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〜ひとくち映画レビュー〜 CUBE 一度入ったら、最後
スリラー映画好きなら知らない人はいないと断言しても良いほど有名な「CUBE」を、日本人キャストでリメイクした本作。
こんなコアなファンが多い映画を大胆にもリメイクすることに挑戦した日本の制作者さんたちには拍手するしかない。
どんな風にリメイクしたって「オリジナルの方がいい」と言われる事はわかっているのに、あえてそこに挑戦するのだから。
実際、オリジナルの方が面白い、という感想になってしまうのだが、本作で感じたのは、有名作品をリメイクする事自体はもはやクラシック音楽をやるのに近いのではないかということだ。
既存の完成された楽譜をどう解釈し、自分なりに表現するか。クラシック音楽には演奏者が曲に新たな価値を見出すことが命題となっている面がある。
本作も、オリジナルに対する敬意は持ち、ストーリーの大軸は変えずに、それをスリラーに特化するのではなく、人間ドラマにベクトルを向けることで、「リメイク」という行為のお手本を示した、ように思える。
オリジナルの素晴らしさがありきでリメイクがある。
リメイクという行為は単なる焼き増しではなく、既存のものに新たな解釈を付け加えるものだ、ということを感じた作品であった。
ここまで書いて最後に身も蓋もない事を言ってしまうのだが、オススメかどうかと言われれば、微妙である(笑)