「毎日同じ服を着るのがおしゃれな時代-今を読み解くキーワード集-」著:三浦展
サブタイトルが「今を読み解くキーワード集」となっていて、タイトルからも興味を惹かれた一冊でした。
時代とともに、価値観や環境は変わっていきます。10年くらい歳が離れるだけでも、育ってきた環境は全く別になります。
そんな時代の移り変わりを、キーワードに乗せて俯瞰して見ることのできる本となっていました。
今回は2016年10月20日に光文社新書より出版された『毎日同じ服を着るのがおしゃれな時代-今を読み解くキーワード集-』の紹介です。
①シェア
シェアエコノミーなんて言葉が流行り始めて久しいですが、この流れは確実にきています。
誰がどう見たって、モノは溢れていて生活に困るということはありません。
幼い時からモノに囲まれて生活していると、所有に対する欲求が生まれてきません。
むしろ、気がついたらモノが溢れている、なんていう状態のほうが多いのではないでしょうか。
「本当にそのモノは、今の自分が所有する必要があるのか」
「本当にそのモノは必要なのか」
ということを考えてみると、実はそうでもなかったりします。
②自己関与性
私が小学生くらいの時に、ちょうど携帯電話を周りの子供が持ち始めていました。
中学生になると、ほぼ全員が携帯電話を持っていました。
その時に流行っていたのが、「デコ」という言葉でした。(今は死語なのでしょうか?)
携帯電話にたくさんのキーホルダーをつけたり、きらきらひかる飾りを接着剤でつけ、ギラギラの装飾にしている人がたくさんいました。
スマホになって、その流れがなくなったかと思いきや、「スマホケース」として復活しました。
最初から完璧な存在だと、自分が関与する必要がなくなってしまいます。
そうすると、対象に愛着がわきません。
かつては、モノを所有すること自体に意味があったので、自分が関与する必要はありませんでした。
ですが、現在は自分が対象に関わっているという実感がないと、好きになれない傾向があるようです。
関与する余地がある、言い換えると他者を巻き込む余地があるというのが、今後のビジネスでも必須の状況になると思います。
③文化系おじさん
ファッションや美容に興味が薄く、音楽、映画、美術、読書などの文化に関心が高い層のことを「文化系おじさん」と呼称されていました。
正直自分もファッションにあまり興味はありません。気にしないというよりは「毎日同じ着心地の良いものを着たい」という方に関心があるので、流行の最先端とは真逆に位置していると思います。
同年代では正直マイノリティーだという自覚はあります。ですが、一定数同じような価値観を持っている人がいるというのも事実です。
一番よくないパターンは、「自分の興味関心以外のものに興味を持っている人たち」に対して軽蔑の感情を持つ場合です。
こうなってしまうと、情報と人の交流に断絶が起きてしまいます。
マーケティング的には、断絶が起きた方が狙いやすくやりやすいのかもしれません。
ですが実際に生きる上では、ギスギスした感情が起きやすくなり、相互理解も進まないので苦しくなってしまいそうだなと思います。
④まとめ
他にも様々なキーワードが紹介されており、どれを見ても今の仕事に活きる、考えさせられる内容でした。
2016年末ごろの本なので、答え合わせ的な側面もあり、今読んでおくべき本なのかなと思います。