🐝みなしごハッシの大冒険:第1話「負けるなハッシ」旅人と流浪・放浪。そして瘋癲

人が生きていく為にとても必要なモノとして

衣　食　住

があります。

 衣服と食物と住居

現代社会で生活するうえで必要な基礎であり基盤

「衣・食・住」で　「衣」が初めにあるのは、衣服を着る事を一番優先的に考えるという事らしく。体温調節や外敵などから身を守るという意味もあるらしいです

そして、次が食べる事で最後に住居。

衣服と食物は生死に関わる事なので、必要というか必須ですよね
じゃあ住居はどうなのかといえば、ホームレスの方も普通に存在していますし、自分も一時期住む家が無く、ガレージで寝泊まりしていた時期がありました
ただ、元々住む家は転々としていましたし
バイク旅をしている間は、日本中で野宿というかテント生活をしていたので、期間限定ならばテント生活も全く問題なし
住む場所・カタチは本当に様々

北海道を旅している時の事ですが
自分は旅の途中で知り合った方としばらく行動を共にしていて
一緒に景色のいいい場所を見つけ写真を撮ったり、釣りをしたり野宿をしたりと、かなり長い時間一緒に居た方が居て
留萌のライダーハウスで数日滞在していた時の事です

そこには自分と旅の途中で知り合った方達、以前から滞在している方達も何人か居て
初対面の方とはお互いの自己紹介をしたり
この先どこへ行くのか、いつ頃帰るのか
いろんな方と興味津々で話しをしていたのですが
その中の何人かはかなり長い期間そこに滞在をしていて、近くでバイトか何かをしながら収入を得ている方も
もはや泊まるというより、そこで生活をしているような感覚

その事は別に悪い事ではなく、自分の知り合いや尊敬している旅人でも働きながら旅をしている方は何人も居て
自分も時間さえ許せば一度はしてみたいって思っていました
ですが、自分と旅を共にしていた方が後から呟いたんです

『自分はあんな風にはなりたくない、あれはもう旅人じゃない』

え！？っと思い、聞き返すと

『旅ってのは帰る場所があり、いつか帰る事が決まっているからこそ”旅”って言える』
『帰る気もなく、中にはバイクの車検が切れたり手放した人も居る。ここはライダーハウスなのに』

彼は自分が出会った旅人の中で一番気が合った人で
旅の経験は豊富だし、バイクの趣味(チョッパー)やカメラ(一眼レフ)が好きなトコも同じ
性格はとても優しく、おまけに行動力も凄い
結果、北海道では多くの行動を共にする事になり
自分の旅人人生で一番長く一緒に旅をした唯一無二の相棒

そんな彼の一言は、何故か自分の心に物凄い衝撃を与えた

彼も自分も旅が好きで、バイクもまた凄く好き
恐らく、バイクを手放した人が旅人の集まるライダーハウスに延々と滞在している事に違和感を感じたのかもしれない

以前にも書いたけど、一応自分には旅の目的というのがある

全国各地のたこ焼きを食べる
たこ焼きに使う調味料や食材を探す
現地でしか食べる事ができない料理も食べる
景色のいい場所を見る、写真も撮る

そして、いろんな旅人と出逢い話しをする事

旅の目的とすれば
○○を食べに、とか○○を探しに、というのは凄く解りやすいし
自分としてもモチベーションがあがる
でも、その目的は絶対条件ではないので、全く成果がなくても大丈夫
それは旅人との出逢いも一緒
全て運に任せているし、旅に予定なんて殆ど無意味

地図は道路と航路が解るぐらいの大まかな全国地図しか持たないし
下調べもほんの少しするだけ

旅ってのは何が起きるか解らないからこそ楽しいし
そこが旅の良さ

だから、もし気の合う旅人に逢う事ができたら
お互いの目的や時間の制約がない限り、一緒に走り回りたいって思う
旅人に会って話す事って、その時しか無いからね
普段の生活では滅多に会わない。旅人に会いたければ旅に出ろってね

名前や年齢、職業も出身地も知らず、旅の目的だって解らない
最初の印象だけで判断をして、その後なん日も行動を共にするなんて
かなりの偶然や奇跡が重ならないとありえない。

そんな奇跡のような出逢いをした彼の言葉
恐らく自分より長く旅をしてきた彼からの、旅への思いというか
彼の思う”旅”への姿勢みたいなものを感じる事ができ、改めて

”自分にとっての旅”って何だろう
”自分にとっての家”ってナニかな

そんな事を考えるようになった。

恐らく多くの人は家があって当たり前で、中には一度も引っ越しをせず
ずっと同じ住所で終わる人も居る

一方、国内に留まらず世界を走り回る人。果ては宇宙まで行く人も居て
将来は火星までも足を延ばすらしい

ちなみに、宇宙で犯罪を犯した場合。何処の国の法律で裁かれるかというと
犯罪者の出身国の法律で裁かれるらしいです
もし火星にいく事になったらどうなるんでしょうか？
宇宙条約に火星という項目が増えるのか？
もし赤ちゃんが生まれたら国籍ではなく星籍とか作るのかな

非現実的な話しをしても仕方ないので、超現実的な”家”の話しに戻ります
自分は今まで確か８回ぐらい引っ越しをしてたかな
一軒家やいろんなカタチのアパート
そして北海道から九州まで全国各地でのテント生活
移動販売でかなり遠くへ出店する時は車中泊も
一時期はトレーラーハウスかキャンピングカーに住もうといろいろ探したけど断念

恐らく普通の人よりかは多種多様な”家”を経験し
不動産屋も数えきれない程回ったし、物件も沢山見てきた
おかげでかなりの知識と安く借りる裏技のようなモノも獲得
お客さんからの引っ越し相談には、かなりの情報量で答える事ができる
自分のような境遇の人には、特に親身になって相談にのっている
正直、市役所や社会福祉協議会では絶対に得る事ができない情報も

不動産周りといえば
不動産屋で物件の資料を見た後、職業や家族・保証人の事を聞かれるんだけど
状況を説明すると、殆どのお店で

『…すいません…』や
『そのような方には…』って事で帰宅を促され
自分も『ありがとうございました』とお礼を言って退室
このパターンが殆どですが、中には

『ホームレスと一緒』
『みなしごなんかには貸せない』とか
職業に対して『チンピラに貸せる訳ないだろ』と
営業周りをしている時もそうでしたが
『ヤクザが来るな』『テキヤとは関わりたくない』と、怒鳴りながら追い出そうとする方も沢山居ました
でもその場で追い返されるのはまだいい方
最悪なのは、契約が決まり引っ越し準備を始めている最中に突然無効に
引っ越し日も決まり、新しい電話番号も決まった後に中止
一番酷かったのは、今までこんな事が何度も続いたので本当に大丈夫か何度も念を押し、それなのに引っ越し当日に入居できなかった事も
普通ならありえない事が、自分にとってはよくある事

親の居ないような人、特殊な職業の人が住む場所を確保する事は物凄くハードルが高い
当たり前の事だけど、世間の多くはこんな人間と関わりたくないもんね
あ、バイクに乗っている事もかなり断られる理由だった

それでも、今現在自分は一軒家(中古の学習塾ですが)を購入して住んでいる訳で
保証人も無く、移動販売という特殊な職業でも家！？を手に入れる事ができた
自営を始める前にいくつか目標をたてたのですが、その中の一つが家を買う事で
殆どの人が”絶対に無理”と言っていましたが
目標の為コツコツをいろんな事を地道に積み重ね。その事を理解してくれる素晴らしい人に巡り合い、何とか現実に
1000人のうち、1人ぐらいは必ず居るからね。その人に巡り会うまで諦めない

たまにニュースや記事で

『住む場所を借りられない』とか
『ネットカフェしか住む場所がない』

というのを見ます
状況や環境はそれぞれ違いますし、自分の経験や行動が全て正解だとも思いませんが
その方達との決定的な違い、それは絶対に諦めなかった事
それだけだと思います
というか、自分にはそれしかないんです。

出店先を探した時と同じで
住めそうな空き家を見つけると、急いでいろんな人に聞き
法務局にも何度も通い、所有者を探して直接交渉
当然、迷惑がられ怒鳴られる事もよくありました
どんなに断れても、どんなに怒鳴られ、どれだけ屈辱的な思いをしても
決して諦めてはいけないんです
自分の場合、あきらめて終わるのは試合ではなく人生そのものなんです
そして、諦めなければ絶対に何とかなる

普通の人が簡単に、当たり前にできる事が全くできない
そして、普通の人が当たり前にできている事だからこそ
そこには大きな壁があり、この辛さに対して共感を得る事もなく
疑問に感じる事すらない

住む家があるという事は本当に大事
旅をしていた時、そして相棒の言葉を聞いた時
改めて”帰る場所”の大切さを感じました

自分が学生の時、親が居ない事と離れに住んでいた為いろんな人が泊まりに来てて
時には友人から頼まれ、全く知らない人を”匿う”とか”隠す”事もあり
部屋の鍵も無かったので、勝手に人が入ってる事も

移動販売を始めてからは、初対面のお客さん達と話しが盛り上がり
家で飲み会する為に泊まりにきたり
トラブルがあって行く所がない、先輩(暴走族)と揉めた、警察とイロイロあって地元を離れたい、家出をした…とか
本当にいろんな事情を抱えた人達を泊めました
そして、家に居る間にじっくり話を聞いて。落ち着いてから一緒にトラブルを解決
逃げるという事は問題がある訳で、泊まればそれでいいって事ではなく
問題を先延ばししているだけなので、その問題をちゃんと解決する
もしくは解決の糸口をみつける事が大事
ある子の親は、しばらくしてからお土産を持ってお店に挨拶しに来てくれました

バイク乗りの旅人も何人か泊めた事があり
関東や関西からはるばる来てくれて、バイクの調子が悪いとか泊まる場所がまだ決まってないって時は、翌日の出店に余裕があればいつも泊めてた
だから家にはベットが沢山あって、ホテルみたいに使い捨ての歯ブラシも常備
自分が旅をしている時でも、いろんな場所でいろんな人にお世話になり
いろんな家に泊めて貰ったから
自分がして貰った恩は、また次の旅人に返すようにしている

こうやって書きながらも、自分が泊めて貰った事や泊まりに来たいろんな人達の事を思い出す

家ってのは”帰る場所”でもあるけど”迎える場所”でもあるんだって事

さすがにコロナ禍になってからは止めて、飲み会やＢＢＱも一切しなくなったけど
迎える家(場所)があるという事は、凄く幸せな事なんだと思う。

次回
🐝[みなしごハッシの大冒険]第２話「行け行けハッシ」不幸と思えているのはまだ幸せな証拠　　　　　｜たこハシロウ【日本で一番長く深く移動販売を愛する男】 (note.com)