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ダブルケアにアンガーマネジメントは有効か?!

今日一日、娘や父、母や祖母、夫などとの関わりを良くしたい――そんなシンプルな願いから、このテーマに向き合うことにしました。特に『アンガーマネジメント』には、日々の生活の中で即効性を発揮できると感じたのです。

介護と子育てが同時に進行する『ダブルケア』は、非常に感情的な負荷がかかる環境です。そんな状況で感情をうまく扱うスキルを身につけることは、日々を穏やかに過ごすための鍵になると考えています。

怒りは人生のスパイス

怒りを否定するのではなく、むしろそれを「自分の感情を肯定するためのツール」として捉えるべきだと思うのです。適切にコントロールすれば、怒りは自分の気持ちを守り、状況をより良い方向へ導くための「肯定的な力」に変わるのではないでしょうか。これが私のアンガーマネジメントにおけるアプローチの出発点です。

感情は自然に湧き上がるものだと思われがちですが、実は「状況に応じて使い分ける道具」として扱えるものでもあります。この考え方こそが、アンガーマネジメントの核心です。怒りを上手に扱う技術を学ぶことで、ダブルケアの中で抱えがちなストレスや感情的な衝突を少しでも和らげ、より穏やかで建設的な日々を築くことができると信じています。

なぜなら、怒り自体を否定してしまうと、自分を抑え込むことへの反動が起こるからです。もちろん、怒らない状況を作ることが理想的で平和なのかもしれません。

しかし、現実的に怒りが一切起きないことなんてありえません。そんな人生、はっきり言ってつまらないし、クソ喰らえだと思います。怒りは真剣さを伴う感情だからこそ、絶対に必要なものです。

ただし、その破壊力ゆえに「コントロール力とさじ加減」を気をつけなければならないと私は考えています。つまり、怒りもまた、人生を楽しむための重要なエッセンス、あるいは欠かせないファクターなのです。

1️⃣. アンガーマネジメントとは?

アンガーマネジメントとは?一般的な定義と基本的な考え方

アンガーマネジメントとは、怒りをコントロールし、冷静に行動する方法を学ぶことを指します。
心理学の分野では、怒りを「トリガー(きっかけ)」→「反応」→「結果」という流れで捉え、そのプロセスを理解することで感情を管理できるとされています。
アメリカ心理学会(APA)によると、アンガーマネジメントは「怒りを否定するのではなく、その感情を適切に理解し、制御し、健全な方法で表現する技術」と定義されています。

「怒りはツール」という独自の視点

私は「怒りを管理する」という視点に対し、少し違和感を覚えます。怒りを単なる「制御の対象」として扱うのではなく、「感情を肯定し、自分を守るためのツール」として活用できるものだと考えています。

たとえば、アドラー心理学を解説した名著『嫌われる勇気』では、怒りを「出し入れ可能な道具」として説明しています。この考え方は、怒りを目的を持った感情の一つとして捉え、意図的に使うものだとしています。

しかし、この説明にはどこか否定的なニュアンスを感じたことを覚えています。「怒りは使うべき時に選択される手段であり、自己の感情そのものではない」という捉え方が強調されているからです(なお、この記述は私自身の解釈に基づく要約であり、正確な抜粋ではありません)。

一方で私は、怒りをもっと肯定的に捉えたいと考えています。怒りは単に抑えるべきものではなく、適切に使えば自己主張をする力になり得ます。現状を改善し、他者との関係をより良くするための強力な推進力ともなるのではないでしょうか。

怒りを「ちゃんと使いこなす」ために

怒りは、まるで鋭いナイフのようなものです。そのままでは危険に思えるかもしれませんが、正しい方法で使えば、自分の人生を切り開くための力強い道具になります。

感情をただ抑え込むのではなく、必要な場面では「自分の気持ちを守るための防御」として怒りを活用する。これこそが、アンガーマネジメントの真髄なのではないでしょうか。

感情を無理に抑え込むとどうなるか?その場合、以下のようなデメリットが生じることがあります:

  • 健康への影響:怒りはストレスを引き起こし、心身に悪影響を与える要因となります。慢性的なストレスは高血圧や不眠症の原因にもなり得ます。

  • 人間関係の悪化:怒りに任せた言動が、家族や周囲の人たちとの信頼関係を損なうことに繋がります。

  • 自己消耗:怒りをコントロールできないと、自分自身が疲れ果ててしまい、心の余裕が無くなる可能性があります。

一方で、感情を適切に使えれば、次のようなメリットも得られます:

  • 周囲とのコミュニケーションがスムーズになり、信頼関係を深められる。

  • ストレスの軽減につながり、心身ともに健康な状態を保てる。

  • 感情を抑え込むのではなく、適切に表現することで自分の気持ちを尊重できる。

2️⃣.アンガーマネジメントの基本的な方法

怒りのメカニズムを理解する

怒りの感情は、「トリガー(引き金)」→「反応」→「結果」という流れで発生します。このプロセスを視覚的にイメージすると、例えば次のような構造です:

  1. トリガー:感情を揺さぶる出来事や状況。
    (例:子どもが癇癪を起こす、介護中に親が非協力的な態度を取る)

  2. 反応:トリガーに対する即座の感情的な反応。
    (例:怒りが込み上げる、言い返したい衝動を感じる)

  3. 結果:その反応が生み出す行動や結果。
    (例:感情的に怒鳴ることで相手との関係が悪化、自己嫌悪に陥る)

この流れを把握することは、怒りを管理する第一歩です。怒りを感じた瞬間に、自分が「どの段階にいるのか」を意識することで、適切な行動を選択しやすくなります。

具体的なテクニック


1. 6秒ルール
「6秒ルール」は、感情のピークが最も高まるのが怒りを感じた直後の6秒間であるという心理学的研究に基づいています。この間に衝動的な行動を抑え、冷静さを取り戻すことができれば、その後の対応が大きく変わるとされています。たとえば、2010年の感情制御に関する研究では、この短い間に呼吸を整えることが、感情的な反応を和らげる効果があると示唆されています。

怒りが最も強くなるピークは、感じ始めてから約6秒間であるから、この時間さえ乗り越えられれば、感情的な衝動を落ち着かせ、冷静さを取り戻すことが可能ということなのでしょうね。
6秒間でできる具体的な方法としては:

  • 深呼吸を3回する。

  • 「この怒りをどう解決するか」を6秒以内に考える。

  • 頭の中で「6、5、4…」と逆算して気持ちを落ち着かせる。

2. タイムアウト
物理的または心理的に距離を取ることで、冷静さを取り戻す方法です。怒りの場面から意図的に一歩引くことで、感情を爆発させずに状況を整理できます。

  • 子育ての場面:子どもの癇癪にイラッとしたら、その場を離れ、5分ほど別室で気持ちを落ち着ける。

  • 介護の場面:親の非協力的な態度に苛立ったら、「少しお茶を入れてきます」と声をかけて、一時的に距離を取る。

3. 客観視の習慣
自分の感情を俯瞰する力を養うことは、怒りを上手に管理する上で重要です。
具体的には:

  • 感情日記をつける:その日感じた怒りを振り返り、「なぜ怒ったのか」「他にどんな対応ができたか」を記録する。

  • 他者視点を持つ練習:自分が相手の立場だったらどう感じるかを想像することで、怒りが和らぐことがあります。

3️⃣「ダブルケア」特有の課題と怒り

ダブルケアにおけるストレスの原因

介護と子育てが同時進行する「ダブルケア」の日常には、私たちの感情を揺さぶる瞬間が数多くあります。その中でも、「怒り」という感情が湧き上がる場面は少なくありません。まずは、ダブルケアが抱える特有のストレス要因を見ていきましょう。

  • 介護のストレス
    親が自分の助けを拒否したり、時には無理な要求をしてきたりすることは、介護者にとって大きな負担です。認知症の対応では、繰り返される質問や意思疎通の困難さがストレスの引き金となることもあります。「なぜわかってくれないの?」という思いが、怒りに変わってしまうことも少なくありません。

  • 子育てのストレス
    子どもが癇癪を起こし、こちらの話をまったく聞かないときや、限られた時間の中で家事や仕事をこなさなければならない場面で、ストレスが一気に高まります。「もうこれ以上どうすればいいの?」と追い詰められた気持ちになる瞬間が、怒りを引き起こします。

感情のトリガーとは?


ダブルケアの現場では、特定の「トリガー(引き金)」が私たちの感情を揺さぶります。これらのトリガーを知ることは、怒りをコントロールする第一歩です。

  • 介護におけるトリガー

    • 親がこちらの言うことを聞かない場面(例:「食事をちゃんと取って」と言っても無視される)

    • 認知症により、同じ質問を何度も繰り返される場面

    • 介護に感謝されるどころか、文句や批判を受ける場面

  • 子育てにおけるトリガー

    • 子どもが癇癪を起こし、泣きわめいて手が付けられない場面

    • 何度言ってもルールを守らない、片付けをしない場面

    • 自分の時間が削られ、睡眠不足や疲労が溜まった状態でのトラブル

これらのトリガーは一見些細なことに思えるかもしれませんが、積み重なることで私たちの心に大きな負担をかけます。

4️⃣アンガーマネジメントがダブルケアに「効く理由」&具体的な実践方法

ダブルケアにおける共通点と課題

子育てと介護、この2つの役割を同時に抱えるダブルケアは、どちらも予測不能な状況に対応しなければならない点で共通しています。

  • 予測不能なストレス
    子どもが突然癇癪を起こすように、介護を必要とする親が予定外の要求をすることもあります。これらの出来事は、事前に準備できないため、感情のコントロールを難しくします。

  • 感情の管理がコミュニケーションを左右する
    子育てでも介護でも、感情的なやりとりが関係性に大きな影響を及ぼします。怒りをそのままぶつけてしまうと、相手との信頼関係が損なわれ、状況がさらに悪化することがあります。
    しかし一方で、感情を上手に管理し、適切に伝えることで、双方が理解し合いやすくなり、問題解決の糸口を見つけやすくなります。

感情のコントロールが子育てと介護に与えるシナジー:筆者の仮説


私は、「感情の扱い方を学ぶことで、子育てと介護の両分野が互いに好循環を生む」と考えています。たとえば、子どもに対して冷静に対応するスキルを身につけると、介護でも同じスキルを活かすことができます。逆に、介護の現場で学んだ忍耐や適切な感情表現の技術は、子育てにおいても非常に有効です。

このように、感情管理のスキルは子育てと介護の双方で使い回せる汎用性の高いツールであり、生活全体を支える大きな力になるのです。

活用例

  • 子育て:子どもが癇癪を起こして泣きわめいているとき、「6秒ルール」を実践し、深呼吸して冷静さを取り戻したうえで、「子どもが何を求めているのか」を確認する習慣をつけます。これにより、感情的な反応を抑えつつ、問題解決型のコミュニケーションが可能になります。

  • 介護:介護中に親が非協力的な態度を取ったり、何度も同じ質問をしてくる場合、「感情日記」を事前に活用して、こうしたトリガーに対する冷静な対応方法を整理しておきます。「親の言葉そのものではなく、背後にある気持ちを理解しよう」と意識を切り替えるだけで、感情的な衝突を避けられることが多いです。

このように、一方で学んだ感情管理スキルをもう一方に活用することで、相乗効果が生まれます。

【たぶん即効性あり…】怒りをうまく操るための3ステップ


このように怒りの力を制御しつつ、小出しに発動できるようになるためには、小さな一歩から始めることが重要です。以下に、すぐに試せる具体的なステップを提案します。

  • 6秒ルールを試してみる
    次に怒りを感じたとき、6秒だけ深呼吸をしてみてください。怒りのピークは6秒程度と言われています。この短い間に意識的に呼吸を整えるだけで、冷静さを取り戻しやすくなります。

  • 感情日記をブログでつける
    感情日記を「ブログ」という手段でつけてみるのも、非常に効果的です。1日の終わりに、自分が感じた怒りのトリガーやその背景をブログに記録してみましょう。たとえば、「なぜ怒りが湧いたのか」「その反応は本当に必要だったのか」といった振り返りをブログにまとめることで、自分の感情を客観的に見つめ直す習慣が身につきます。

  • 怒りの自己分析を行ってみる
    自分がどんな状況で怒りを感じやすいのか、まずは具体的にリストアップしてみましょう。たとえば、「子どもが片付けをしない」「親がこちらの話を全く聞いてくれない」など、日常生活の中で怒りを引き起こすきっかけ(トリガー)を洗い出します。そして自分の怒りについての「傾向と対策」を練っていくのです。

さらなる学びへの提案


アンガーマネジメントの基礎を押さえたら、次はさらに深く学んでみましょう。

  • おすすめ書籍

    1. 『アンガーマネジメント入門』と検索すると、たくさんの書籍が検索できます。あなたの好みに合った専門書を見つけて見て下さい。

    2. 『嫌われる勇気』の商品リンクはこちらです。

5️⃣おわりに


感情を管理するスキルは、子育てや介護のストレスを軽減するだけでなく、生活全体をより穏やかで前向きなものに変える可能性を秘めています。ぜひ、この記事をきっかけに小さな一歩を踏み出し、怒りを自分の味方に変えるスキルを身につけてみてください。私のブログやnoteで一緒に学び、成長していきましょう!

【介護分野に特化】note→https://note.com/taki9961


【学びをお金に変えるために】はてなブログ→https://shuhumoney.net/



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