オリックス・バファローズのT-岡田選手・安達了一選手が今季限りで現役引退
はじめに
9月に入り、プロ野球の2024年シーズンも大詰めとなっていますが、同時に長年活躍した名選手たちの引退の話題が聞かれる季節がやってきました。
我が贔屓チームであるオリックス・バファローズでは先週に入り、T-岡田外野手(本名 岡田貴弘)(背番号55)と安達了一内野手兼内野守備走塁コーチ(背番号3)が2024年シーズン限りでの引退を表明しました。
2005年の合併直後からバファローズを応援している私からすれば、ついこの間バファローズに入ったばかりに思っていた2人でしたが、いずれも昭和62年会(注)、気が付けば本年度中に満37歳を迎える大ベテランになっていました。
(注)正確にはT-岡田選手・安達選手とも1988年の早生まれです。
T-岡田選手について
地元の吹田市出身。履正社高校から2005年高校生ドラフト1位でバファローズに入団したT-岡田選手。
プロ1年目の2006年から一軍の試合に出場しており、プロ4年目の2009年にはプロ初本塁打も放つなど早くから頭角を現していましたが、転機が訪れたのは2010年シーズンのことでした。
この年就任した岡田彰布監督(現阪神タイガース監督)が「同姓でややこしくなる」という理由で登録名変更を提案、新しい登録名はファンが応募した「T-岡田」に決定。心機一転の状態で迎えたこのシーズンに33本塁打をマークし、22歳の若さでホームラン王に輝きました。
ただ、翌2011年シーズンに低反発球が導入されてからは一転ホームランが減り、たびたび故障に泣くなど試練も味わいました。
それでも、2014年の北海道日本ハムファイターズとのクライマックスシリーズファーストステージ第2戦での逆転サヨナラホームラン、2021年のパ・リーグ優勝がかかる千葉ロッテマリーンズとの大一番でのホームランなどに代表されるように、大事な場面でたびたびチームを救ってくれる、打線の要となる選手でした。ホームラン王獲得は2010年シーズンの1回限りでしたが、その後も2014年シーズンに24本塁打、2017年シーズンに31本塁打を記録するなど、打線の中枢としての役割を果たしていました。
低反発球の導入がなければ、故障がなければと思うこともありますが、突然の合併劇により誕生しなかなか上位に入れなかったチームを牽引し、最終的にリーグ三連覇と日本一に導いた立役者となったT-岡田選手の活躍には、一ファンとして感謝することしきりです。
安達了一選手兼コーチについて
群馬県高崎市出身。群馬県立榛名高校から上武大学、東芝府中を経て2011年ドラフト1位で入団した安達了一内野手兼内野守備走塁コーチ。
この安達選手兼コーチは、私にとって特別な思い入れがある選手です。
と言うのも、安達選手兼コーチは、小島脩平コーチ・松井雅人スコアラー(いずれも桐生第一高校出身)とは同学年かつ同じ群馬県出身。学生時代からたびたび対戦していた関係でした。
実は私の家内も安達選手兼コーチ、小島コーチ、松井スコアラーと同学年で、群馬県の高校野球強豪校を卒業しており、3人のことは高校時代から心得ていたとのこと。そのことを知って以来、私は彼らのことを他の選手にもまして熱心に応援するようになりました。
プロ2年目の2013年シーズンから長く正遊撃手としてチームを支え、「守備職人」というイメージだったものの打撃でも魅せてくれた安達選手兼コーチ。
2016年シーズン開幕前に体調不良で緊急入院、国指定難病の「潰瘍性大腸炎」と診断される試練に見舞われました。
完治が難しい病気とあり、診断以降は体調と相談しながら試合に出場する形になり、幾度か離脱を余儀なくされることもありました。それでも病気とどうにか付き合いながら、2018年にはオールスターゲームへの初出場を果たし、2021年には合併後初のリーグ優勝がかかった東北楽天ゴールデンイーグルスとの大一番で2ランスクイズを決めるなど、頼もしい活躍を見せてくれました。
2021年以降は正遊撃手の座を若い紅林弘太郎選手に譲り、2022年シーズン以降は気が付けば一軍での出場試合数もめっきり減ってしまった安達選手兼コーチ。
コーチ兼任となって迎えた2024年シーズンは、5月1日のマリーンズ戦の9回表に守備固めに起用されたものの、1イニングで3失策を記録してしまいチームはサヨナラ負け。得意の守備に陰りが見えたことで、引退を決意することになりました。
現役生活の晩年には出場試合数が減り、また守備でのエラーも目に付くようになりましたが、安達選手兼コーチは長い低迷に苦しんだチームを常勝軍団に引き上げた立役者であることには変わりなく、その活躍はいつまでも皆の記憶に残ることと思います。
病気と闘いながらファンに夢を与えてくれたこと、屈辱の3失策の後、6月15日の東京ヤクルトスワローズ戦でのお立ち台を生で観られたことは、永遠に忘れません。
8月20日の上毛新聞敷島球場での埼玉西武ライオンズ戦での地元凱旋があと一歩で叶わなかった(注2)のは悔やまれる限りですが、残り1ヶ月の現役生活、思いの丈を完全に出し切って欲しいと思います。
(注2)ベンチ入りしたものの出場は叶わず。
おわりに
T-岡田選手と安達選手兼コーチの引退セレモニーは、9月24日(火)の本拠地最終戦となる埼玉西武ライオンズ戦で実施される予定です。
当日参戦する一ファンとしては2人がどのような形で起用されるのか、登場曲や引退記念ムービーがどうなるか、はたまたセレモニーで花束を渡すゲストが誰になるかが気になって仕方ないところですが、何はともあれ2人にとっての現役最後の一戦が素晴らしい試合になることを願って結びとさせていただきます。
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