🧠「もう一つ脳があったら?」を叶えてくれるメモアプリObsidian
今までEvernote、Atom、Boostnote、Apple Notes、Bear、Goodnotes、Notion、Roam Researchなど、色々な方法でメモを書いてきました。TodoistやTrello、Apple Calendar、Gmailをメモアプリの代わりとして活用しようとしたこともあります。その中で最も長く続いたのはアップルがデフォルトで付けているApple Notesです。
ですが、最近はObsidianをガッツリ使い始めていて、非常に気に入っています。Apple Notesで随分とメモを書いてきたのでスイッチングコストも高まってしまっておりますが、少しずつObsidianでメモをかけるようにシフトし始めています。そこで今回はObisidianがどういうメモアプリで、どういう利点があるのかを紹介していきます。
👨💻自分の脳を外部化する
Obisidianの最大の特徴は"Second Brain"、つまり「第2の脳」を目指したメモアプリであることです。自分の脳を外部化し、デジタルの力で知的生産活動を補強するようなイメージでしょうか。Obsidianにはメモの中で他のメモについて言及することができ、それらが繋がり「リンク」ができます。例えばネット上で面白い記事を読んだり、同僚と興味深い話をしたり、仕事のアイデア出しをしてみたり、日々様々な形で情報を咀嚼したり、アウトプットしたりすることがあると思います。適宜リンクも加えながら、それらをどんどんObsidianに突っ込んでいくと、あらゆる概念がどんどんつながっていき、大きなグラフが出来上がります。私も過去数週間使っているだけで歴史の浅いユーザーですが、すでにグラフはこんな感じに成長し始めています。
ちなみにズームインしたりズームアウトすることもできます。もう少しズームインすると、各ドットの隣にメモの名前も表示されます。どこかにマウスのカーソルを合わせると、次のように繋がりがすぐに可視化されます。これは6月10日の日次メモと、それにつながっている他のメモの例ですね。
なんでもメモに残してきた自分としては、こうやってメモを書くことに従ってグラフが成長していくのを観るのは、結構楽しいです。楽しいだけではなく、色々な気づきも得られます。例えば、このテーマに関連する部分は密に繋がり合っているなぁ、とか、この部分は独立しちゃってるなぁ、とか。
グラフ以外に面白い機能はBacklinksと呼ばれるもので、あるメモページを閲覧しているときに、そのメモページに紐づくメモの該当する箇所を一覧でみることができる機能です。なぜこれが便利かと言うと、例えばあるプロジェクト名についてのメモを振り返りたいときには、そのプロジェクトのメモそれ自体を観ても良いですが、多くの場合は日次メモ(Daily Journal)にも色々と大事なことが書かれていたりします。それらをざっと一覧で見ようと思うときにBacklinksが便利だと思いました。
ここまでの話はScrapboxやRoam Researchとも似ていると思いますので、ScrapboxやRoam Researchを活用したことのある方にとってはお馴染みの概念かと思います。次は、ScrapboxやRoam Research、さらにはNotionとも比較したときのObsidianの特徴も見ていきたいと思います。
🖥デスクトップアプリがある
デスクトップアプリをMacOS/Windows/Linux版でインストールすることができます。Notionにもデスクトップアプリはありますが、Roam Researchにはまだありません。Roamを使うときは最初の5秒程度のロード時間がいつもきになってしまっていました。ただ、Roamも開発予定とのことです。
✏️数式がインラインで書ける
文章中にlatexで数式を書くことができます。これは2020年5月頃まではできませんでしたが、最近実装されました。Roamでも文章中に数式を書くことができますね。Notionはこの点弱く、インラインで数式は書けません。
👁データはローカルに保存される
データは自分が保存したローカルなディレクトリに保存されます。そのため、Obsidianはユーザー登録すら不要です。これはNotionやRoam Researchと大きく異なりますね。「セキュリティが心配で業務に関するメモをNotionやRoam Researchに入れることができない」という話はたまに聞きますが、その点Obsidianは安心です。
保存場所をDropboxやGoogle Drive、Apple iCloudに設定すれば、もちろんクラウド上で保存しておくことができるので、手元のPCが壊れても安心です。
markdown形式で保存されるだけなので、他のエディタで開くこともできますし、Obsidianが将来廃れたとしても、すぐに他のアプリに乗り換えることができそうです。
🌊整理されていない概念や情報のメモに向いている
Notionは整理された情報を管理するのに向いている気がします。例えば階層構造が明確な場合、データベース形式で置いておきたい情報などです。
一方、Obsidian(やRoam Research)は必ずしも整理されていなくても、ふと思いついたことでもメモを取っておく価値があります。リンクさえ残しておけば、それが後日、活きてくる可能性もあります。
メモ同士をつなげるだけではなく、過去のメモを思い出すような仕掛けも備わっています。まだ試せていませんが、Obsidianには「ランダムにメモを開く」という機能もあります。
👨👩👧コミュニティがまだ小さい
Obsidianコミュニティは他のメモアプリと比べると小さい印象です。英語でも情報はそんなに多くはありません。
NotionやScrapboxは日本語でも情報が多いですが、Obsidianは日本語の情報が現時点ではほとんどなさそうに見えます。
公式Forumと公式Discordグループは結構役立ちますのでお勧めです。
コミュニティが小さいからこそ、自分の声が開発者にも届きやすいです。Discordではすぐに返事をもらえますし、Forumで「こんな機能ほしいです」と書き込んでいた機能が実装されることも最近経験しました。
🕶メモマニアのための統合開発環境である
Obsidianはキーボードを離れず(マウスを使わず)に操作を完結できるよう設計されており、コマンドパレット機能を通して色々と操作することができ便利。プログラマーのための統合開発環境(IDE)があるように、Obsidianはメモマニアのための統合開発環境(IDE)である、とどこかで読んで「なるほどね!」と思いました。
💰個人利用は無料
個人で使う分には無料なのは素晴らしいポイントです。Roam Researchは少し前の情報では個人でも月々15ドルになる予定、という情報がありました。Notionの個人用プランが最近無料になるなど、メモビジネスでは無料化の波が来ているようですので、Roamも低価格化、もしくは無料へと切り替えていく可能性はゼロではないと思います。
📵スマホ版アプリはないが工夫すれば使える
Notionと違ってスマホ版アプリはありません。Obsidianはmarkdownファイルを読み込んでいるだけですので、markdown file readerを使うことでなんとかなります。私の場合は、iA WriterアプリをiPhoneに入れて、そこからmarkdownファイルを読み込んで、追記しています。ただ、ロードマップには含まれているようですので、そのうち出てくることを期待しています。(Roam創業者もスマホアプリを出したい、とは言っていますね。)(追記:その後、1Writerというアプリの方が操作がしやすいことに気づき、スマホでは1Writerを使うようになりました。)
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以上が、他のメモアプリと比較したときのObsidianの雰囲気かと思います。これからガンガン使い込んでいくのが楽しみです。「第二の脳」を育てて、自分の知的生産活動のレベルが向上するのかを検証していければと思っています。
終わり!
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