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話し言葉の血なまぐささ

国語改革の一環で成立した当用漢字や「現代かなづかい」で、現代日本語は著しく毀損された

話し言葉はその場で瞬時に発しなければならない上、形には残らないという性質から、語法や文法は崩れたものとなりやすい。戦前までの日本語は、文語と口語を截然せつぜんと分かつことによって、書記言語が荒らされるのを防いできた。だが、明治以来の言文一致運動、表音主義に基づいた戦後の国語改革によって、話し言葉と書き言葉との区別が曖昧になり、書記言語が保ってきた語法文法の正則性が損なわれてしまった。更に、話し言葉特有の凌虐的な傾向が書き言葉に持ち込まれ、書記言語の有していた品位は堕落の一途を辿るばかりである。

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玉城武生
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