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『大神』→アイヌ神話[趣味の旅人:2]
○はじめに
第1回はPS2で発売された名作ゲーム『大神』から関心を持ったアイヌ神話をテーマにしていこうと思います🎮📕
数年前に野田サトルの漫画『ゴールデンカムイ』でアイヌの注目が高まりましたが(自分はまだ読んでません)、ゲーム『大神』でも登場しています!
○『大神』とは
『大神』はクローバースタジオ企画・開発、カプコンより2006年にPlayStation2向けに発売されたゲームソフトです。現在はPlayStation4やNintendo Switchにもリマスター版として発売されており、自分はPlayStation4版でプレイしました。プレイ時間は25時間弱とイメージよりはそれほどかかりませんでした。
https://www.capcom-games.com/o-kami/sp/?referrer=https%3A%2F%2Fwww.google.com%2F
水墨画のようなグラフィックに主人公の大神こと太陽神・アマテラスを操作しながら、特有のシステム「筆しらべ」を用いてヤマタノオロチなどの怪異と戦います。
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大神に収録されている音楽『太陽は昇る』は、みんなで決めるゲーム音楽ベスト100の常連になるほど人気な曲です。
そしてアイヌ神話はこのゲームの後半に登場します。ボスとしてモシレチク・コタネチクという梟をモチーフとした2体の魔神が立ちはだかります。
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アイヌ神話と梟は密接な関係性があり、「コタンコロカムイ(村を守る神)」として崇められています。このことは事前に知っていたため、大神でアイヌっぽいキャラの登場と相まってアイヌ神話だと気づくことができました。
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○『アイヌ神謡集』
せっかくアイヌ神話に触れたので、本で読んでみようと手に取ったのが岩波文庫の知里幸惠著『アイヌ神謡集』です。注意してほしいことは、原著が結構間違っていることがまとめられていたらしいので、下の画像のとおり補訂新版を購入することをお勧めします。
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アイヌ人は文字文化がなく「ユーカラ」と呼ばれる歌で神話を伝えていました。それをまとめているのがこの本です。
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中身としては上の画像のとおり、見開きの左側がアイヌ語、右側が日本語訳となっています。大正時代に作られたものなので多少読みづらさはありますが、歌なので同時代のものと比較してまだ読みやすい方だと思います。
下には注釈でアイヌ語の意味、アイヌ文化などが描かれています。
アイヌ神話の大きな特徴は動物視点で描かれた物語です。上の画像の物語のタイトルにも「梟の神の自ら歌った謡」と書いています。北海道の自然の雄大さを感じられますね。
特に印象に残ったのは『狐が自ら歌った謡「ハイクンテレケ ハイコシテムトリ」です。1つ目に、歌なので同じフレーズが使用されています。この歌だと「ポキリポキリ」という擬音語が何度も登場します。
2つ目に、死の描き方です。この狐は最後に捕まって解体されます。結構どういう殺され方をしたのかも描かれています(しかも殺された動物視点で)。そして「下顎を便所の礎にした」とどう活用されたのかも描かれています。アイヌ人の生活は自然と共に成り立っていることがここから読み取れます。
本の最後には解説も書いてあるのですが、アイヌ文化について満足のいく説明ではなかったので、より深く知ろうと他の本も読もうと思っています📕
○知里幸惠
知里幸惠さんは1903年生まれ。アイヌ語の母語話者としては最後の世代にあたるそうです。この本のアイヌ語の資料は彼女中心の家系からまとめられたものです。1922年にこの本の原稿の校正が終わった4日後に心臓発作で亡くなりました。
『アイヌ神謡集』は翌年に発売されます。アイヌ自身がアイヌ語で書いて刊行した書籍ということもあり歴史的に重要な書物として現在でも読まれています。
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小学館版学習まんが人物館にも『知里幸惠とアイヌ』として書籍化されていますので、彼女について知りたい方はこちらをどうぞ(自分もまだ読んでいないので気になっています)。
○おわりに
このシリーズはこのような感じでまとめていこうと思っています。他の記事にも書いているとおり、自分は普段ゲームで関心の入り口を見つけて、気になったものを本で読んだり、音楽を聴いたりしています。なので関心の流れをそのまま文章化させました。
アイヌ文化を知ることで、ゲーム『大神』に登場するキャラや地名の名前の由来を知りたいなと考えています。
今後もこのような形で定期的に投稿していこうと思っています!気に入っていただけた方はハートボタンなどを押していただけると励みになります。
最後まで読んでいただきありがとうございました🙇
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