
ブッシュ・ド・ノエル(ショートショート)
ブッシュドノエルは様々な環境に生息しています。
一般的なものは森の中。とても背の高い木々が林立するその奥、アカマツの成木とトウヒの若木がランダムに並んでいるうちのひとつがそれです。
伐採する前のブッシュドノエルは、本物の樹木と同じくらいに硬く、チェーンソーを用いて切り倒します。
四方に伸びる枝は切り落として、粉末状にしてパンの生地に練り込んだりするととても美味しいです。
樹木タイプのブッシュドノエルは、低温熟成させることで柔らかくなります。
なので、業務用の冷蔵庫を準備しましょう。専用の施設を作っても良いかもしれません。
また、海に生息するブッシュドノエルもいます。
見た目は流木の形をしています。こちらは非常に脆く、優しく扱わなければいけません。
このタイプのブッシュドノエルは、魚たちと泳いでいるところを見掛けられることがあれば、砂浜に打ち上げられている場合もあります。
魚たちと泳いでいる場合は、無理に捕獲しようとしない方が無難でしょう。網や釣り竿などを用いても、完全な形で捉えることが難しいからです。
砂浜に打ち上げられているのを見つけたら、大きめの台車を持ってきてそっと載せ、加工場に運びます。
まずは何度か冷水で表面を濯ぎ、塩分を落とします。この工程で、より柔らかく、崩れやすくなるので気をつけましょう。
水ですすいだあとは、業務用の包丁で、ちょうど良い大きさに切り分けます。
そして最後に、ちょうど良い柔らかさになるまで乾燥させて、処理は完了となります。
普段使いの薪と同じ場所において乾燥させていると、間違えて薪として使用してしまいかねないので、乾燥場所の選定は十分考慮して行いましょう。