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暇でもいいんじゃないかな

教育ICTが変わりますね

不幸中の幸いと言っては不謹慎ですが,この度の騒動で,ビジョンがどうのとか関係なく教育ICTが普及しそうです。これまでのもどかしさに比べれば遥かに素晴らしい状況かもしれません。「こうしたい」が実現できるかもしれないツールの一つとしてICTが認められる良い機会でしょう。

様々な取り組みが

FBを見ているだけでも,全国の先生方が「こんなことをしてあげたい」「この時期にこれをやっておきたい」「今だからこそこんなことやってみよう」と様々な取り組みにチャレンジしています。これをきっかけに教育ICTは変わっていけそうな気がしています。そう感じている方も少なくないのでは?

ふだん以上のことをしてあげたい

ちょっと心配なのは,みんな頑張りすぎてない?ってことです。本校でも休校を前にして生徒への課題・教材の配信の準備をしました。その時に同僚が指摘してくれたからいいものの,ふと気づけば私たちは例年3月のこの時期には出していないような課題の準備をしそうになりました。試験が終われば採点や成績処理でいわゆる試験休み,登校日が何日かあって終業式。そして春休み。そんなに課題って出してたかな? ただのお休みではない緊急事態であったとしても。

もちろん,この時期も通常授業を継続してたとか,毎日登校していたという学校もあるでしょう。だから可能な限り学校に通っていた時と同じような生活を送れるよう準備したいという気持ちはわかります。また,同じ試験休みとは言っても,クラブ活動もできないし,確かにだいぶ環境も異なります。一日中家にいなければならない(元気なら外で遊んでもいいのだけれど)のは特殊な環境です。生徒にもストレスでしょう。だからこそ,いつもとは違ったケアをしてあげたい。

実際,見ていると生徒も喜んでいますし,先生方も楽しそう。新たなサービスを紹介したらすぐに取り組んでみたいと試してみる先生もいらっしゃいました。こんな機会が新たな発見を生んで,これからの授業にも反映されるかもしれません。学校が再開して新年度の授業や学校での活動が楽しみですよね。

頑張りすぎてない?大丈夫?

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これが1週間で終わるなら,長くて数週間で終わるなら,これでもいいかなと思います。でも残念ながら1週間では終わらず,いつ終わるのかもわかりません。これからいつまでもこのような挑戦を続けるのか? 「生徒のために何かしてあげたい」「できることは目一杯やってあげたい」という,きっと教員なら誰もが共感できるこの気持ち。これで今までやってきたようなもんです。

でもあえて質問です。この時期,頑張りすぎてませんか? ふだんより無理してませんか? 大丈夫ですか? 帰り遅くなってないかな? 休校になっているのに,時差勤務や短縮にもなっているのに,なぜかふだんと変わらない忙しさ。人によっては帰る時間も変わらない。そんな生活になってませんか?

余裕があってはいけない

この数週間の自分を振り返ってみます。期末試験の直前で学校が休校になり,テストの作成も途中で終わり,試験はなくなり,生徒がやってこない日々が続いています。成績処理や様々な会議,研修はあるものの,例年に比べれば正直余裕がある環境です。

この余裕を使ってなんでもできる。ふだんオーバーワークならやるべきことをやって休んだり早く帰ったりしてもいいはず。いつもなら積んでおいた本や書類を読む時間もなかったのが,今では読み込む時間も作れそう。ところが,そんな時間があると……「これでいいのかな?」と考えてしまう。直接生徒のためになることにこの時間を使わなくてもいいのだろうかと不安になる。

自分の勉強や研究に時間を使うのは将来的に授業にも生きてくることだし,生徒のためにもなることなのです。だけどなぜなんだろうか,その時間は生徒に何かするために使わないといけないような気持ちになってしまう。余裕があると不安になる。余裕があるのは何か悪いことのように感じてしまう。

暇でもいいんじゃないかな?

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実際,じゃあ暇っていうほど余裕があるのかと言うとそうではないのが現実です。時差通勤などで勤務時間が変わっていたとしても,気づけば業務に追われ,テストも授業もないのに何だか忙しい日々を送っていませんか。

私も普段に比べれば出勤時間は後ろにずれましたし,積極的に休みを取っている方だと思うので,学校にいる時間は短くなりました。改めて考えてみると,気づけば家でも授業の計画や準備をしているし,読んでいる本も趣味の本ではなくて仕事のために買ってあって積んでおいた本ばかり。動画配信用の機材も買い足して新しい動画も撮り始めている。出勤したらしたで,会議や打ち合わせが…。あれ?

余裕があってもいいんじゃないか? 何なら暇でもいいんじゃないかな? と考えるのは不真面目? こんな時だからこそボーッとあれこれ考えるようなそんな時間の過ごし方があってもいいんじゃなかろうか。

何をすればいいのかわからないような時間

子どもの頃から考え事に行き詰まると,隣の駅まで裏道を散歩して途中にある図書館で何時間か過ごしていました。仕事のアイディアが浮かばなくて追い込まれた朝,何も考えずにシャワーを浴びていて,ふとした思いつきに助けられたこともしばしば。特にクリエイティブなことをしようとすると,暇な時間,何をすればいいのかわからないような時間は大事だと思います。

今までやってきたことを何とかするだけでなく

こんな時期なので,今までやってきたことをICTを使って何とかすることを考えて実行するのも大事。全国での実践が広がって楽しみでなりません。大変な時期ではありますが,教育全体で考えるとこの時期は大きな転換の時期として評価されるかもしれません。これはとても大事なことだけれど,こんな時期だからこそ今までできなかったこと,やろうともしなかったことに自分を放り込めるタイミング。直接生徒に関わることだけでなく,いつ実を結ぶかわからないようなことにも時間を使ってみる。ちょっと力を抜いて考えてみよう。


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