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なぜ高学歴の若手社員は挫折しやすいのか?自分への期待が高すぎるからです

こんにちは、タコペッティです。本日は、「なぜ高学歴の若手社員は挫折しやすいのか?」というテーマでお話しします。

きっかけは、太田 肇 先生の『承認欲求の呪縛』という本を読んだことです。

この本は非常に面白く、最近の若者、特にミレニアル世代やZ世代でうつ病になる人が多い理由を分析しています。

本書の内容を一言で申し上げると、今時の若者は承認欲求が高すぎるんです。

特に、高学歴の若者にはその傾向が顕著に現れています。

高学歴の若者には、「認められたい!」「自分は優秀な人間なんだから認められないのはおかしい!」という考えがあるから、ちょっと挫折しただけでくじけてすぐにうつ病になってしまうんです。

ちなみに僕は慶應の経済学部出身ですが、割と感じるところはあります。

ということで本記事では、この本を参考にしつつ、僕の体験談も踏まえつつ、高学歴の若手社員が挫折しやすい理由とその対策について書いていきます。

「会社に行くのは嫌だ…でも、自分がいないと仕事が回らない…なんとかして頑張らねば…」などと考えている若手社員にとっては非常に参考になる内容だと思います。ぜひ最後までご覧ください。


高学歴エリートが抱える「自己期待」の高さ

この本で書かれていて、僕が本当にそうだなと思ったのは「エリートは自分への期待が高すぎる」ということです。これは本当に共感しました。

自分への期待が高すぎるということは、

「自分は仕事ができる人間だ!」
「自分は今まで受験勉強をあんなに頑張ってきたんだから会社でも優秀な人間だ!」
「出世はできるだろう!」

といった考えに陥るんです。

結果として何が起こるかというと、逃げることができなくなるんです。

自分はダメな人間だ、負けだ、自分は休んだ方がいい、今すぐ逃げた方がいい、といった結論に至ることができません。

そのため、自分を追い込んでしまって、うつ病になったり、最悪の場合は自殺してしまったりするんです。

新卒で大企業に入社し、わずか10ヶ月でドロップアウトした僕の経験

ちなみに僕は慶應義塾大学経済学部を卒業した後、大手のいわゆるジャパニーズトラディショナルカンパニー(JTC)に入社して、10ヶ月で短期離職しています。

理由は単純に、会社に行くことが嫌だったからです。

ですが、僕はこの時の決断を英断だったと思っています。なぜなら、僕の場合は早めに損切りができたので、うつ病にならずに済んだからです。

※JTCの仕事がなぜ嫌だったのか?辞めてどうしたのか?についてはこちらのnoteに詳細を書いているので気になる方は読んでみてください。

しかし、みんながみんな僕みたいに早く逃げられるわけではありません。

慶應卒でも東大卒でもどちらでもいいですが、僕の身の回りの多くの友人の多くは、大手企業で頑張りすぎた結果、消耗してうつ病になってしまっています。

高止まりした期待と、現実とのギャップ

では、なぜ受験勉強では優秀だった人間が、会社ではうまくいかないのでしょうか?

それは、高学歴の社員が上司になったり重要な仕事を任せられたりした時に求められる能力は、受験や入試で試される能力とは全く別物だからです

だからこそ、受験勉強と同じように仕事に取り組んで、思うような結果が出せないと、「なぜ結果が出ないのか??」と落胆してしまうんです。

典型的な例として、僕の友人の話を紹介します。

彼は大手メーカーで中間管理職になり、部下のマネジメントと自分の仕事との両立に苦しみました。部下のマネジメントは、受験勉強で培ってきた能力とは全くの別物だったんです。

彼はプレイヤーとしては優秀でしたので、大手メーカーで順調に昇進し、中間管理職になりました。しかし、新しく部下ができたことで、部下のマネジメント業務に苦しむことになったんです。

結局、彼は部下をうまくマネジメントすることができず、部下の仕事の多くを1人で抱え込んでしまいました。

結果、ある朝に彼はベッドから起き上がれなくなり、涙が止まらなくなり、うつ病と診断されて数ヶ月間休職することになりました。

現在は役職を外れ、簡単な作業だけを担当する時短勤務になっています。彼の場合、早めに「部下のマネジメント業務は自分には向いていない」と認識し、別の部署に異動を願い出るなどの対策ができていれば、ここまで追い込まれずに済んだかもしれません。

※なお、彼がうつ病になって会社を休職した体験談については、僕のブログに詳細を書いております。気になる方は併せて読んでみてください。

高学歴エリートの「降りる」選択肢

以上のお話をまとめると、高学歴で今まで順調なキャリアを歩んできた人は、降りるとかギブアップ諦めるという選択肢を無意識に避けてしまう傾向があるということです。

これは難関大学(中学、高校でもいいですが)の一般入試をくぐり抜けてきた経験が、「撤退」「逃げる」ことを躊躇させてしまうからです。

わかりやすくいうと、受験エリートはキャリアの損切りが下手なんです。

自分は真面目に頑張って努力して成功してきたという実績があるので、その経験則が社会でも当てはまると考えてしまうんです。

面白いことに、受験エリートは株式投資でも損切りがうまくできないという話を聞いたことがあります。本当かどうかは分かりませんが、あながち間違いではないと思います。

一般入試を勝ち抜いてきた人は、「自分は真面目に頑張って努力すれば必ず成功する」という実績があるので、その経験則が社会や投資にも当てはまると考えてしまい、素早い損切りができないわけですね。

まとめ。無理だと思ったら、今すぐ逃げろ

ということで、高学歴エリートが自分の身を守るためには、ヤバくなったらすぐに周りに相談して、仕事から逃げることです。

僕の場合、大手JTCに入社後、わずか10ヶ月で退職しました。自分にとって辛い職場で、能力を発揮できないと感じ、このままではうつ病になると確信したからです。

こういう話をすると、しばしば「1年で退職すれば良かったんじゃないですか?10ヶ月は区切り悪くないですか?」なんて言われますが、あと2ヶ月働くのすら無理だったんです。自分がダメになってしまいそうだったから、さっさと10ヶ月で退職して、強制的に区切りをつけました。

その後、僕は短期離職を繰り返しました。ここが合わないと思ったらやめる、ここがダメだと思ったらやめるということを繰り返してきて、最終的には自分に一番合っていたWeb業界に巡り合うことができました。26歳でWeb業界に入って以来、現在まで約6年間、Web業界で仕事を続けています。

25歳くらいまでに4回ほど短期離職を繰り返しましたが、26歳からずっとWebの仕事をしています。一度自分に合ったキャリアを見つけたら、それをずっと続ければいいんです。

若いうちは、いろんな仕事を試して、合わなかったらさっさと辞める。そして自分に合っている仕事を見つける。これこそが人生を楽に過ごせるコツだと思います。

ということで、高学歴の若手社員が挫折しやすい理由は、自分への期待が高すぎる点にあるということです。受験で培った能力と社会で求められる能力のギャップ、そして「降りる」ことへの躊躇が、彼らを追い込んでしまうんです。

大切なのは、自分に合った仕事を見つけること。そのためには、合わないと感じたら早めに損切りをする勇気が必要です。高学歴だからといって、無理に頑張り続ける必要はありません。自分の適性を見極め、柔軟に進路を変更していくことが、最終的には充実したキャリアにつながるのです。

日本人は幼少期から「嫌なことから逃げてはいけない!」と教え込まれますが、そもそも「逃げる」ことは古来から最も有効な戦略です。

ニュータイプの時代」という本には、次のような記述もあります。

魏晋南北朝時代に編纂された有名な兵法書「兵法三十六計」の最後には、「走るを上と為せ」という項目があります。これはつまり、「逃走は最善の策である」という意味です。

ニュータイプの時代

すなわち、「逃げる」ことは古来から有効な戦略だったわけです。

だからこそ、体調に何かしらの異変が起きて、「ヤバそうだ」と感じたら、さっさと逃げることは自分の身を守る上でも最適な戦略なのです。

仕事を辞めるというのは、休職でも、部署異動でも、退職でも、どれでも構いません。とにかく、「ヤバかったら今の仕事から離れる」という点を重要視して頂ければと思います。

実際、僕自身も嫌な会社から逃げて逃げて逃げまくることで、最終的にはWeb業界に転職し、自由な働き方を手に入れることができました。

僕が日系企業の営業職から逃げて逃げて、Web業界に転職して人生が楽になった話については以下記事で詳しく書いておりますので、興味のある方は是非とも合わせて読んでみてください。

最後に、高学歴の若手社員の皆さんへメッセージを送りたいと思います。

まず、自分への期待が高いことは決して悪いことではありません。

しかし、その期待に縛られすぎて、自分を追い込んでしまうのは本末転倒です。時には「降りる」勇気を持つこと、そして自分に本当に合った道を探す柔軟性を持つことが大切です。

そうすることで、より充実したキャリアと人生を送ることができるはずです。


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