【『ホワイトアルバム』のD面を分析するッ!】
この間書いたこの記事↓
この中でビートルズの『ホワイトアルバム』は
2枚組であり、
レコードで言うとA面、B面、C面、D面に
分かれているというお話を展開しました。
そして、人にも様々な面があるので
いっその事、自分の中も
A面、B面、C面、D面と分けてみて
違う名前でも付けてみたらどうでしょう?
なんていう事も言いました。
僕は下書き無しでブログを書いているので
時には書きながら
『今、良いこと言った〜!上手いこと言った〜!』
と思う事もあるんです(笑)
で、特に僕みたいなサブカルチックマインドを
もつピュアボーイ(37歳)は
D面が気になる訳です。🤗✨
エース級のA面。アコースティックなB面、
ハードロックのC面、
そして…実験的でダークなD面。。
取り敢えず、人間哲学に入る前に
自分自身が例に出したビートルズの
『ホワイトアルバム』のD面を今一度
研究してみようではありませんか。
ビートルズリスニング歴20年の
この僕がッ😎🧋
🍏【はじめに】
『ホワイトアルバム』は怖い。
たまに聴く批評です。
まさにこのD面の印象がそう思わせるのでは
ないでしょうか。
しかし、一聴するとどうでしょう?
「Revolution 9」は別としても
その他の曲はそんなにダークな感じはしない。
むしろ、ロックアルバムに似つかわしくない
様な曲が多い。
誰も叫んで歌わない。革命の曲なのに叫ばない。
子守唄が2曲もある。何だかスローで眠たい。
なのに仄(ほの)かに漂う黒い魂。
ブラックコーヒーにゆっくりと
クリープを垂らして
それがぐるぐると渦になって溶けて混ざってゆく。
そんな感じのイメージです。
一曲ずつ観ていきましょう。
🍏「Revolution 1」
すべてはここからはじまった
『ホワイトアルバム』に入れる曲を
決める為に1968年5月30日にはじまった
セッション。
インドから帰って来たばかり。
インドはやる事が無くてヒマだった為
思い付いたら曲を作っていたビートルズには
曲が溜まりまくっていました。
ジョージ・ハリスンの家にメンバー全員で
集まって『ねー、どんな曲出来た〜?』って。
バンドとしてはこの時間ほど楽しいモノは
ありません。
この頃になるとビートルズの覇権はスッカリ
ポール・マッカートニーが握っていましたが
そうは言ってもビートルズはジョン・レノンが
作ったバンドですし、彼がリーダーです。
1966年にオノ・ヨーコに出逢ってから
ビートルズに段々興味を失っていたジョンでしたが
ここに来て
『おい、いい曲が出来たぜ!コレをやろう!』
と言って提案して来たのが「Revolution」
という曲でした。
「Revolution」=革命の曲です。
ジョンはオノ・ヨーコの影響もあったので
しょうが、
当時起こっていたベトナム戦争について
社会的に最も影響力の大きいバンドに所属する
者として、意見を言う曲を出したかったのです。
シングルで。
しかし、他のメンバーは大反対!😡💨
『そういう政治的な曲はヤバイよ。
世間からまた色々言われるぜ、やめようよ』
今で言うところの炎上を恐れたのですね。
こういう様な事がジョンをますます
ビートルズから遠ざける様になります。
言いたい事も言えないこんな世の中じゃ
ポイズン♪
俺は俺をだます事なく生きてゆく Oh Oh♪
『まぁ、取り敢えずやってみようか…』
こうして「Revolution」のデモは作られました。
それがコレ↓
10分以上ありますので
多分、聴いてはもらえないかなぁ、と
思いつつも一応貼っておきますね。
結論を言うと
『こんなもん、シングルで出せるかいなーッ。大体、売れねぇよ、こんな曲ッ!』😮💨💥
とやっぱり反対されました。
『出したい曲を出せないなんて、
じゃあ、俺は何の為にバンドやってんだよ!
だったらビートルズなんていらねぇよ!』
ジョンのテンションはガタ落ち。
でも、どうしても諦めきれなかったジョン。
『じゃあ、せめてもっとテンポを上げてさぁ。
派手にしたら出せるんじゃないか?』
そうやってメンバーに色々言われて
改変して作ったのがこちら。↓
あー、確かに売れそう(笑)
しかし、これもシングルのA面は厳しいと
判断されます。
結局、「Hey Jude」のB面として世に出されます。
「Hey Jude」もある意味、革命の歌ですけど
自己内革命というか
Hey Hey Hey 時には起こせよ
ムーブメンッ!♪
みたいなノリの曲ですからね(笑)
そのめちゃキャッチーな曲の裏に
ひっそりと入れるならまぁ、何とかなるんちゃう?
みたいな感じの処理のされ方ですよ。
ジョンとしては不本意でしかありませんね。
ただ、この曲はこれで終わりません。。。
🍏「Honey Pie」
ポールの起源
ポールのお父さんはミュージシャンでした。
そんなに売れていた訳ではありませんが
ピアノが上手で、ジャズやボードヴィル調の
曲を弾きこなすセミプロ。
ポールはそんなお父さんを尊敬して居ましたし
小さい頃に聴いたお父さんの演奏や
そんな曲たちは、実はロックンロールよりも
ポールの奥底に根付いているのでは
ないでしょうか。
カバーでもオリジナル曲でも
こういう昔懐かしのタイプの名曲を
スマートに綺麗に歌えるポールが居たからこそ
ビートルズは単なるロックバンドで
終わらなかった。
ジョンはポールのこういう趣味を
嫌がるような態度を見せていましたが
ほんとうに心の底から嫌ならば
自分のバンドでやらせない筈です。
きっとジョンもこういう曲が
嫌いではなかったのでしょう。
このD面で見えるジョンの雰囲気は
それを物語っています。
🍏「Savoy Truffle」
ジョージの隠れた名曲
まぁ、隠れてもないですけど(笑)
今となってはこの曲を『ホワイトアルバム』の
中で一番好きだ、という人も
まぁまぁ居るのではないでしょうか?
普通に名曲。何だかジョンが書きそうな
曲にも思えます。
内容はエリック・クラプトンがジョージの家に
遊びに来た時に
【グッドニューズ】というお菓子の箱があって
その時クラプトンは虫歯だったのに
チョコが食べたかったので
痛い!痛い!と言いながらもそれを食べて
居たのを面白がって書いた曲らしいです。
何、そのほのぼのエピソード!😂🎉
歌詞もそのお菓子の箱に書いてあったチョコの
名前を羅列して言っていくというモノ。
クリームタンジェリンにモンテリマ
パイナップルのハートの乗った
ジンジャースリング、コーヒーデザート
それが「グッドニューズ」〜♪
そのまんまかい。
構成も凝っていて、間奏が終わった後
Aメロに戻るのかと思いきや
ブリッジがもう1回来るという騙し討ち作戦。
ブラスセクションもイカしてる。
ジョージの曲ってキャッチー過ぎないから
いいんですよね。
ジョンとポールの曲ってメロディーラインが
くっきりし過ぎてて、
すごいキャッチーなんですが
それバッカリ聴いているとウッ…🤢
となる。
そこにたまにジョージの曲が来て
安心するっていう。いい案配なんですよね。
🍏「Cry Baby Cry」
ジョンの悪魔の子守唄
泣きな、赤ちゃん、泣くんだ
ママにため息をつかせてやれよ
というこの部分のメロディーやフレーズが
やけに耳に残る曲。
内容もふわっとしている様で
えげつない事言ってます。
個人的にはデビルマンのイメージも
付いちゃって
こんなに優しく歌われてるのに
残虐な歌に聴こえます。。
『マザー・グース』とかその辺が元ネタというか
発想源らしいですが
『不思議の国のアリス』が好きだったりと
ジョンの頭の中ってちょっと不気味。
僕のイメージではこんな曲が鳴ってそうな(笑)↓
ジョン・レノンって生まれた家は
労働者階級なんですが
すぐに中産階級のオバさんの家に引き取られて
育ったので
何というか、有り体に言えば育ちが
いいんですよね。
すんごい読書家ですし。
めちゃくちゃな人っぽいし
実際にそうなんですけど上品ではあると
いうか。
で、この曲のアウトロで急にポール作曲の
隠し曲「Can You Take Me Back?」という
オマケが挿入されて来ます。
和訳すると、『僕を連れ戻してくれないか?』
いや、怖い怖い怖い!😱💨
…なぜに?
この次に「Revolution 9」が待っているから
余計に意味深。
🍏「Revolution 9」
分裂した本命
前述した「Revolution 1」のところでも
チラッと書いたのですが
この曲のデモ、10分もありました。
で、最後の方、だいぶカオスな展開に
なっていくのですが
ジョンはここの部分が気に入ってました。
なので、最後のカオスになっていくところを
切り取って
そこだけで別の独立した曲を作れないか?
と考えた訳です。
ジョンと言えば、今までにも
「Tomorrow Never Knows」や
「I Am The Walrus」など
ぶっ飛んだ曲を提案し、
それらはビートルズやジョージ・マーティンの
ちからで名曲に生まれ変わって来ました。
「Tomorrow Never Knows」はテクノや
トランスの起源とも言えます。
勿論、
インド音楽とロックの融合(ラーガ・ロック)
でもあり、ドローンミュージック、
ミニマルミュージックをポップの世界に
取り込んだと言えるでしょう。
「I Am The Walrus」もヒップホップの様なノリ、
無調音楽の様な謎の展開、
ビート・ジェネレーションの様な言葉遊びの
極致を見せてくれました。
しかし、この「Revolution 9」については
流石の他メンバーも匙(さじ)を投げた様です。
今で言うミュージックコンクレートですね。
前衛音楽であり、実験音楽。
しかし、書物を読み漁っていると
どうも、最初に音素材選びに奔走(ほんそう)して
いたのはジョージ・ハリスンとリンゴ・スター
だったそう。
あの「ナンバーナイ〜ン♪、ナンバーナイ〜ン♪」
もジョージが見つけたらしいです。
その後はジョンとヨーコでもっと音素材を
探して
それをひたすら「Revolution 1」の後半部分
に被せまくって改造に改造を重ねて
作られたのです。
ポールは大激怒!
『こんなもん、ビートルズのアルバムに
入れられるか、ボケーィ!』😡🔥🔥🔥
しかし、ポールが休暇を取った間に
そそくさと完成させてヒュッ、と
入れ込んでしまいました(笑)
でも、結果的にこの曲が入ってる事で
『ホワイトアルバム』の幅が物凄い拡張
されてるんですよね。
TV版エヴァの25話・26話みたいなもんです。
(何がよ)
それに、ジョンはこの頃こんな感じの曲を
ちょいちょい作っていて↓
本気でこの曲も収録しようとしてました。
が、これもメンバーに怒られたので頓挫(とんざ)。
けどねぇー。
ポールもこういうのホントは嫌い
じゃないんですよ。
1967年、ちょうど1年前ですね。
こんな曲をメンバーにやらせたりしてるんです。↓
こういうのはジョンの趣味でしょ、と
思ってる人も居るんですが
実はポールもジョンに負けないくらい
前衛的で実験的な曲が大好きなんです。
それを最終的にビートルズというポップバンドで
出そうとするか、それは止めとこうよとなるか、
それだけの違いなんです。
🍏「Good Night」
ジョンの天使の子守唄
これはジョンが自分の息子、ジュリアンの為に
作った曲らしいです。
支離滅裂で気性の荒いジョン・レノンですが
とんでもなく優しい面を時々チラ出し
して来ます。
この曲はそんなジョンの面が詰まった名曲。
それをビートルズの良心リンゴ・スターが歌う。
これ以上優しい曲があるでしょうか。
🍏【D面はターミナルドグマだ】
2枚組アルバムのD面なんてのは
特に昔のレコード時代だったら
『最悪、まったく聴かれなくてもOKな曲』
を収録するような場所。
アルバムの墓場ですね。
しかし、芸術家は何を作ったって自分の内面が
反映されます。
こういう好き勝手できる場所、
ほんとうに好きな人しか辿り着かない場所
を与えられると
ついつい普段は隠している外向きのスマートな
人格は鳴りを潜め
自分の中の最下層に眠っている
真の個性が飛び出てしまった!という事も
多々あるのです。
ですから、シングルのB面とか面白い。
もっと言えば、両A面シングル!で2曲
外向き用のガッツリ勝負曲が並んでいて
なのに3曲目がある事があります。
案外、そんな曲が本性(ほんしょう)を
一番捉えていたりするのです。
令和はホントに外向き社会です(笑)
個性で勝負しようよー!🤗✨
それこそが商売にも繋がってゆくんだよー!😆💖
とか言いつつも
結局、いざ一般層に出そうと思ったら
ハイパーソフィストケートが施されて
濃いニオイは無くなってしまう。
ムシューダ。
『そうか。そんな所に居たんだな、ユイ』
とか言って
ずっと責任を取るのが怖くて無視し続けていた
自分の息子の中に
人類を滅ぼしてでも会いたかった
自分の愛する妻が存在していた事を知る
そんな、お涙ちょうだいの茶番劇で
宇宙級に広げた大風呂敷を
シュン、と回収して終劇してしまえるくらい
ライトな時代である。
ほんとうはもっと複雑な哲学の話だったのでは?
(スイマセン、ここは無視してくださいww)
みんなほんとうはD面を出せる場所が
ほしいのではないでしょうか?
『ホワイトアルバム』とずっと言ってますが、
これは愛称であり、
このアルバムの正式な名称は
『The Beatles』(ザ・ビートルズ)
です。
つまり、セルフタイトルなのです。
『これが俺たちだよ』、なんです。
その中の最も濃いD面はまさに
ビートルズの最下層。ターミナルドグマです。
実は、令和以前のほうが
もっと濃い個性が爆発していた様な
気がするんですよね。37歳の僕の記憶では。
昭和から生きてますけどもッ。
そもそも、人のD面が表面に出現するのって
ふわ〜ッとしきってる時だと思うんです。
副交感神経バリバリ。
こんなね、
タイパッ!コスパッ!タイパッ!コスパッ!
タイパッ!コスパッ!タイパッ!コスパッ!
(2行目はタイパ重視の為、コピペ😌)
みたいな事をやってる中にあって
D面は多分、出ませんよ。
ずっとA面で勝負し続けてますよ、みんな。
よくてB面かな。
B面が観えて、
『あっ、あの人ってあんな一面も
あったんだぁ😀🍀』
じゃないんよ。
そんなに人間って薄っぺらくないのよ、
令和のチルドレンちゃん。
❝ D ❞の意思を見つけなきゃ(笑)
収集が付かなくなって来ましたので
この辺で終わりますが
これからも、ちょっと僕のこのブログでは
【D面】について考える様な回も
出していこうと思って居ますので
良ければお付き合いくださいませ。
ありがとうございます!
ジョン・レノンのD面も分析してみました。↓