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〜ひとくち映画レビュー〜 PLAN75

75歳から自らの生死を選択出来る制度。

ネット上では、こういう制度が出来たら、みないな話が前々からあったような気がするけど、まさかそれが映像化されるとは…!
と、かなり期待して観た。

この「PLAN75」という制度そのものの賛否は人それぞれだろうから、わざわざそこは言及せず、映画の内容について感想を述べたい。

一言でいうと、「物足りなかった」というのが第一だ。

物語は主に三人の視点で描かれる。
夫に死別され孤独に生きる制度対象者の女性、フィリピンから娘の手術費用を稼ぐため来日した若い母親、制度を担当する市役所職員。

衝撃的な設定の中でミニマムに捉えて、各人の葛藤を描く、という意図はわかるのだが、それにしては少し視点が足りないのでは?と感じてしまったのだ。

劇中で制度に悩まされる人間は孤独な人間ばかりなのだが、僕が期待していたのは"家族"の視点である。

例えば、制度による死を選んだ親を引き止めようとする姿や、逆に介護に疲れた妻が義母や義父に対して制度を検討するよう促す姿、はたまた、高齢夫婦のうち妻のみが制度による死を選びそれに戸惑う夫の姿、などなど。
死を選ぶのは個人であったとしても、周囲の人間の存在というのはどうしても気になる事だ。
個人的には、死を選んだ人に対する周囲の視点がもっと欲しかった。
(劇中に出てくる市役所の職員である男性は、相手が叔父なので、少し関係性としては弱い)

と、まぁ、僕が期待していた展開が無かったので、若干消化不良である、ということなんだけども。

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