見出し画像

青春18きっぷで出かけよう! 困ったときは東海道線・三島

青春18きっぷ、家族で4回分使って、残りは1回。

最後の1回は、私ひとりで出かけることにしました。
でも、天候はイマイチだし、お疲れ気味で遠出はキツイし、どこへ行こう…。

そんな、困ったときは東海道線、というのが私の中にあります。
沿線は、見どころも多いし、本数もそれなりにある。ゆっくり家を出ても、無計画でも、なんとかなる。

新橋駅から東海道線に乗り込みました。写真はどこかの駅にて。品川駅だったかな…?
今回は、自分のご褒美旅ということで、グリーン車です。在来線でも、グリーン車を使えば、ゆったり快適に過ごせます。

車内で計画を練って、三島駅で降りました。

三島は、何度か訪れたことがあり、好きな街です。街中を湧水が流れていて、すごく気持ちいい。
まずは駅近の湧水スポット、白滝公園へ。

富士山の雪解け水が湧き出している池。澄み切っています。
公園内の地面にはゴツゴツとした岩がありますが、約1万年前の富士山の噴火で流れ出した三島溶岩流だそう。三島が湧水の街なのは、この三島溶岩流のおかげだそうです。

公園の奥に、湧水のじゃぶ池がありました。贅沢! 
ワンちゃんが水浴びしたり、小さな子どもが水着姿でお父さんと遊びにきたり、気軽に水と親しんでいて、羨ましい!!


白滝公園の横を流れる桜川。こんなきれいな川が流れている三島に、今すぐ移り住みたくなりました。

三島で好きな場所といえば、源兵衛川。
三島駅前にある名勝・楽寿園の小浜池を水源とし、街の中を流れながら、中郷温水池に注ぐ農業用水路です。昔は人々の生活と共にあった川も、高度経済成長期には汚染され、暗渠となる危機に陥ったとか。しかし、さまざまな人々の努力で清流が復活し、今や憩いの場に。

川の中に木道や飛石が配置され、せせらぎを感じながら歩くことができます。最高!

もうね、癒しの空間ですよ。
前に訪れたときは途中で引き返したので、今日は中郷温水池まで歩いてみよう。

撮影スポットに遭遇。

源兵衛川と伊豆急を撮影できるんですね。
しばらく待ったけど、電車が来なかったので、源兵衛川と線路のコラボで良しとします。

川沿いのカフェ、素敵です。残念ながら開店前だった…。

置き物のようなカモ。見事だなぁと思って眺めていたら、動いたのでびっくりしました。

川幅がだんだん広くなっていきます。カワセミがいるようで、写真撮影している方がいました。

中郷温水池に到着です。ため池百選のひとつとか。ため池にも百選があることに驚きです。
正面に富士山が見えるそうですが、残念ながら、山の方は雲が多くて見えませんでした。

どうやら、せせらぎノルディックコースを歩いていたようです。おっと、上級コースに上岩崎公園が入っている。ここは行きたい。

でも、その前に。
せっかくだから、有名な柿田川湧水群に行こう。中郷温水池から約1.5キロ。
百選といえば、柿田川湧水群も名水百選のひとつですね。

湧水群と聞くと、自然豊かな山の中にあるイメージですが、柿田川湧水群は国道1号のとなりにあります。初めて訪れたときは、本当かよ?と半信半疑でした。

本当に、幹線道路のすぐとなり。ここは三島市ではなく、清水町です。

見どころ紹介に沿って、歩いていきます。
まずは第一展望台へ。

写真ではわかりづらいけれど、湧水があちこちから自噴しています。すぐそばを走る国道1号線とのギャップがすごい。

案内板によると、柿田川湧水群の源は、富士山に降った雨や雪。それらが地下水となり、三島溶岩流の間を流れて、ここで湧き出しているとか。
道路ができ、街ができても、足元には自然の営みがある。そのことに驚嘆します。

第二展望台から下を覗くと、吸い込まれそうなブルーホール。こんこんと湧き出す青い水が神秘的です。
この丸い口は、昔、この地に紡績会社があり、ここから管を通して湧水を工場へ流していた取水口だそう。

柿田川。
案内板に「全川全て湧水」と書かれていました。この滔々とした流れがすべて湧水だなんて。富士山の持つ豊かさに、圧倒されました。

持っていたペットボトルの水を飲み干して、柿田川湧水群の水を汲みました。
(もうひとつ水汲み場があったけど、混んでいたので、こちらにしました)

名水の地で作る豆腐は、さぞかし美味しいでしょうね。しかし、持ち帰るには、ちと重い。豆腐アイスをいただくことに。

この日は暑かったので、アイスの冷たさが身に沁みる。豆腐の風味も美味しかった。

また国道1号を歩き、中郷温水池付近に戻ってきました。上級コースの続きをしましょうか。

ここでレンタサイクル登場。しかも電動アシスト。
…最初は全部歩こうと思ったんですけどね。でもせっかく三島まで来たので、上岩崎公園のあと、少し遠くまで足を伸ばそうかなと思いまして。

三島駅周辺は、こちらのレンタサイクルがあり、活用させていただきました。

電動アシストって楽ですね。疲れ知らずでグングン漕げちゃいます。まず向かったのは、三嶋大社。

NHK大河ドラマの「鎌倉殿の13人」を夢中で観ているので、三嶋大社は寄りたかった。

バトルロワイヤルな展開に、毎回ドキドキです。俳優さんも、みんないいですね。これから北条政子といえば小池栄子が浮かぶんだろうな。洋ちゃんの頼朝も、すごく良かった。

こんなの見ちゃったら、食べるしかない。

福太郎餅、なんだかビーバップハイスクールみたい(笑) よもぎの風味が濃く、餡もあっさりした甘さで美味しかったです。
お茶は、暑い日には冷茶だと嬉しかったな。

お餅を食べて元気になったところで、大場川を上流へと自転車を走らせます。

途中で迷いつつ、なんとか上岩崎公園に到着。

遊具や芝生広場がある、ごく普通の公園です。
でも実は、ちょっと普通じゃない。それは…。

公園の中に、滝がある。
本物ですよ。水量も豊富!
しかも、この滝、住宅地の中にあるんです。

滝の上に家が…!
すごいですよね。24時間365日、滝とともに♪
(けっこうな水量なので、うるさくないかな?と少し心配…)

この滝は、鮎止めの滝(または鮎返しの滝)といいます。なぜ、こんな街中に滝があるのか。じつは、この滝も、三島溶岩流でできています。約1万年前の富士山の噴火で流れ出した三島溶岩が、ここで冷えて固まり、滝になったとか。

この周辺は、似たような滝がほかにもあります。自転車で行ってみよう!

三島駅から西へ約1.5キロのところに、JR御殿場線下土狩(しもとがり)駅があります。ここは三島市ではなく、長泉町。
駅から歩いて5分(自転車なら3分)で、鮎壺の滝に到着です。

滝の上流。このゴツゴツした岩も、溶岩らしい。

鮎壺の滝。
富士山から噴火した大量の溶岩が、ここまで流れて、冷えて固まったのか。

案内板の写真を見ると、この滝が街の中にあることがよく分かります。

富士山が大噴火し、大量の溶岩がドロドロと流れる光景は、どんなだったのだろう。
豊かな湧水も、迫力ある滝も、大噴火の恵みと思うと、不思議な気持ちになります。

鮎壺の滝には吊り橋があるので、渡ってみましょう。…吊り橋のむこうにマンション、なかなかないシチュエーション。

吊り橋から。
滝のむこうに富士山が見える日もありますが、今日は残念。

吊り橋を渡って。(写真だと違いが分からない
涙)
約1万年前の溶岩でできた滝を眺めていると、なんだか地球の息づかいを感じます。
地質に詳しかったら、もっと楽しいだろうな。そんなツアーがあったら参加したい。

さて、時間は16時過ぎ。もう一本、行けるかな?

このまま裾野市へ向かいます。目的地まで約6キロ。次の滝には17時前に着かないといけない。急げ!

「中央公園 五竜の滝」
中央公園(裾野市中央公園というらしいです)は17時に閉まってしまうので、ちょっと必死でした。

本日のラスト、五竜の滝に間に合ったー!
こちらも溶岩流でできた滝です。豊かな水量で、そばに寄ると飲み込まれそう。

明治時代、ここは景勝地だったようですね。大正天皇や昭和天皇も、皇太子時代に訪瀑されたとか。

滝あり、吊り橋あり、小舟あり。
なんとも風情のある写真です。
鮎止めの滝、鮎壺の滝、五竜の滝は、山奥で流れ落ちる滝と違って、水はそんなにきれいではありません。市街地を長く流れるから仕方ないのかな。明治時代は、どうだったのだろう。

ここも吊り橋があります。

足元はシースルー。舐めてかかると、少し怖い。

五竜の滝は、5本の筋で流れ落ちているところから名付けられたそう。右側の木で鬱蒼としているところに、あと2本流れていますが、危険防止で立ち入り禁止となっていました。

ここも滝のすぐ近くが住宅地で、川で子どもたちが遊んだり、犬を連れて一緒に水浴びしたり、水辺で遊ぶ人が多かったです。
…水深も水量もそこそこありそうなので、少し冷や冷やしながら眺めていましたが。
(地元の方にとっては余計なお世話ですね)

湧水に、滝に。
地学は苦手で、イマイチわからないことも多いけれど、案内板を読みながら富士山の豊かさと威力を感じました。…富士山、一度も姿を見せてくれなかったけど。

レンタサイクル、帰りはJR御殿場線の長泉なめり駅で返却しました。

ところで、「なめり」って何?

漢字で書くと「納米里」みたい。
ググったところ、このあたりは溶岩台地だけど地表がなだらかなことから、滑らか(なめり)となったとか。
ちなみに、鮎壺の滝がある「下土狩」は、ゴツゴツととがった土地だから「トガリ」だそう。

JR御殿場線に乗って沼津駅へ。

ホームで東海道線を待っていたら、懐かしい気持ちになりました。昔、地方の少し大きな駅は、こんな感じだった気がします。天井や、長いプラットフォーム、両端の柱がレトロさを醸し出しているのでしょうか。

熱海駅で一旦降りて、温泉でも入ろうと思ったけれど、手頃な施設がなくて断念。熱海の温泉は、日帰りでも滞在型のお値段高めなところが多い気がします。旅の締めに、サッと入れるところがあればいいのに。

仕方ない、駅弁を買って帰ろう。帰りもグリーン車にしました。

鯵の押し寿司は、「鎌倉殿の13人」の掛け紙。鈴廣のピリ辛なんこつと、ビールはロング缶で。
考えたら、お昼を食べていない。ひとりだと、つい、食事を疎かにして動き回ってしまいます。

なんと、掛け紙の裏は双六だった。
これは捨てられない…!

お寿司を食べて、ビールを飲んで、鈴廣のピリ辛なんこつを食べて(美味!)、夜の街を眺めて、ひと眠りしたら、東京駅でした。

あまり計画を立てずに訪れた三島でしたが、自然の癒しと威力を感じた旅となりました。困ったときは東海道線、さすが裏切りませんね。
沿線には、まだまだ見どころが多いので、また訪れたいです。

通常料金(おとな 現金優先)
新橋駅→三島駅    2310円
長泉なめり駅→熱海駅 510円
熱海駅→東京駅    1980円
合計         4800円


青春18きっぷ
12050円÷5回=2410円(1回分)
但しグリーン車利用(ホリデー/事前料金)
800円×2回(往復)=1600円
合計        4010円

いいなと思ったら応援しよう!