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T-岡田選手・安達了一選手引退試合(20240924バファローズ対ライオンズ戦)観戦記

もう1週間近くが経過してしまいましたが、2024年9月24日(火)に京セラドーム大阪で観戦したプロ野球パ・リーグのオリックス・バファローズ対埼玉西武ライオンズ戦の振り返りをお届けしようと思います。
後述する事情により、写真が40枚近くに及ぶ記事になりますが、どうか最後までお付き合いのほど宜しくお願いします。
既に報じられているとおり、この試合はオリックス・バファローズの2024年シーズン本拠地最終戦として、また同シーズン限りで現役を退くT-岡田外野手(本名 岡田貴弘)・安達了一内野手(注)の引退試合として開催されました。
(注)2024年シーズンは内野守備走塁コーチを兼任

終了後に長年の功労者である2人の引退セレモニーが執り行われるということで、この試合には「ありがとう頼れる兄貴たち THANKS BRO LAST GAME」の冠が付けられ、阪神なんば線のドーム前駅や球場内などあちこちにポスターが掲出されていました。

ポスター

また、T-岡田選手安達選手の他、同じく2024年シーズン限りでの引退を表明した比嘉幹貴投手、小田裕也外野手の計4人をあしらった巨大広告も、京セラドーム大阪のメインゲート脇に掲げられました。

メインゲート脇の広告

ドーム内の通路には、T-岡田選手愛用のバット、安達選手愛用のグラブ、比嘉選手が用いたボール、小田選手愛用のスパイクをあしらったポスターが展示されており、これがまた多くのファンを泣かせる内容でした。

また、この日の入場者全員には、T-岡田選手をあしらったもの、安達選手をあしらったもの、計2枚のボードが配布され、両選手の登場時や引退セレモニーの際に適宜使用するよう案内がありました。
ボードはいずれも両面刷りで、裏面は両選手のバファローズでの活躍をまとめたスナップ集に仕上げられていました。

ドーム内の各飲食店では、引退する4選手がプロデュースした新旧のスタグルが販売されていました。
私はその中でふと目が止まった、「安達選手のあダッチポテト~温野菜入り~」(800円)を上段内野指定席(3塁側)のお店で購入。
チーズとトマト、茄子が載ったイタリアン風味のフライドポテトでした。
ちなみに安達選手の故郷・群馬県ではイタリア料理が名物だといいます。

あダッチポテト

イニング間の演出の主役も、引退する4選手でした。
また、他の選手が打席に入る際にも安達選手の過去の登場曲を使うなど、粋な演出がありました。

先発投手は、バファローズエスピノーザ投手ライオンズ今井達也投手。
バファローズの主力の引退試合ではありましたが、対するライオンズはエース級の今井投手を先発させるわけで、なかなか手強そうです。
1回表に佐藤龍世選手のタイムリーで2点を先制すると、4回表にも悪送球などで3点を追加し5-0、一方的な展開に持ち込まれてしまいました。
そのようななかで迎えた5回裏、2アウト1・3塁の好機で8番打者の若月健矢選手に代わり、大きな拍手とともにT-岡田選手が登場。
満員の観衆は大声でチャンス用の応援歌を合唱しながら、渾身の勢いでタオルを振り回しましたが、結果は惜しくも外野フライ。3アウトでイニングチェンジとなりました。

代打・T-岡田選手がコールされ沸く場内

6回裏には1番打者・廣岡大志選手の打順で、代打として安達了一選手が登場。場内は大いに沸きましたが、惜しくも外野フライ。

打席に入った安達選手

その後、2アウトランナー無しから、2番打者の西野真弘選手が三塁打で出塁、得点機を迎えたところで代走に起用されたのが、西野選手の入団同期である小田裕也選手でした。
続く太田椋選手がショートゴロに倒れ、小田選手はホームベースを踏むことはできませんでしたが、同期の絆を感じさせる起用に全プロ野球ファンがうるっと来ました。

代走で登場した小田選手

その後、T-岡田選手は7回裏に今井投手から、安達選手は8回裏・現役最後の打席でポー・タカハシ投手から、それぞれ見事なヒットを放ちました。
8回裏には小田選手にも打順が回り、当たりは良かったのですが、惜しくもショートライナーに倒れています。

8回裏、小田選手の打席

ライオンズの大量リードで迎えた試合終盤でしたが、T-岡田選手、安達選手、小田選手とも守備でも見せ場を作りました。
それに先立つ7回裏には、福永奨選手の代打で登場した「ラオウ」こと杉本裕太郎選手が2ランホームランを放ち、バファローズにとってこの試合唯一の得点をもたらしましたが、この杉本選手が試合の終盤にまたいいことをしてくれました。
9回裏、1アウト1塁の場面、次の打者はT-岡田選手という場面で打席に入った杉本選手ですが、「自分が併殺打を打ってしまうとT-岡田選手に打順が回らない」ということで、わざと三振に倒れました。
後の報道で、この三振の深い意味を知り、杉本選手の男気に感動を覚えた人は少なくないと思います。

現役最後の打席、T-岡田選手は、もう少し左にずれていたらホームランになったであろう豪快な当たりを放ちましたが、惜しくもポールをギリギリ超えてしまいファウルという結果に。
最終的に三振には倒れましたが、全盛期を彷彿とさせる豪快な当たりに、両軍のファンから惜しみない拍手が送られました。

試合は9-2でライオンズがバファローズに勝利。
名選手の引退試合ではあるものの、同時に本拠地最終戦ということで、試合後にはヒーローインタビューこそなかったものの、ビジョンにはライオンズファン向けの感謝のメッセージが表示されました。

試合後はまず本拠地最終戦セレモニー。
お揃いの4選手の引退記念Tシャツを纏った選手たちが入場しました。
引退する4選手のうち、ただ1人この日の試合に出場していない比嘉幹貴投手の引退記念タオルを携えての入場です。

ヘアバンドがトレードマークの小田選手。

まずは本拠地最終戦を終えての中嶋聡監督の挨拶。
リーグ4連覇を果たせずもどかしいシーズンではありましたが、来季も中嶋監督を信じて戦いたいものです。

そして中嶋監督は、当初この日に引退セレモニーを行う予定ではなかった小田選手と比嘉投手に、引退の挨拶の場を与えてくれました。

小田選手

淡々とした口調ながら、「バファエールは好きでした」、「来年ビールかけに招待してください」などと、ところどころ笑いを取る内容もあった比嘉投手の挨拶は印象的でした。

比嘉選手

その後、場内が消灯され、T-岡田選手と安達選手の引退セレモニーが始まりました。

T-岡田選手の履正社高校野球部時代の監督・岡田龍生さん(現東洋大姫路高校野球部監督)、「ケツメイシ」(注)リーダーの大蔵さん、芸能界を代表するオリ党である「ますだおかだ」の岡田圭右さん、「なにわ男子」の藤原丈一郎さん、元同僚であるロサンゼルス・ドジャースの山本由伸投手、ボストン・レッドソックスの吉田正尚選手、計6人からの心のこもったビデオレターが上映されました。
(注)T-岡田選手の登場曲は、ケツメイシの「カーニバル」です。

岡田龍生監督
「ケツメイシ」大蔵さん
山本選手
吉田選手

ビデオレターの後は、T-岡田選手と安達選手の現役生活を振り返るお宝映像が上映されました。

2010年シーズン、22歳の若さでホームラン王に輝いたT-岡田選手

安達選手がドラフト1位で入団した時のことは今も覚えています。
宮古島キャンプでの負傷で出遅れこそしましたが、1軍昇格後は守備に打撃にめきめき頭角を現しました。

あと一歩でリーグ優勝を逃し、クライマックスシリーズでも悔しい思いをした2014年でしたが、このクライマックスシリーズファーストステージの2戦目で一矢報いるホームランを放ったのがT-岡田選手でした。

難病の潰瘍性大腸炎を発症、入院治療を経て復帰した日の安達選手。
この年、安達選手の快打で勝った試合を観に行った覚えがあります。
【参考】旧ブログの記事(2016年)

2023年シーズンのリーグ三連覇のシーンで、思い出の映像は大団円を迎えました。
その後、T-岡田選手、安達選手の順に引退挨拶を行いました。
2人とも、家族やチームメイト、スタッフなど、長い現役生活を支えてくれた周囲の人々への感謝の言葉を述べていました。
目に涙を浮かべるT-岡田選手、遊撃手の後任となる紅林弘太郎選手に愛のある檄を飛ばした安達選手を前に、私も涙が出そうでした。

花束を贈呈したのは、球団OBの坂口智隆さんと海田智行さん、ビデオレターを寄せていた岡田圭右さんと藤原丈一郎さん、そして両選手の奥さん、子どもさんでした。

花束贈呈のあとは、T-岡田選手、安達選手とも同僚たちから胴上げされ、22時30分頃にセレモニーは終了。
T-岡田選手の奥様のおじにあたる俳優の升毅さん、引退選手たちと世代の近いOBの大引啓次さんの姿は見えませんでしたが、きっとそれぞれの場所で、勇士たちの有終の美を見守っていたことと思います。

この本拠地最終戦で引退セレモニーを行った4選手の進路ですが、安達選手はコーチ専任となり、T-岡田選手についてもコーチと思われるポストが用意されているという報道もありました。
4人の選手がそれぞれの新天地で輝ける事を願って結びとさせていただきます。
改めまして、T-岡田選手、安達了一選手、比嘉幹貴選手、小田裕也選手、今までお疲れ様でした、そしてありがとうございました!

小田選手、T-岡田選手。安達選手、比嘉選手のアクリルスタンド

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