大学全入時代の高等教育
昨日のつぶやきです。
大学全入とは
大学全入という、大学志願者数より大学募集定員が多い状態は前々から言われてきましたが、今年度の入学者で、完全に募集定員が過剰になる事がはっきりしたようです。
これは、大学を選ばなければという条件で、必ず大学に入れる事を意味してます。各大学が学生を取り合うという売り手市場に入っていく事になり、各大学の競争が一層激化しそうです。
大学自体が巨大な装置と化しているので、その維持の為に莫大な費用が必要となっています。学生を集められない大学の中には、その維持費用が賄えなくなって、他大学への併合や、最悪倒産する大学も以前にも増して増加してくるのではないかと危惧されます。
近年の設置基準の緩和によって、大学設置がほぼ自由化されているので、参入する大学がある一方で、退出していく大学もあるという、一般企業と同様に、弱肉強食の時代にすでに入っていると思われます。
大学全入でその他の高等教育機関はどうなるのか?
ところで、高等教育機関には、短期大学や専門学校などの機関もあります。
短期大学については、4年生大学への昇格が相次ぎ、ほぼ絶滅危惧種となっています。残っている短大も、大学に昇格するか、近年制度化された専門職大学と専門職短大に収斂されていくでしょう。
専門学校については、一部の資格などについては現在の大学には馴染まない分野もあり、そういった分野の学校を中心に学生を集めています。大手の専門学校を中心に、徐々に専門学校から、専門職大学と専門職短期大学に転換する動きがあるようです。この流れから考えると、専門学校の多くは今後専門職大学や専門職短期大学への転換を促される事になりそうですが、現在の設置基準が、専門学校と比較して極端に厳しすぎるので、転換を進めるには制度の柔軟化が求められます。
大学全入時代の大学
専門職系の大学などの拡張で、高等教育イコール大学の時代がやってくるでしょう。大学に進学する生徒が増加する状況になれば、大学に求められる期待も、以前よりも大きくなると思われます。
高校への進学が義務教育並みになった様に、大学の拡張により、大学への進学も、今後18歳人口の8割を超える時代が来るかもしれません。大学に進学する事が普通の時代になった時に、学生が大学に求める、大学に進学する事によって得られる付加価値について、今後どれだけ応えていく事が出来るかが、今後大学に課せられた課題だと思います。