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「馬鹿」に思うこと

老人ホームでの楽しいエピソードを綴っています。


「ばあ~かあ~、ばあ~かあ~」
と、言い続けている、ってか「ばあ~かあ~」しか言えない
おばあちゃんが新入居して来た。

しかし、笑えるくらい「バカ、バカ」言っているので、聞く度笑ってしまう。

それで、バカについて考えてみた。

ググって、ウィキペディアを開くと、
「米津玄師の楽曲の「馬と鹿」とは異なります。
とあり、改めて米津玄師の影響力の凄さに驚かされる。
思わずYouTubeで米津玄師の「馬と鹿」を聞き
コメント欄を読み、
「生ま(馬)れるか死か(鹿)。とかけているんじゃないかと勝手におもっています。」
なんていうコメントに「いいね」を付けたりした。


そうだ、馬と鹿じゃなくて、バカを調べていたんだっけ。

ふむ、ふむ、「馬鹿」は、
【地域、使われる場、自分か他人に向けたかにより、意味やニュアンスは大きく異なる】

【関東では「馬鹿」は、罵りの感情は込めずに用いる場合も多く、親しい間柄や恋人の間でかわされる。「親しさ」の表現や「恥じらい」、または「本気でしている」を表現する上での符丁のように、様々な局面で用いられる。非常に親密な状態を示す尺度ともなり得る】

確かに、確かに

一言で「バカ」と言っても、単なる人を罵倒するだけの言葉で無い事は分かる。

新人おばあちゃんの「ばあ~かあ~、ばあ~かあ~」は、この親しさの気持ちから来ていると思いたい・・・けれど、
目の前の自分と同じように食事介助されている人を指さして、
「ばあ~かあ、ばあ~かあ~」
言っている時はとてもそんなふうには思えない。

このおばあちゃんは昔、幼稚園の園長先生だと聞いている。
子供を見る目線で見ているからと思うと、親しみが込められているのかとも思うが、指をさされた方は馬鹿にされたと思うよね。

しかしそれで喧嘩になったり、ひとつも問題になったりしないし、むしろ
「ばあ~かあ~」で笑えたり、癒やされたりする、老人ホームという不思議な場所を私は馬鹿みたいに大切にしたいと思っている。

まだまだこの「ばあ~かあ~」には考えさせられることがありそうだ。
ようこそ「ばあ~かあ~、ばあ~かあ~」言うおばあちゃん。







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