た子

アラ60 有料老人ホーム、特養を経験し、現在デイサービスに勤務。

た子

アラ60 有料老人ホーム、特養を経験し、現在デイサービスに勤務。

マガジン

  • 『た子の足跡日記』ー有料老人ホームにてー

    有料老人ホームで10年間に出会った入居者様に感謝。 皆様お元気ですか?地上でも天国でも・・・

  • 古代の宇宙人食

    古代食大好き。宇宙人大好き。

最近の記事

taishoku

2023年9月1日(金) 雨 歯医者へ行く。保険証が社保から国保になる為手元に無い事を説明。 右下の一番奥に新しい歯が入った。 歯医者の後映画館に行く。 毎月1日は誰でも1300円で観れるので以前から今日は映画を観に行くと決めていた。 映画館は空き空きだったのに、何故か私のすぐ横の席に若い男子のペアが座た。 どちらが後に席を取ったのかな? 多分私だな。私はよくこんなヘマをする。 「キングダム(運命の炎)」 映画がどうこうと云うよりは、映画を観ている間 『私は今無職で自由なん

    • 認知症は毎日がトリック

      老人ホームでの楽しい出来事を綴っています。 ある時ワテさん(自分のことをわてと言うので、ここではワテさんと呼んでいる)が、服をめくり上げながら 「姉ちゃん、見てごらん、これわてのじゃないよ。白がピンクになってる」 と、下着を見せてきた。 「えっ、それってどんなトリックよ!」 「わて白の下着を着てたよ。誰かにピンクに変えられたんよ」 「誰がそんな事するんですか?さっきお風呂に入って着替えたじゃないですか?」 「わて盗んでないよ。誰のも取ってない」 ピンクの肌着は新品

      • ぬり絵三人展

        老人ホームでの楽しい出来事を綴っています。 絵の巨匠新田氏が亡くなった。 私が長崎のこの老人ホームに入職した当時、巨匠はバリバリと絵を描き、それに職員が適当なコメントを付けて壁の一角を使って個展なるものを開催していた。 それが実にユニークで心温まる作品ばかり。 例えば、大海に案山子や兎やうどんが浮いている。(これはパラダイスな水面を表現しているらしい) 大きな木みたいなカブトムシ(模造紙一面に大きな木を描いてそれに目を付けて、カブトムシと一体化しているように見える不思議な作

        • この調子で行こう!

          「#清潔のマイルール」で審査員特別賞(谷尻直子さん賞)を頂きました。 2023年も3ヶ月が過ぎてしまいましたね。 今年は良い年にしたい。 今年こそは、今年こそはと毎年年始めに思います。 今年こそ何をしたいのかも決めずにただ漠然と良い年にと・・・ 正月そうそうのエピソードでウンが付いたので、「2023年の幕開けに」という題名にしました。 いつもの調子で書いた文に、ただ何となく「#清潔のマイルール」つけてみました。 なので「清い心」なんて、ちょっとこっ恥ずかしいですけどね。

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        • 『た子の足跡日記』ー有料老人ホームにてー
          17本
        • 古代の宇宙人食
          1本

        記事

          「はばはずして」

          老人ホームでの楽しい出来事を綴っています。 長崎に来たからには長崎弁を喋りたいものです。 長崎弁の一つの特徴として 「〜を〜」=「〜ば〜」と言うんだな という事が分かりました。 例えば「靴を履いてください」は「靴ば履かんね」 「塗り絵をしてください」は「塗り絵ばしてくれんね」 などです。 食事の後、口腔ケアの時間になると職員が「はばはずして」と何回も言っているのを聞きました。 「入れ歯を外してください」 という意味なんですが、私は聞いてはいましたが、入居者様に実際に言うのが

          「はばはずして」

          2023年の幕開けに

          老人ホームでの楽しいエピソードを綴っています。 2023年の幕開けはホームでの夜勤だった。 うちの施設は制服が無いので、大晦日から元旦に掛けての勤務ということでいつもよりちょっと明るめな服を着て仕事をすることにした。 殆どの入居者様は寝ているか、物が言えないか、目が見えないか、職員の服?そんなの関係ね〜の方々ばかりだが、中には居るんですよ、 「あら、今日はいい服着てるのね」 って、褒めてくださる方が。 0時を過ぎてのパット交換で目を覚まされた方には必ず 「明けましておめで

          2023年の幕開けに

          あの星の住人

          老人ホームでの楽しいエピソードを綴っています。 食事を配膳する順番は特に決まっていない。 朝は早く起きて来た人からとか、右端のテーブルの人からとか、 食欲のありそうな人からとか、お膳の名前が目に付いた人からとか、 その日の気分で決めている。 「ご飯まだですか」 「ご飯ください」 「私は、腹が減ってます」 「もう帰ります」 「トイレに行きたいです」 「先生~此処にいてもいいですか~?」 「音楽でも掛けましょうか?」 「あ〜薬が何処かに転がった〜」 色んな声が聞こえてくる。

          あの星の住人

          質問には否定形でお答えください。

          老人ホームでの日常を綴っています。 お名前は? 「タナカユキコです」 お年は? 「・・・」 お父さんのお名前は 「シカジュウです」 シカジュウ? どんな字を書きますか? 「シカにジュウです」 ユキコさんとの会話はいつもこんな感じだ。 それにしてもお父さんのお名前は変わっていますね。 鹿十さんって言うんです。 ご兄弟の十番目かしら?などと勝手に想像する。 ユキコさんは食事の時以外は寝ているのであまりお話する機会がない。 耳が少々遠いので耳元で話し掛けると、大きな声で片言の返

          質問には否定形でお答えください。

          風の声

          老人ホームでの楽しい出来事を綴っています。 困ったもんです。 サッシを開けてベランダへ出ちゃうんですよ。 「それなら鍵を付けましょうか。100円で売ってるやつ」 買って来ました。 「20cmくらい開けれれば換気もできるし、いいんじゃない?」 「どの居室に入るか分からないから、とりあえずユニットの部屋には全部付けましょう」 これならベランダには出られないでしょう。 今日もなんか窓の外を眺めながらカーテンいじったり、鍵を開けようとゴソゴソしてるな〜 でも、ストッパー付けたから大

          風の声

          Imagine

          老人ホームでの楽しいエピソードを綴っています。   認知症のおばあさんが、吸入器が乗ったワゴンを押して来ました! ただそこにワゴンがあったから押して来たの。って、ばあさん、そのワゴン何処から持って来たの? 看護婦さんが大慌てで飛んで来た。 れ〜?あなたが手に持っているものはなんですか?ベット柵じゃないの? 何処から持って来たの? 誰のですか? 勝手に他人の部屋に入ったらダメなんだけど、スッタフがちょっと目を離した隙にスーっと行ってしまいます。 「ああ、どうか神様、柵なしで

          危険な二人

          老人ホームでの楽しいエピソードを綴っています。 マサルさんは一日中喋っている。 それは、見た夢の続きだったり、今までの経験だたり、 作り話だったり、何かにつけての怒りだったり、褒め言葉だったり。 それこそ思い付く、ありとあらゆる事柄なので、 いったい何を話しているのかさっぱり分からない。 兎に角、一日中休み無しに喋っている。 今日は目の前のミエさんに向かって何か一生懸命話をしている。 「まあはっきり言って、そんな事はどうでもいいんですよ。 そうですとも、いち早く連絡する必

          危険な二人

          新しい一日

          老人ホームでの楽しいエピソードを綴ってます。 「かんぱ~い」のサブロウさんが、年末に入院してしまった。 肝心な時に・・・ 夏場に「あけましたおめでとうございます」なんて言っているくせに 本番に欠席とはけしからん! 元旦の昼食には甘酒が付いていて、乾杯ムード満載だったのになあ~ だけど、サブロウさんが入院したのにはちゃんと理由があって、 このご時世医療関係の方を労う為に呼ばれたのではないか? と、思ったりする。 ところで、施設では年末だか年始だか、全くどうでも良い人が沢

          新しい一日

          桜の木

          『た子の足跡日記』ー有料老人ホームにてー 病院の真ん前に1本の桜の木がある。 病院の前に立っているこの施設の5Fの窓から、その桜はよく見える。 桜の花が咲く季節は窓からお花見が出来る。 特にマサハルさんの部屋からの眺めは最高だ。 2月、まだ桜は細い枝の先が冷たい風を神経質に捕らえていた。 マサハルさんがその桜の木を窓越しに眺めて私を呼ぶ。 「ちょっと、ほれ、あそこに子供が居るんじゃないか?」 「えっ、子供ですか?」 「あんな所に登ちゃって、降りられなくなったんだな~ 下で

          桜の木

          夢のまた夢

          トシエさんは、以前「妖怪の気配」がするおばあちゃんとしてチラリと紹介した可愛いおばあちゃんだ。 相変わらず物をあちこち動かしてはいるが、最近は、自分の所にお膳が運ばれると、そのまま直ぐにお皿やコップを持って立ち上がり、何処かへ持って行こうと、うろうろするようになった。 以前は食べ終わった食器を隠すのが盛んで、それを探すのは宝探しのようにのんきなものだったのだが、この頃の中身が入った状態で持ち歩くのには本当に困ってしまう。 食事は一人用の小さなテーブルで食べている。 こ

          夢のまた夢

          ビールと七夕

          「た子の足跡日記」ー有料老人ホームにてー 色々なお題が出てnoteはありがたい。 「#ここで飲むしあわせ」で、思い出した人がいるので時季外れの題名で書いてみたいと思う。 有料老人ホームなので自室を持ち、ある程度自由に生活出来る。 ミツオさんは本当に自由に生活されていた。 居室には好きなビデオ、本や雑誌、おやつが完備されている。 ちょっとしたキッチンがあり、小腹が空いたらカップラーメンくらいは食べられる。 シャワー室まで付いていて好きな時間にシャワーを浴びることも出来た。

          ビールと七夕

          優しく広がる波紋

          老人ホームでの楽しいエピソードを綴っています。 以前書いたガラケーさん(身体が二つに折れ曲がっているのでそう呼んでいる)が、耳に謎の変換装置を付けた。 ガラケーさんの記事はこちら (2分もあれば読めます) その謎の変換装置というのは、ある言葉を入れると全然違った言葉になって帰ってくるというもので、お金を入れてカプセルを取り出すガチャガチャに似ている。 以前から備え付けてあったのかもしれないが、最近になってその性能を上げた。 元々べらんめえ調で喋るので言い方も面白いんだけ

          優しく広がる波紋