営業支援ツール(CRM/SFA)の導入で営業はどう変わるのか!?
このテキストは、2022年8月に発売の書籍『売上が上がるフロントオフィスの設計図』(クロスメディア・パブリッシング)の一部をnote用に編集したものです。
今回は、営業支援ツール(CRM/SFA)を用いた「見込み管理」の機能の例を挙げてみましょう。
「今日、Aさんに電話したけどつながらなかった。また来週、電話しよう」
こんなとき、みなさんの会社ではどうしていますか?
ツールがない場合は、営業スタッフが手帳にメモをするか、記憶を頼りに管理するしかありません。しかし、同じような状況にある見込み客は1人や2人という数ではないはず。数十名、数百名というボリュームになると、人力ではまず追いきれません。誰にいつ電話をかけるのか、誰に見積もりを提案したのかなど、すぐに管理しきれなくなるでしょう。
しかし、営業支援ツールを活用すれば、見込み管理にかかる手間はほぼ「入力」のみ。「○月×日にAさんに電話をする」など、必要なアクションが自動的にリマインドされるようセットしておくことで、いわゆる「追い漏れ」もなくなります。裏を返せば「システムからリマインドされるまで、見込み客のことはいったん忘れていい」とも言えますから、目の前の営業活動にしっかり集中できるのです。
このように、見込み客を放置することなく、コミュニケーションを継続し、契約へとつなげる仕組みがあるかどうかで、営業効率は大きく変わります。
言うまでもなく、顧客を獲得するためのコストも下げられます。新規顧客ばかりを追わなくとも、これまで蓄積してきた見込み客から売上をつくれるようになるからです。
本書を通じて、「見込み客の管理」は重要なテーマです。もう少し詳しく解説しておきましょう。
従来の営業活動においては、今すぐ買ってくれる新規のお客様=「今すぐ顧客」ばかりを大切にするきらいがありました。「今すぐ顧客」は目先の売上をもたらしてくれるお客様ですから、営業スタッフが最優先で追いかけたくなる気持ちはわかります。
しかし、だからといって見込み客を捨てるようでは、あまりにもったいない。なぜなら、現実には、「今すぐ顧客」よりも「見込み客」のほうが、はるかに母数が大きいからです。
ウェブの世界では「1%理論」という考え方が知られています。たとえば、ECサイトにアクセスした人が100人いるとしたら、そのうち、購入など「具体的なアクション」をしてくれるのは1人だけ。残り99人は、何のアクションもしてくれません。
でも、考えてみてください。その残り99人も「何らかの興味を持ってサイトを訪れてくれた人たち」であり、大切な見込み客です。すぐ購入するほどの緊急度がなく、購入に至らなかったのだとしても、あなたの会社の製品・サービスに視線を注いでいる人が、「今すぐ顧客」の99倍も眠っている計算です。
今すぐ契約とはいかなくても、興味・関心を持って情報収集し、検討段階にあるのが見込み客です。つまり、「あと一歩のアプローチ」で契約に至る可能性も高い。そう考えると、彼ら見込み客をスルーするのがいかにもったいないか、より実感していただけるはずです。
続きが気になった方は、ぜひ書籍をお手に取っていただけると幸いです。