私の個人主義
頭の良さは国語力で決まる(斎藤孝著)
を読んでいたところ、夏目漱石の『私の個人主義』を推薦していました。
私の個人主義(夏目漱石著)
私は夏目漱石を国語の教科書でしか読んだことがありません。
夏目漱石にふれるのは、千円札を使うときだけでした…
(現在は野口英世ですね)
私が夏目漱石で知っているのは、なぜか『便所で歌を歌う』っていうエピソードだけ。
(いったいどこから仕入れた情報なのやら。なぜそれしかないのか、自分でも意味不明…)
お札の顔になるほど偉い文豪だけど、便所で歌を歌う親父。隣近所には住んで欲しくないタイプですね、ええ。
そんなイメージしかなかったのですが、この本を読んでみて、こんなにも柔軟で、今の若者に語っているかのような講義をする人なんて。と驚きました。
個人主義は自分だけに適用するのではなく、ちゃんと他人にも個人主義を認める。というところに共感がもてました。明治時代にも多様性を認める意識があったとは。
でも一部女性差別発言もあり、そこはやはり明治時代の価値観なんだな、と思われる部分もありました。
表現を変えて、本質的には同じ事を繰り返し語るお札の人。次世代に自分の思いを一生懸命語っているところに、少し微笑ましく感じました。