Honda Civic、身近な人たちが乗っていたクルマ
ホンダのシビックは、元々今のフィットの立ち位置だった。1972年に初代が登場して以来、約50年間に渡り続くブランド。トヨタ・クラウン、日産・フェアレディZに続く長寿ブランドと言える。
トヨタが高級車、日産がスポーツカー、そしてホンダは大衆車。ヒエラルキーなき車種を生み出すホンダを体現するモデルではなかろうか。
日本市場向けだったシビックを北米に売り出すにあたりサイズアップし、日本を中心とした小型車を求める市場にはフィット(海外名ジャズ)をあてがった。7代目を境に日本市場から撤退したが、9代目シビックタイプRを日本限定販売で舞い戻った。
そして今回のシビックが11代目である。
外見を見てみる
パッと見ると大きい。大半の人が面食らうだろう。全長4,550mm。フィットより50cmほど長いだけなのだが、ずいぶん大きく見える。不思議なものだ。
内装を見てみる
ドアを開くと音楽とメーターに浮かぶホンダエンブレム、そして呼吸するようにゆっくり点滅するイグニッションイルミネーション。近年のホンダ車に共通するウェルカム演出が心地よい。
室内はデザインが良く、質感もオーソドックスにまとめられている。ヴェゼルを見た後だと気になる点は多い。それでもデザインはスッキリしていて、「北米で愛されるフィット」だと思うとわかる気がする。
ところでHondaデザインとして、視界の切り分けがある。スピードメーターと同じ段には計器類のみ。一段下げて、操作系を集約する。要するに運転視界と操作視界を切り分けて、運転に集中できる視界を確保しているのだ。この思想は初代のシビックからほぼすべてのホンダ車に採用されている。ホンダ車にリピーターが多い理由は、こういった感覚の統一性もあるのかもしれない。
個人的にこの直線基調のデザインは好きで、エアコンルーバーも目立たない。いい年をした大人なのだから、少し背伸びしたクルマに乗りたい。でも人とは違うクルマがいいし、運転が楽しいものを選びたい。でも嫉妬とは無縁でいたい。そういうヒエラルキーなきホンダらしいクルマだ。
リアスタイルを見てみる
セダンに近い車体なのでリアガラスは寝ています。実はシビック、伝統的にリアデザインが寝ているのですが、EG系シビックだけリアガラスをほぼ垂直にしました。当時主流だったセダンタイプへのアンチテーゼとして、若返りを図ったと言われています。シビックエンブレムもシール素材。もし機会があれば茂木のコレクションホールで確かめてみてください。
トノカバーがロールカーテン方式なのはおもしろい。これは先代から継承していますね。
シビックいいなぁ。個人的な話、大学の同級生や先輩が乗っていたので懐かしいし、先代タイプRは近年好きだった女の子が乗っていたりして、シビックに親近感あるのです。
こんな人におススメ
ちょっと大きいけれど、その分余裕はある。人とちょっと違うクルマに乗りたいけれど、高いクルマではなくていい。そういう人にとってお勧めできる一台だと思う。
ちなみに、先代セダンは悲しいことに登場から2年10か月で販売終了している。マイナーチェンジ後から数えると6か月。出してくれるだけ嬉しいが、会社として大丈夫か?とちょっと不安にもなる。
ちなみに基準車にもマニュアル車もあるのがうれしい。タイプRも確約されている。出てきたらぜひ乗ってみたい。