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インドの屋台にインスパイアされて料理
1 動画でインド旅行気分
YouTubeで「インドの屋台」の動画を見るのが好きだ。
『今日ヤバい奴に会った』というチャンネル名の動画である。中の人は、どうやらインドに海外出張しているサラリーマンのようだ。
昔からカレーは好きだったし、時々本格インドカレー屋さんに通っていた。
小学生の頃に両親に連れて行ってもらったインド料理の味を忘れない。あのとき、「ナン」に目覚めた。
学生の時から、スパイスを買ってカレー作りをするほどに好きである。
YouTube動画で初めてインドの「屋台」を知った。ソウルフードとしてのインド料理。そのチャンネルは、屋台以外にもインドの家庭で調理をするシーンもある。本当の(日本風にアレンジされていない)料理が見られるというわけである。
日本では、「本場のインドカレー」と銘打ったレストランが多数乱立している。
筆者自身、こういうカレーセットは大好きだ。この色彩豊かな「日本版」本格インドカレーも確かに好きだ。
好きなんだけれども、
「インドの屋台や家庭料理=普段インド人が食べているもの」は
もっとぐちゃぐちゃしているし、何より「ナン」は出てこない。
ナンより、ライスやヌードルが多い。
そして驚くなかれ、「パン」が多いのである。
たしかに、「ナン」を作ろうとするとタンドール釜が必要だ。
でも、これを設置するのってどう考えても大変だ。
しかもおそらくインドはお金がないから、ガスコンロとフライパン(中華鍋)で作れるものの方が楽だ。
インドの高級レストラン設備ならありそうだが、屋台の装備でタンドール釜はキツイだろう。
ちなみに、「ナンっぽいもの」はあるようで、全粒粉で作られた「ロティ」というパン。
タンドール釜はいらないそうで、フライパンできる。
ちょっと硬くて、甘さ控えめ。
筆者は結構好きだ。
ただ、屋台の動画にはあまり出てこない。
やっぱりめんどくさいんだろう。
「今日ヤバい奴に会った」の動画を見ていると、日本のインドレストランというのは「日本人の味覚に合わせたインド風カレー」屋さんといったほうが正しいように思う。
インドの屋台を見ると、「日本人の味覚に合わせたインド風カレー」のように、たくさんの材料はないし、厳密な分量も決められていない。
それから、色彩は極端に地味か極端に派手の、0か100。
さて、具体的に見ていこう。
「今日ヤバい奴に会った」動画主のお友達にカーンさんというインド人がいる。インドにある「カーンズ・フレーバー」という店の店主だ。
この人がカーンさん↓
いつもニコニコして料理しているのが、なんか可愛らしい。
この動画はチャーハンだったように記憶する。
「チャーハン?中華料理?」と思われたそこのあなた。
つまりは、炒めたご飯なのだから何の種類のお米だろうとチャーハンである。「タイ米+インドのスパイス+鶏肉」チャーハンを「ビリヤニ」という。
ただ、この動画を見ていると、スパイスを入れたから◯◯とか、羊肉を使っているから◯◯という感じではない。
インドの屋台では、スパイスが入らない料理なんてない。
本当に飲み物にもスパイスを入れるくらいだから。チャイや炭酸にも。
唯一といえば、そのまま食べるバナナなどの果物と、ラッシーくらいだろうか。あとは全料理にスパイスが入る。
だから、本場の屋台や家庭料理では、スパイスは無いものと考えていいのかもしれない。酸素とか水みたいなイメージを持った。
日本の本格インド料理屋さんで、ビリヤニが置いてあるところがあるから是非食べて見て欲しい。エスニックな匂いのする、つまりチャーハンである。
さて、インドの屋台を動画で見た第一印象であるが、
「汚い」 以上。
でも、この汚さが、筆者の心に刺さった。
「大雑把さ」「無骨さ」がなんかかっこいい。
これは悪意や嫌悪感ではなく、つまり僕は日本国民とインド国民の衛生観の違いを感じた出来事だった。
以下にインド屋台で、「汚ないと思うポイント」を列挙しよう。
インドの屋台に嫌がらせしようとかそういう気持ちではない。
筆者はむしろ行きたいくらいだ。
ただ、「今日ヤバ」の動画を見てない日本人や、日本のインドレストランが本場だと思っている日本人が現地に行ったらどうなるだろう。
心の準備無しに行ったら、誰もが衝撃を受けるだろう。トラウマレベルで。
私はそのとき「やっぱり日本が一番いい。」となるのが寂しい。
海外に留学した友達からよくこの言葉を聞いていた。
確かに、インドに行ったら、
蒸し蒸ししてしんどいかもしれないし、
スリやぼったくりにあうかもしれない。
屋台料理を食べてお腹を下すかもしれない。
それらをまるっきり含めて
「国ごとにいろいろな文化があるんだなあ。」とポジティブでもネガティブでもないフラットな体験になれば、それだけでいいと思っている。
そして将来、筆者自身が本当にインドに行った際にも、そういうフラットな気持ちで日本に帰ってきたいのである。
では、動画から得られた汚いポイントである。
・スパイスや調味料の器から、同じお玉で無造作に掬っている
・ガスコンロそのものが真っ黒
・「万能ふきん」なるものがある。基本的に中華鍋の取っ手替わりだが、調理台・調理器具、客用の食器など全部兼用である
・「万能水」なるものがある。食器の汚れ洗浄と、調理用水として兼用である。
・コバエがたくさん飛んでいる店がある
・店内の汚れが目立つのは当然で、10年くらい掃除していない店がある
↑こんな具合だ。
パンが裸のままレンガのように積み上がっていますでしょ?
調理台が汚れても気にしてないでしょ?
ゴミだかわからないものと食材が一緒になっているでしょ?
ていうかこの人(料理人)に手を洗うという概念はあるのだろうか?
と衛生大国日本で育った私たちはそう思うでしょ。
言いたいことはとても分かる。筆者も第一印象はそうだった。
うん確かに、見る人が見れば「生理的に無理」な風貌だ。
筆者は、動画を見て10個目くらいで完全に慣れてしまった。
あとは、現地に行って全身の感覚でインド(匂いや音、温度など)を感じた時にどう思うか。楽しみである。
ちなみに、筆者の妻は絶対に行きたくないらしい。絶対に。
確かに、キャンプよりグランピングが好きだし、山より海が好きな妻である。アジアよりはヨーロッパの方がいいのだろう。
さて、どうしたものか。
2 動画を見て、真のインド料理を作る
筆者は、この豪快さを自分の料理に生かすことにした。
家でやれば問題ない。今の所は家で楽しもう。
コロナが明けたら、いつか、いつか妻がアジアン女になるかもしれないと願って。
まずは形から。スパイスを揃える。
クミン、コリアンダー、ターメリック、ガラムマサラはインド料理の基本だ。全て粉末で揃えている。大体この4種類をしっかり使うとあの「カレー味」の料理になる。チキンをスパイス漬けにすれば、タンドリーチキンになる。
さらに、クミンやカルダモン、クローブはホール(種そのもの)を用意している。オリーブオイルにホールスパイスを敷いて、油であげるとエスニックな香りづけになる。
料理を煮込む際は、シナモンとオレガノなどを入れて火にかけると、コクのある香りが料理を包み込む。
辛味スパイスはいろいろあるのだが、正直、日本の「唐辛子」で良い。近所の産直でカットされたものがある。それで代用している。
↓
実は上記のスパイス達は、スーパーで十分に揃う。 一個200〜400円の価格帯である。初めてスパイスから作るカレーに挑戦する時は、スーパーのスパイスで十分である。このS&Bのやつでオッケー。
それから「ギャバン」から、スパイスセットが販売されている。20種類のスパイスが入って、1000円しない。
一つ注意点は、ジッパーがないから、別に容器を買うか、ジップ付きの袋を用意する必要があるだろう。
↓入っているスパイス
もし、楽しくなってきたら、メルカリで100g 400円程度で購入することができる。基本の4種(クミン、コリアンダー、ターメリック、ガラムマサラ)がそれぞれ100gもあれば、相当なカレーを作ることができる。
一度に使う量は、多くて大さじ2杯程度である。確かにそれだとスーパーの15gスパイスでは物足りない。
調理法はネットにあるもので十分だった。
超簡単にカレーの作り方を示すと、
1スパイスのエキスを油に染み込ませる
2ニンニク・生姜・玉ねぎを炒める。
3玉ねぎが溶けてきたらスパイスを入れる。
4肉や野菜、豆などを、テーマに合わせて入れる。
5その後水を入れて煮込む。
6お好みでバターや辛味を追加して、完成。
実際順番はどうでもいいと思う。なぜなら、筆者は屋台の大雑把さに憧れているからだ。
ただ、最初の玉ねぎ炒めだけ、唯一重要だと感じている。
・スパイスの味と香りを染み込ませること
・焦がさないこと
・玉ねぎを早く溶かすには、塩をふり、少量の水を入れること
この3点である。これが終われば、あとは好きな具材を投入するだけだ。
この玉ねぎ炒めさえ覚えてしまえば、適当に料理してもカレーになる。
あとは適当で良い。
適当が良い。
チキンを入れても、羊でも、トマトを入れても、生姜のみじん切りなんか入れてもうまい。
水を多めにすればスープになるし、野菜ごろごろ、肉ゴロゴロにしてもいい。
ヨーグルトか牛乳、ココナッツミルクを入れるとドロドロになる。
辛くしたければ、一味唐辛子をぶっ掛けよう。
こんな感じで筆者はインド料理にはまっているというわけだ。