【読書感想】遠田潤子『雪の鉄樹』

2018/10/21 初めての作家さん、読了。

遠田潤子『雪の鉄樹』

主人公は庭師の雅雪。物語が大きく動き出すまでの雅雪への気持ち悪さから何度かリタイアしようと思った。雅雪が雅雪たる所以が分かってからは一気に読み切った。

雅雪が遼平と山中で語り合うシーンが一番心に残った。このやり取り、最近違う作品でも耳にしたぞ、と記憶を辿ってみたらドラマの『義母と娘のブルース』だった。

他人の子を育てることで、自分を育て直す。

あの時与えて欲しかった言葉。
あの時与えて欲しかった温もり。

子育てはしんどいけれど、憑き物を落としてくれる瞬間がある。色々、本当に色々あったけど、雅雪は遼平に出会って救われたのだと思う。

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