【多動力】刺激的な極論にさっと目を通して寝てしまう
オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆
「多動力」とは何か。それは、いくつもの異なることを同時にこなす力のことを言う。
(本文より)
あらゆる産業が「水平分業型モデル」となり、の"タテの壁"が溶けていく。
そんな社会で求められるのは分野を越えて活動出来る「越境者」であり、「越境者」となるためには次から次へと新しいことにチャレンジ出来る「多動力」が必要となる。
これが本書冒頭の内容であり、タイトルとなっている「多動力」とは何か?という事については、この冒頭部分が全てだ。
この本は、著者ホリエモンが、「多動力」を身につけるためにどのように行動し、どのように考えるのか、を示したものである。
〜理解出来ない人の行動原理を知る〜
ホリエモン、という人は最初メディアに登場した時には、誰もがその存在感に圧倒されたに違いない。
過激でありながら自信満々の発言、誰も予想しなかった驚きの行動…
なぜ、この人はこんな事をするのだろう?多くの人が理解出来ずにいて、メディアはそんな変わり者を面白おかしく紹介していた。
ホリエモンが世に出てきた頃は、僕もまだ中学生か高校生ぐらいで、まだまだ情報に対して疑う事を知らず「こんな変わった人がいるのかぁ」と思い、逮捕された時は「この人は悪い人なんだ」と考えていた。
年齢を重ね、ホリエモンに対しての印象も変わる。学生のころホリエモンの著書「ゼロ」を読んだ時にはテレビで感じた印象よりも慎ましい人なのかと感じた。しかし、その後テレビやYouTubeなどでは、相変わらず強気の言葉で喋り倒す。
本当に理解が出来ない人だったのだけど、この「多動力」を読んだ事で、ホリエモンの行動原理がわかったように思える。
この本は、「多動力」について説明する本というよりは、僕の中では、ネット記事やSNSなどで散文的に語られてきたホリエモンの行動原理をまとめた集大成的な本、だと感じた。
この本を読んだ事で、「ホリエモンはこういう人なんだ」と少し理解する事が出来た。
理解出来ない事を理解する事が出来る。これが読書の醍醐味だろう笑
〜極論でなければ人は少しも変わらない〜
この本に書かれている事は、いわゆる"極論"だ。
多動力を身につけるために、時間をかけてコツコツとやる習慣を捨て、あらゆるものに興味を持ち、自分の時間を作り、時間の効率化を図る。
そのための具体的な行動をホリエモンが示してるのだが、とても一般的な人々には実現するにはハードルの高いことばかりだ。
例えば、一つの仕事をコツコツやる時代は終わり「寿司屋の修業なんて意味がない」と言い、自分の時間を取り戻すために「大事な会議でスマホをいじる勇気をもて」と言い、最速の仕事をするために「すべての仕事はスマホでできる」と言う。
普通の社会人生活を過ごしている僕にとっては、あまりにも刺激的な言葉の数々に戸惑いを感じてしまう。
しかし、この極論を自分なりに受け止めて、一部だけ実践する事は可能だ。
会議でスマホをいじる事までは出来ないかもしれないけれど、「会議中だからと言って、他人の目を気にしない」という事は実践出来るかもしれない。
この本に書かれた極論に感銘を受けたのであれば、「ここまでは出来る」という自分のラインを作って行動を変える事は可能だ。
しかし、ホリエモンほどの能力が無い人が、この本に書かれている事をいきなり全て実践するのは、やはり賢い行動ではないだろう笑
〜さっさと読み終えて次に進んでしまおう〜
僕はこの本を読んで、すぐに実践した事が2つある。
本書の原文をそのまま用いると
10冊の流行のビジネス書を読むよりも1冊の骨太の教養書を読もう
本を閉じて寝よう
という部分である。
「○○のための10の法則」だったり、「すぐに実践出来る○○な方法」なんていう、薄っぺらな本には見向きもしなくなってしまった。
「自分の時間」の中で、効率良く教養を身につけるためには、やはり幹となる教養を身につけるべきだ、と考えるようになった。
みなさんもこの「多動力」を1時間ほどでさっと読んでしまい、明日の教養のためにさっさと寝てしまうのがいいだろう笑