埼玉県越生町でGWを過ごしてみた・後編
GW家族旅行、後編です。
4、「ニューサンピア埼玉おごせ」、舐めてました。
泊まったのは、「ニューサンピア埼玉おごせ」というホテル。
今は懐かしいバブル期を思わせる大型ホテルです。
お値段はGWでも1泊2食付き1万円台と良心的で、食事は朝晩ともバイキング。
庶民の我が家にはありがたい。ただ、値段といい、施設といい、そこまで期待していませんでした。
が、すごく良かった!
お部屋はシンプル。布団を敷いてゴロゴロできるので、家族旅行にいいですね。
ここは日帰り温泉の「梅の湯」が併設されており、「絶対に温泉」もクリア。
温泉は露天風呂のみですが、強アルカリ性のぬるっとしたお湯で、気持ちよかったです。ただ、お湯の汚れが気になる人はいるかもしれません。このあたりは、人それぞれかな。
お風呂のあとは、バイキングへ。
バイキングは朝晩とも2部制で、開始直後は混雑するけれど、ある程度経つと落ち着いて取ることができました。
料理は、和洋中いろいろ。大型ホテルのバイキングなので期待薄でしたが、一品一品美味しそうで、プレートはてんこ盛りに。
上の写真は、1日目の夜です。
どれも美味しかった。でも明日も同じよね、バイキングだし…と思いながら、2日目の夜。
スープとかローストポークとか同じものもありますが、けっこうメニューを変えていました。天ぷらも、野菜が違ったり。
これは嬉しい!
朝のバイキングも、ちょこちょこメニューが違って、2泊3日、楽しくたらふく食べました。
どの料理も本当に美味しかったですが、特筆すべきはホテル特製の柚子バター。
夜は肉料理のソースとして、朝はパンにつけるバターとして提供されていました。軽いのにコクがあり、風味が爽やかで、びっくりするくらい美味しかったです。
お土産に購入しようとホールの方に聞いたら、販売していないそうで残念。「よく聞かれるんですよ」とのことで、やはり大好評のようです。
ここは、一度だけ日帰り入浴で立ち寄ったことがあり、正直、誰が泊まるんだ? と思っていました。だって、東京から日帰りできる距離だし、そこまで観光地でもないし、避暑地という土地柄でもない。
でも、移動距離が短いぶん、身体が楽。
メジャーな観光地ではないので、それほど混雑していない。(GWなので宿泊客は多かったですが、施設が大きいので、そこまで感じなかった)
なんといっても、料理が美味しい!
ホテル自体、多少の古さを感じましたが、掃除が行き届いて気持ちよく過ごせました。館内は広くて、けっこう歩きますが、腹ごなしにちょうどいい(笑)
「ニューサンピア埼玉おごせ」、舐めてました。ごめんなさい。「2泊くらいしたい」、満喫しました。
ここは大きな流れるプールもあり、夏は家族連れでも賑わいそうです。
5、歩くから、気付くこと。泊まるから、できること。
2日目は、越生をたっぷりハイキングすることに。
「あじさいと城山コース」「太田道灌ゆかりコース」を組み合わせて歩くことにしました。
私は出かけると滝中心に考えてしまうので、ほかの見どころは目に入らないのですが、越生には巨木もあるそうです。
せっかくなので、埼玉県で最大の巨木を見にいこう。…と歩き出したら、次女が「トイレに行きたい」と言い出しました。(子供か!)
そんなときに役立ったのが、この「おごせガイドマップ」。
さすが「ハイキングのまち」、要所ごとにトイレがあって助かる!
越生梅林の近くにある梅園神社で、早くもトイレ休憩です。
越生駅と黒山三滝をつなぐ幹線道路沿いにあるので、目にしつつも素通りしていました。今回、初めて寄りましたが、スッと伸びる杉の存在感がすごい。
狛犬さん、にっこり。
雰囲気のよい神社でした。たまたまでしたが、立ち寄れて良かった。
梅園神社を出て、上谷の大クスへ向かいます。
…と、ここで強く甘い香りに包まれる。このまま極楽浄土へ連れていかれるのか、と思うくらいの芳香でした。(勝手な印象です)
どうやら、ホオノキから漂っているよう。
朴葉焼きの渋いイメージしかなかったけど、花の香りは、華やかなんですね。
埼玉県最大の巨木・上谷の大クスに到着です。
樹齢1000年以上、幹回り15m、高さ30mの大クス。今年2月に枝の破損が確認されたそうで、ウッドデッキは立ち入り禁止となっていましたが、その大きさに圧倒。枝ぶりもよく、葉っぱも瑞々しくて、生命力にあふれていました。いやー、見事!
大クスの前でしばらく涼み、次は、あじさい山公園へ向かいます。
上谷の大クスからひと山超えて、あじさい山公園へ向かう道沿いには、紫陽花が植えられていました。あじさい街道とよばれているそうです。
越生は四季折々の花が楽しめる町で、GWならツツジかなと思ったのですが、今年はすでに見頃が過ぎてしまい…。ならば紫陽花はどうよ?と来てみましたが、さすがに早かったようです(笑)
とりあえず、紫陽花の咲いていない「あじさい山公園」に到着。
しかも、紫陽花の再生中で花がなく、休園とか。中は自由に歩けるけれど、閑散としていました。
気が抜けてベンチで休憩する家族を置いて、ひとりで一番上の見晴台へ行ってみます。
紫陽花はなかったけれど、青もみじがきれいでした。
秋は、真っ赤に染まるんでしょうね。見てみたいなぁ。
荒れかけた遊歩道を登って見晴し台へ。
風が吹いて気持ちいい。みんなも来れば良かったのにー!
(写真を見せたら「ふーん」で終わりました)
あじさい山公園を出て、麦原川に沿って歩きます。
ホタルの里でもあるんですね。
水は澄んで美しく、川のせせらぎが心地よい。ところどころにベンチが置いてあり、清流を眺めながら休めるのも嬉しいです。
GWは青葉だった紫陽花、ちょうど今は見頃でしょうか。
歩きながら「ここ良いな」と思う場所は、だいたい川へ降りられるようになっていました。先ほどのベンチといい、この心配り、さすが「ハイキングのまち」。
こういうところって、車だと素通りしてしまいます。歩いているから、気付くもの。これがハイキングの楽しさか、と思いました。
さて、あじさい街道から離れて、「太田道灌ゆかりコース」を歩きます。
たくさん歩いたので、そろそろひと休みしましょう。
可愛い猫の看板、見つけた。
山奥にひっそりと佇む、「ギャラリィ&カフェ 山猫軒」。「注文の多い料理店」と同じ名前ですね。ふふふ。
風が通るテラス席に座り、それぞれ好きなものを注文して、しばしまったり。
山猫軒、ずっと訪れたいと思っていました。でも機会がなかった。
山の中にぽつんとあるので、ほかの場所と組み合わせるのが難しいのです。
日帰りって、けっこうタイトスケジュールですよね。とくに公共交通機関を使う場合、地方はバスや電車の本数が少ないし、路線も限られているし、家から往復の時間もある。どうしても場所を絞って、コースを考えなくてはいけない。
だけど今回は、昨日と今日と日を分けて、越生町をじっくり歩くことができました。泊まるからこそ、できたことのように思います。
そんなことをつらつら思って、もう一軒、気になるカフェへ行くことに。カフェのはしごなら、家族も文句言わずに歩きます(笑)
その前に、太田道灌の墓がある龍穏寺へ。
山門周辺は、荘厳さで満ち溢れていました。
シャガの群生がひときわ神秘的です。
山門の手前の熊野神社。
なんだろう…。気持ちが安らぐような、清められるような、そんな心地がして、太田道灌のお墓は寄らずに、ここだけで満足してしまいました。
お目当てのカフェは、龍穏寺からすぐそこです。
外でもない、部屋でもない縁側って、なんかいいですね。
柚子ジュースをいただきました。
テーブルに活けられた花は、 ウマノアシガタというそうです。小さな花びらにツヤがあり、とても可愛い。
お店の方はとても気さくで、お花の名前や、このあたりのことなど、いろいろ教えてくださいました。
じつは、この近くに滝があるようなのですが、情報が少なくて、行くのを迷っていました。聞いてみたら、
「この先に男滝と女滝があります。でも最近、お天気が続いていたので流れていないと思う。雨上がりがいいですよ」
と、ありがたいお言葉! よし、次は雨上がりを狙って来よう!!
「縁側カフェ tokinoki」や龍穏寺の前を流れる龍ヶ谷川。越生の山々の水があちこちで小川になり、荒川となり、我が家の近くまで流れてくるのか。山と海のつながりを感じます。
地元の方々が案内板を作って整備しているそう。この上流にある滝不動に、滝があるそうです。また訪れる楽しみができました。
6、遠くを旅するのもいいけれど、近場の旅行もいいものだ。
越生旅行、最終日の3日目は朝から雨でした。朝風呂に入り、朝食のバイキングをたらふく食べて、チェックアウトぎりぎりまで部屋でのんびり過ごしてから帰りました。家に着いたのはお昼ごろ。移動時間が短いと身体が楽ですね。翌日から、みんな学校や仕事だったので、荷物を片付けて、半日ゆっくり休みました。
せっかく旅行するなら、遠くへ行きたい、と思ってしまいますが、近場に泊まるのもいいものでした。
近場といっても、知らないことや、初めての場所がたくさんあった。次はここを訪れようというところにも出会えた。
遠くへ旅行すると、せっかく来たからと広範囲に盛りだくさんで観光しがちです。もちろん、それも楽しい。
でも、近場に泊まって、その町でじっくり過ごすのも、いろんな魅力に気付いて面白いと思いました。近場なら、また行きたい場所に、次は日帰りでも行けますしね。
景色や川のせせらぎ、花の香りなどいろいろ楽しんだ越生町。
「ハイキングのまち」だけあって、車より歩きや自転車のほうが五感を刺激して楽しいかも。
越生駅にはレンタサイクルもあるようです。(ニューサンピア埼玉おごせにはレンタサイクルが2台あり)
次はサイクリングもいいなと思っています。