【創業note】まさに本厄だった1年の話~2024年の振り返り~
こんにちは。株式会社シンシア・ハートで代表取締役をしている堀内猛志(takenoko1220)です。
このnoteでは、起業を志してベンチャー企業に新卒入社したのに、結局17年も所属してしまった結果、38歳6か月にしてやっと起業した人間のヒューマンストーリーという名のポエムブログを書いています。
新しい1年がスタートして既に2週間以上が経ちましたね。今年も僕はエネルギーに満ち溢れていて、仕事始めの前日には一睡もできませんでした(笑)不眠によるハイテンションでスタートした2025年ですが、今回の記事では、改めて昨年を振り返りながら、今年の抱負を書いていきたいと思います。
激動の本厄
昨年、僕は厄年で、それも本厄だったんですが「ほんまに本厄だったな」って感じの1年でした。一番は、やっぱり家族のことです。
僕は、6月に双子の父ちゃんになる予定でしたが、1人の子を亡くし、もう1人は超未熟児での出産となりました。さらに、子どもの死の原因調査のために妻の身体を検査したところ、ステージ4の大腸がんが発覚。肝臓や肺にも転移していて手術は不可能という状態でした。当時のことは、別記事に詳しく書いています。
まさか自分の身にそんなことが起こるとは思っていなかったので、これからどうしようという気持ちでいっぱいでしたし、当時は手足にも全然力が入りませんでした。とはいえ、妻も子どもも病院から出られない状況の中、動けるのは僕しかいません。3月~5月は、病院と会社と自宅をぐるぐる回りながら「とにかくがむしゃらに生きるしかねえ」と、何かを考える暇もない中で日々を過ごしました。「大変」という言葉は「大きく変わる」と書きますが、本当に人生を大きく変える出来事だったと思います。
冷静になるためのアディショナルタイム
当初は、自分が今どこに立っているのかもよくわからず、大事な判断をしようものならいろいろ間違えそうな状態でした。一方で、妻も子どもも入院している約3ヶ月間は、一人で家にいることが増え、自分に対してしっかりとリフレクションする時間をとることができた時期でもありました。
そこで、第一に取り組んだのは、ぐらついている自分の立ち位置をニュートラルに戻すこと。自分自身と向き合いながら「何をすべきか」「何がしたいか」「ここからどうするか」「今まではどうだったか」といった問いを繰り返し、「そもそも自分は何者か」みたいなことも考えていました。
また、「ここで自分が体調を崩したら詰むな」という危機感もあったので、食べるもの食べて、しっかり寝て、という生活の基本もちゃんとやろうと意識していました。今振り返ってみると、意外と自分を俯瞰できていたのかもしれません。
ルーティンの重要性
ちなみに、ニュートラルな立ち位置に戻ることを助けてくれたのは、日頃のルーティンでした。
人間は、今日どの服を着るか、昼ご飯に何を食べるかなど、1日で本当にたくさんのことを決断しています。一つひとつは小さなことだとしても、何かを決めるには少なからずエネルギーを使いますよね。僕には、それらよりも決断しなきゃいけないことがたくさんあるので、自分の生活をある程度ルーティン化しています。朝起きたら「オートメーションのスイッチオン!」みたいな感じで、考えずとも身体が動いていくイメージです。
手足に全く力が入らなかった時期も、ルーティンを続けていると、だんだんとニュートラルな立ち位置に戻ることができました。やっぱり、普段通りのことをすると、気持ちも普段通りになるんですよね。どんなときも、毎日のルーティンは崩しちゃダメだな、ということを再認識しました。
ルーティンワークの重要性は以下のnoteにもまとめています。
絶望からの再起
子どもの死と、妻のがん発覚という事態に直面し、周囲からも「大丈夫?」とたくさん心配されましたが、自分でも驚くくらい回復は早かったです。
医者からの告知を受けたときこそ頭が真っ白になったものの、その半日後には、自分にできることとできないことを整理し始めていました。妻のがんを治してあげたい気持ちは山々ですが、僕は医者ではないので、祈ることはできても、手術や治療ができるわけではありません。家族のために稼ぐというのも、健康であろうが不健康であろうが当たり前のことです。
「じゃあ、僕にできることは何なのか」といろいろ調べてみると、健康のためには、やっぱり笑顔でいることがいいらしい。そこで、妻の前では、暗い方の未来を想定した話はしないことに決め、ずっと笑顔でいることにしました。今も、当たり前に治るという前提で、「あそこに旅行に行こう」とか「息子が大きくなったらこうしよう」とか、ポジティブな話をたくさんしています。
今の妻について
妻のがんは、大腸から肝臓や肺、脳にも転移しています。その情報だけ聞くと、入院して寝たきりの姿をイメージするかもしれませんが、実際はすごく元気です!
僕も初めて知ったのですが、がんによって何らかの症状が出るのは、臓器の機能に影響を及ぼすところにがん細胞ができたときなんだそうです。肺にがんができたら、呼吸が苦しいとかですね。妻のがんは、基本的に臓器の外側にあるので、奇跡的に、体調の変化はほとんど起きていません。裏を返せば、何の症状もないからここまで気づけずに来てしまったわけですが、食べたいものを食べることができ、嗜む程度ならお酒もOK。幸いにも、QOLを下げることなく毎日を過ごせています。
2週間に一度の通院で抗がん剤治療も進めていますが、副作用もそこまで重くなく、薬を体に入れ始めてから数日後にはある程度回復しています。医学の進歩のおかげで、昔のテレビドラマでよく見たような吐き気もほとんどありません。
ただ、「髪は抜けるよ」と言われていたので、事前にウィッグは用意していました。ところが、実際にはパラパラと抜けただけで済み、むしろ毛根が復活して新しい髪の毛が生えてきています。なので、髪がなくなるどころか、長い毛と短い毛が混在してモサモサしていることに悩んでいるようです(笑)
息子というかけがえのない存在
早いもので、息子は9ヶ月になりました。1100gという超未熟児でしたが、すくすく成長し、今では8kgを超えています。通常より3ヶ月早く生まれたので、6ヶ月くらいの子と同じくらいの身長・体重になっていれば十分なところ、なんと9ヶ月の子にも追いついている状態です。しかも、ただでさえ可愛いのに、毎日可愛くなり続けています。
先ほど、妻が元気に過ごしていることをお伝えしましたが、病気がわかってからはストーマを装着したので、手入れが必要ですし、気を遣わなければならないこともあります。通院にも時間がかかり、少ないとはいえ抗がん剤の副作用もある。そもそも、自分がステージⅣのがんで、医者から10年はもたないと言われているという状況だけで、相当辛いはずです。
妻自身、いろいろ考えることも多いだろうなと思うんですが、それでも明るく元気に過ごせているのは、やっぱり息子の存在があるからだと思います。
嬉しい、楽しい、可愛い、たまに面倒くさい……そんないろいろな感覚を息子が与え続けてくれてるおかげで、彼女自身助けられている。息子がいてくれて良かったなと、心から思います。
「いつか」ではなく「今」を生きる
一連の出来事で、時間の有限性というものを改めて実感した僕は「何かをしなきゃいけない」という言葉を使うのをやめることに決めました。今は、独立して会社員でもなくなったわけですし、「やりたいからやっている」というところで生きるべきだと思っています。
だからこそ、曜日を問わず、思いついたことはすぐにやるようになりました。お客様の都合に合わせるので、どうしても平日の仕事量は多くなりますが、サウナに行く、トレーニングをするといった行動を、わざわざ休みの日まで置いておかないようにしています。
これまでは、旅行も「長期休暇が取れるようになったら」「ちょっと落ち着いたら」と、ついつい先送りにしていました。でも、今はオンラインでどこでも働けるので、家族と旅行に行って、現地で仕事をしてもいいわけです。やっぱり、妻と息子をいろいろな所に連れて行ってあげたいですからね。
そんな感じで、「思いついた時にやっちゃおう」というのをバシバシやった結果、たくさんのことを始められた1年になったと思います。
迷ったら「恥ずかしい」と思う方へ
いろいろな挑戦をする中で「歳をとるってこういうことか」と気づいたことがありました。それは、年齢を重ねるほどに、恥ずかしいと思うことをしたくなくなっていく、ということです。
一つ例をご紹介します。昨年僕は、YouTubeへの動画投稿を始めたのですが、最初にそれを思いついたときに「今さらやる?」「20歳前後ならまだしも、いい年して?」という問いが頭をよぎったんです。人事役員の経験もあるのに内容がしょぼいとか、フォロワー全然いないじゃんとか思われたら、恥ずかしくない?ダサくない?とも思いました。
でも、仮に自分と同世代の人が、YouTubeに挑戦しているのを見たら「すごいな」って尊敬することはあっても、「この人恥ずかしいな」なんて1ミリも思わないということに気づいたんです。むしろ、頑張っててすごいな、応援したいなと思います。
先日、テレビで「はじめてのおつかい」を見ましたが、子どもでも、周りの目を気にするようになると、恥ずかしいという感情が芽生えます。そして、大人になればなるほど、しがらみが増え、気にしなければいけない周りの目も増える。まさに、恥ずかしいという感情が歳をとらせていくのだと思いました。
それが、新しいことに挑戦しようとする自分を止めるなら、非常にもったいないですよね。だからこそ、僕は「迷ったら恥ずかしいを取ろう」という決断の軸を決め、現在進行形でいろんなことに挑戦しています。
自分のストーリーを一つにしない
いろいろな挑戦を始めたことで「すごいね」と言われることも増えました。でも、その中には、「自分も何か新しいことに挑戦して人生を変えたい。でもできない」と悩んでいる同世代、あるいは先輩も結構いるんです。
そういった方々に共通しているのは、人生を一つのストーリーしか生きてないために、起承転結の「転」まで過ぎてしまっている感覚でいることだと思います。たとえば、ある企業に入って、順風満帆に会社員人生を送ってきたものの、もうなんとなく先が見えてしまっている。「この感じだと部長にはなれないな」「あと10数年課長のままか」といった具合です。そこで諦めてしまい、省エネモードに入っている人を見ると、僕はすごく切ない気持ちになります。
一方で、同じ年代でも、エネルギーにあふれている人もいます。それは、企業の中で上を目指すなど、まだまだストーリーが続いている人。そして、副業・転職・独立などで、始まったばかりのストーリーを持っている人です。
両者とも、現段階ではストーリーの展開を予想することはできません。先が読めないのはリスクとも取れますが、遊園地のジェットコースターやお化け屋敷と一緒で、ドキドキやハラハラを味わえることは、人生のエンターテインメントになるんです。
だからこそ、僕は、何歳になっても新しいストーリーを作り続けたいと思っています。起業して新しいストーリーを始めたばかりとはいえ、その1本に縋ってしまうと、50~60歳で展開が見えてきたときに、つまらなくなってしまうかもしれませんから。たくさんのストーリーを紡ぎながら、まだまだ序章であるという日々を過ごしていきたいです。
ハッピーしかない1年を
昨年は、子どものことも、妻のことも、人生を左右する大変な出来事がありましたが、総じて明るく前向きに物事を捉えることで、いろんなことが見えた1年になりました。また、一連の経験を経て決断する軸が決まり、新しい挑戦も始められたので、あっという間で、濃い1年だったとも思います。
そして、今年はまた新しいストーリーが待っているんだなと思うと「人生まだまだ楽しめるな」という気持ちになります。
ちなみに、おみくじの結果は吉。めちゃめちゃでかいことは起こらないけど、耐え忍ぶ年だよ、みたいなことが書いてありました。いつも通り楽しんでれば、耐え忍んだことがストックされて、いつかそれが実ると思うので、今年も笑顔で頑張っていきたいと思います!
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