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ルックバック感想

6/28に公開された『ルックバック』をみてきたので、その感想。
ネタバレ、あるます。

ルックバックをみて私が最初に感じたことは京本だけでなく、藤野も才能側の人間であるということだ。
絵の才能は圧倒的な京本に負けていたものの、脚本に関しては(恐らく)作中で一度も下手だと言われていなかった。
普通は中学生が漫画を描きあげて出版社に持ち込みしてもプロットが幼稚で相手にしてもらえないだろうが、藤野キョウは賞を取っている。また、持ち込みから連載までスムーズにいっていた。これらのことから藤野は脚本の(漫画の)才能があったのだろう。
この話から「みんなはそれぞれ違う分野で才能を持っているから自分の得意なことを伸ばそう」や「好きこそ物の上手なれということわざがあるように、好きなものを伸ばせばいいよ」という話に繋げれば綺麗なのだろうが、現実はそんなに甘くないと思っている。つまりは、「多くの分野で才能を発揮している人がいる一方で、どの分野でも芽が生えない人がいる」、また「どんなに好きでも本当に才能がある人には勝てない」というのが現実な気がしているのだ。
この問題に関しては才能について悩むこと自体が時間の無駄なので、そんなことを気にせずに続けることが大事だというのが結論だと思う(藤本タツキもそうしていたと思う)。

話を映画に戻すと藤野が「私が京本を外に出したから…」みたいに考えるシーンがあまり腑に落ちなかった。私は、藤野は最初は京本を利用しようと考えていたが、途中から共作者としての意識が生まれたと思っていた。しかし、実際にはずっと利用しようと考えていたようだ。これに関しては私の感性がおかしいのかもしれない。

全体の感想としては、藤本タツキ感あふれる展開、洗練された構図でとてもgoodだった。観ていない人は観よう。

その他の感想

エンドロールに方言指導という役職があって、その人の名前調べてみたら秋田出身の声優の方だった。声優の仕事の幅広さを感じた。ルックバックは山形の話だけど京本は秋田出身なのかな(多分山形)。
漫画版の方の考察でDon't look back in angerが隠れているページがありマンチェスターのテロを意識しているという考察があったが、Don't look back in angerという言葉自体が映画の最後とマッチしている感じがした。

3時間を超える映画が珍しくなくなってきた昨今で1時間を切る上映時間は非常にさっぱりとしていて良かった。

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