界最小最軽量だったんだぜ。
![](https://assets.st-note.com/img/1717831530221-pIT4mrdROJ.png?width=1200)
DS/DL/DS2/DL2の外見上の違いはバッチと液晶サイズくらいしかないので、
ほぼ見分けがつきません。
レンズに関してはもうDA40mmF2.8XSが最強なので一択。本体重量が52gしかないAF対応世界最軽量レンズです。ただしAFモーターはボディ側依存。
たしかミラーレス用でもこれより軽いAFレンズは今のところないハズ
というかMFレンズだとしてもこれより軽いのはフォーカス固定とかトイレンズくらいでは?
この構成での合計602gがKマウントデジタルでは一番軽い組み合わせになります。ペンタックスの場合は基本的にAFモーターとK10D以降は手ブレ補正機構、あと上位モデルだと防塵防滴も搭載している関係でどうしてもボディ側が重くなってしまう(その代わりレンズは軽く作れる)ので、それらが標準化されるより前の*istのほうが軽く、他とくらべて600万画素CCDと数世代古いカメラになってしまうわけです。小型軽量なイメージの割には600gを切ることがカタログ値では残念ながらできない模様。
ズルしていいなら単4に単3アダプター噛ませて使うと1本あたり15gくらいにできるのでもう40g近く重量を削ることができます。(メーカーHPに記載のない方法なので今回は考慮外)
なお実用性をとるなら…
実はKS-1だとバッテリー/メディア込で558gとほんのちょっとだけ重いです。そのかわりCMOSセンサーで手ブレ補正も効くので、全体的に実用無視の話書いてますけど実際に使うならこっちのほうがいいと思います。しかもペンタプリズムだし。
ペンタックスもといリコーさん、一眼レフ宣言するならエントリー向けで超軽量のレフ機作ってくれないかな…ストロボほか、手ブレ補正AFモーター以外の不要な機能はできるだけ捨てて、本体440g前半くらいまで削ってバッテリーレンズ込みでなんとか550g以下に収めたい…
つーかAFモータと手ブレ補正がボディ側にあるとはいえ、ペンタックスのデジタル機は小さいけど別にいうほど軽くないところに問題があると思うんですよね。防塵防滴とバリアングルついてるボディの中では世界最軽量ですとか微妙な事言ってんじゃないよってなるし(K-S2のことです)。
バシッとレンズ込みのシステム重量で世界最軽量です!くらいやってほしい
いっそのこと黒死病のジャンクなKS-1拾ってきて修理&軽量化改造するか
オリンパスの場合
OLYMPUS E-410 + ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8
オリンパスのデジタル一眼レフというと、もはや過去になってしまったフォーサーズマウント世代の各位になります。マイクロフォーサーズはミラーレスしかないので。(というか規格自体がミラーレス前提)。
センサーサイズはおなじ4/3ですがフランジバックがかなり長いのでレンズがデカいのがネックだったらしい。
そんな中で一番軽いのがE-410。本体375gとかなり軽いです。仕様には記載がありませんが、調べた限り対応バッテリーのBLS-1は46g、使用するメディアがxDピクチャーも2gとかなので合計すると423gってところでしょうか。
![](https://assets.st-note.com/img/1717833607577-vnlfWalrHs.png)
あとCFカードも使えるのでメディアには意外と困らないかも。
レンズは前述の通りどれも大きいのと、そもそもフォーサーズシステム自体が10年ほどで滅亡してしまったので選択肢自体が少ないんですよね。広角~標準域の単焦点も片手で数えられるくらいしかない。(望遠は充実している)
とはいっても調べた限りではパンケーキレンズが存在しくれているおかげで、ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8が95gで一番軽い模様。
合計するとボディ375g+バッテリー46g+メディア2g+レンズ95gで518gです。センサーサイズが他より小さいとはいえこれはなかなかに軽いぞ…!
一応パナとライカにもフォーサーズレフ機ボディはありますが、すべてベースはオリのボディなので割愛します。
少し脱線しますが、フォーサーズカメラだとコダックCCDにポロプリズムなE-300がそれなりに人気らしいですが、個人的には撮像素子がLiveMOSになるかわりにライブビュー用CCDを搭載するE-330も面白そうだよなって思ってます。ライブビュー用CCDを搭載するカメラは上記ソニーα300番台とこのE-330しか存在しないはずなので。どっちも変態性マシマシ。ただしレンズ探しが大変。
シグマの場合
SIGMA SD15 + AF SUPER-WIDE Ⅱ 24mm F2.8
変態カメラメーカーもといレンズ屋のシグマの場合、一眼レフはSDシリーズの6機種のみですが、大体のモデルが700g前後となっています。
一眼軽いのはSD15のボディ単体680gですが、バッテリー(BP-21またはBP-22)の重量についての記載がどこにも見つからない。容量から察するにだいたい50gくらいだとは思うんですが…
なので参考値で680g+50g+2gで732gとさせてください。
![](https://assets.st-note.com/img/1717835023001-mSWsplDrIe.png?width=1200)
レンズを調べてたんですが、シグマはレンズ屋さんで他マウント用としても平行販売しているのとSAマウント自体開発を終了しているからか、あまり重量情報については記載が少ないですね。
それと後期にシグマレンズは写り重視のために軽いモデルが少なく、私が調べた限りではめちゃ古いAF SUPER-WIDE Ⅱ 24mm F2.8(1988年モデル!)が250gで最軽量、次いでAF 24-70mm F3.5-5.6 UC Aspherical(こっちは94年)が265gといったところでした。フィルム時代の物なのであまりきれいなのは残ってなさそうですが、これらであれば合計982~997gとギリギリ1kgを切ることが出来ますのでレフ機でFoveonをしたいド変態は是非。
話ズレますがAF 24-70mm F3.5-5.6 UC Asphericalが1994年と生まれ年のレンズだしKマウント用もあると思うのでちょっと欲しいですね。
富士フィルム(?)の場合
Finepix S5 pro + AI AF Nikkor 50mm f/1.8D
そもそも富士フィルムにデジタル一眼レフのカメラなんてあったっけ?って思う人は多いと思いますし当然の疑問です。正確には自社で100%開発したデジタル一眼レフは存在せず、ニコン製一眼レフのボディに自社開発のスーパーCCDハニカムセンサーその他諸々を搭載したFinpix S Proシリーズ(とクソデカいDS-505)がありました。
結果的には最後のFinepix S5 Proが唯一デジタル機のニコンD200をベースにしててリチウムバッテリー(約80gらしい)なので、これが一番軽い(830g+80g。普通に重いが?) です。なおバッテリーの形状はニコンのそれと同じなのにバッテリー自体は全く別物らしくて互換性がないんだとか…
![](https://assets.st-note.com/img/1717835435593-nlvKozTdxv.png)
レンズについてはニコンのボディなので普通にFマウントのレンズを使うことになります。上記D3500と違いAFモーターを持っているのでDタイプのAI AF Nikkor 50mm f/1.8Dが使えるため、合計重量としては1065g。普通に重いね…ロマンはめっちゃ詰まってますが。
スーパーCCDハニカムにだけ憧れているならFinePix F200EXRとか買ったほうが幸せになれそう。
単体重量だと2代目にあたるS2 Pro(ニコンF80ベース)が760gで一番軽い(重い)のですが、カメラ部分とデジタル部分で別々に電池が必要で単3×4にCR123A×2本の計6本の電池がないと駆動できない。初代S1 Pro(F60ベース)に至ってはさらにボタン電池のCR2025も必要です。鬼か。
結論
調べるの飽きたしなんか7000文字超えちゃったのでここまでにします。
・システム全体重量だけの場合、フォーサーズなE-410と25mmパンケーキがおそらく一番軽い。ただしフォーサーズシステムはすでに終わっている上メディアもxDピクチャーか8GBまでのCFカードなので使い勝手は悪いです。
・実用性およびCIPA準拠の重量(ボディ+メディア+バッテリー)を加味すると、Kiss X7が最強。APS-CだしEFレンズはいっぱいあるし。
でもどうやってもシステム重量500gを切ることはできない。550gまでならいける。
この2つより軽いのがあったら是非教えて下さい。