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「好き」はやっぱり最強の原動力

『千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった』

済東鉄腸

を読みました。


著者の事は知りませんでしたが、岸本佐知子さん推薦、との宣伝につられて購入。

普段SNSのデメリットばかりに目が行っていて、戦々恐々としていたところがあったんですが、大きなメリットの面を当事者の生の声から知ることができました。

顔の知らない相手と知り合いになることは危険性が確かにあるけれど、家から出ずに外国の人と知り合い、言語でコミュニケーションを取れるというのは、SNSの大きな利点ですね。
病気等の理由で外出できない人にとっては、SNSは自分の世界観が広がるツールとなるでしょう。

ただ、SNSをうまく使いこなせば何でもできるというわけではなく、やはり

好き!

という情熱が必要だと改めて感じました。

外国語を独学でマスターし、その国の友人を作り、小説家になるなんて、時間さえあれば誰でもできるわけじゃない。


自伝という性質上、文章中に「俺」が 限りなく出てきます。引きこもりで他人とコミュニケーションを取る必要性がなかった人は、人一倍自分を知ってほしい、という自己顕示欲が強いのかな、と感じました。

終わりに、で色々な人に謝辞を表明しているんですが、両親へのコメントに著者の飾り気のない本音をみました。
以下引用します。

親へ
正直 今はまだ感謝も謝罪も語る勇気がない。
だがこれだけは言わせてくれ。これから改めて共に生きていこうと。

もしここで、本心から感謝の言葉を送ることができるなら、引きこもって親の資産で生活している状況から脱することができるのかな、と勝手ながら感じました。


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